ジョン・ニューベリー(1713年7月9日〜1767年12月22日)は、「児童文学の父」と呼ばれ、18世紀のイギリスで子ども向けの書物を大衆化した先駆的な出版人です。彼はイギリスに住み、主に都市部で書店・出版の事業を行い、子ども向けの読み物を体系的に作り、広めました。

ニューベリーは、遊び心と教育を組み合わせた新しい形の児童書を次々と刊行しました。代表的な作品には『A Little Pretty Pocket-Book』や『The History Of Little Goody Two-Shoes』などがあり、これらは子どもに向けた物語や詩、簡単な読み物を分かりやすい形で提供すると同時に、おまけの玩具や読み物を贈り物にする販売戦略を取り入れたことで知られます。こうした工夫により、書物が子どもの教育用途だけでなく、日常の娯楽や贈答品としても定着していきました。

児童書以外にも活動範囲は広く、ニューベリーは詩集や小説、アルマナック、新聞・パンフレットなどの一般向け出版も手掛けました。彼が印刷・出版に関わった作家には、クリストファー・スマート、オリバー・ゴールドスミス、サミュエル・ジョンソンなどがいます。これにより、ニューベリーの書店・出版社は幅広い読者層に知られる存在となりました。

ニューベリーの名は、現代でも児童文学の分野で重要な意味を持ちます。アメリカ図書館協会が創設した賞、ニューベリーメダルは、子どものための優れた文学作品に贈られる最も権威ある賞の一つで、彼の業績を記念して名づけられました。この賞は毎年、児童文学における優れた貢献を称えるために授与されます。

ニューベリーの出版活動は、児童文学を単なる教訓書や宗教教材から、楽しみながら学べる娯楽性のあるジャンルへと変え、近代的な子ども向け出版の基礎を築きました。彼の商才と編集方針は後の出版事業や図書文化にも影響を与え、今日に至るまでその名前は児童書界で高く評価されています。