カレワラとは?フィンランドの国民叙事詩:概要・あらすじ・主要登場人物
カレワラとは?フィンランドの国民叙事詩の概要・あらすじ・主要登場人物をわかりやすく解説。ヴァイナマイネンやポホヨラの対立、編纂の背景も紹介。
『カレワラ』はフィンランドの国民的叙事詩で、近代フィンランドの民族意識や文化形成に大きな影響を与えた作品です。言葉そのものや民俗、歴史観を伝える重要な資料であり、フィンランド人にとって非常に重要な書物なのです。
概要と成立
カレワラは、19世紀前半にフィンランドと周辺地域に伝わる口承詩(ルノ=runo)を編纂して一冊の叙事詩にまとめたものです。多くの歌や伝承は主にカレリア地方やその周辺の口承から採集されました。編者は医師で言語学者のElias Lönnrotで、各地を実地調査して収集した断片的な歌をつなぎ合わせ、詩的な体裁に整えて刊行しました。初版は19世紀(最初の刊行は1835年)で、その後拡張・整理されて現在知られる形(1849年版が標準)になりました。
詩の形式と特徴
カレワラ詩は独特の韻律とリズムを持ち、口承詩特有の反復や並列法(同じ意味を異なる語で繰り返す技法)、頭韻などが特徴です。英語では一般に「Kalevala metre(カレワラ韻律)」と呼ばれ、トロカイック四歩格(トロカイック四拍子)に近いリズムで歌われてきました。歌唱にはフィンランド語特有の抑揚と旋律があり、これがカレワラに独自の表現を与えています(原文でも「独特の旋律」とされるように、口承音楽としての性格が強い)。
あらすじ(主な筋書き)
- 創世と英雄の誕生:詩の冒頭では、イラムタル(大気の精)や自然の力によって世界が生まれ、賢者の歌い手である英雄ヴァイナマイネン(ヴァイナマイネン)などが登場します。
- アイノとユウカハイネンの物語:若者ユウカハイネンとその妹アイノ(Aino)を巡る悲劇的な恋愛譚は、詩の中でも有名なエピソードです。
- イルマリネンの鍛冶とサンポ:不死の職人・鍛冶の英雄イルマリネン(イルマリネン)が不思議な工芸品「サンポ(Sampo)」を鍛え、豊穣をもたらす一方、その奪取と争いが物語の核になる章があります。サンポを巡るカレワラ国と北の国・ポホヨラとの対立が大きな山場です。
- クレルボ(Kullervo)の悲劇:酷い境遇に育った若者(原語ではKullervo)が復讐と破滅へ向かう物語は、カレワラ屈指の暗く重いエピソードです(テキスト中ではクレルボと表記されています)。
- 冒険譚と別離:レンミンカイネン(Lemminkäinen)らの冒険、魔術や歌による争い、そして最終的にヴァイナマイネンが長い旅を経て去っていく(あるいは最後に去る/去ろうとする)といった終末的な要素が続きます。
主要登場人物
- ヴァイナマイネン:老賢者であり歌い手(吟遊詩人)的存在。詩や呪文の力で自然や人を動かす中心的人物。創造や治癒、呪術に通じる。
- イルマリネン:偉大な鍛冶師。サンポを鍛えることで知られる技術者で、工芸・仕事の象徴的英雄。
- レンミンカイネン:好色で冒険好きな若者。戦いや恋の冒険譚で活躍する反骨の英雄。
- クレルボ(Kullervo):悲劇の青年。家族や社会から疎外され、破滅的な復讐を遂げる悲劇的主人公。物語は暗く残酷な展開を見せる。
- ルーヒ(Louhi):ポホヨラの女主人で魔術に長けた敵役。サンポを持つ国の支配者としてカレワラの英雄たちと対立する。
- ユウカハイネン(Joukahainen):若き挑戦者で、ヴァイナマイネンと対立する人物。妹アイノ(Aino)にまつわる悲劇の当事者。
主なテーマ
カレワラには創世、自然と人間の関係、技術と魔術(鍛冶と歌の力)、愛と裏切り、復讐、共同体と敵対など多様なテーマが折り重なっています。作品全体を貫くのは「歌(言葉)の力」に対する強い信仰であり、言葉や詩が現実を変える手段として描かれます。
影響と翻訳
カレワラはフィンランドの国民運動(国民ロマン主義)を促進し、文化・芸術(画家、作曲家、詩人)に大きな影響を与えました。作曲家ジャン・シベリウス(Jean Sibelius)はカレワラの主題を素材に曲を書き、画家や作家も多くの作品を生み出しました。また、J.R.R.トールキンをはじめとする海外の作家や研究者にも影響を与え、トールキンの物語創作の一部に着想を与えたことでも知られます。
編纂者の努力によりカレワラは多くの言語に翻訳され、英語版やその他の言語版を通じて国際的にも読まれています。詩の韻律や口承性をどの程度保持するかは翻訳者によって差があり、異なる訳で別の味わいが生まれます。
読む際のポイント
- 口承詩であるため、現代的な小説のような一貫したプロットを期待すると戸惑うことがあります。多様なエピソードの集合体として読むと理解しやすいです。
- 原文のリズムや反復表現は翻訳で消えやすいので、可能なら解説付きの訳や注釈を参照すると背景理解が深まります。
- 主要エピソード(アイノの物語、サンポの争奪、クレルボの悲劇など)を押さえると作品全体の流れがつかみやすいです。
カレワラは単なる文学作品を超えて、フィンランド語や民族的記憶を保存・再生した文化遺産です。初めて触れる場合は、要約や解説を併せて読むと各登場人物や伝承の意味が見えやすくなります。

"Aino-Taru" (Akseli Gallen-Kallela 1891年)
質問と回答
Q: カレワラとは何ですか?
A: カレワラはフィンランドの国民的叙事詩で、フィンランドの人々にとって非常に重要な物語や民話が書かれた本です。
Q: カレワラの詩は何年前のものですか?
A:カレワラの詩はとても古く、大昔の人々によって歌われたものです。
Q: これらの詩の独特の音律は何ですか?
A: この詩の独特の音律は、フィンランド語以外では知られていません。
Q:多くの詩はどこから集められたのですか?
A: カレワラの詩の多くは、カレリアとその近郊の地域から集められました。
Q: カレワラで最も重要な英雄は誰ですか?
A: カレワラで最も重要な英雄は、ヴァイナメーネン、イルマリネン、レンミンカイネン、クッレルヴォです。
Q: カレワラの英雄の敵は誰ですか?
A:カレワラの英雄の敵は、ルーヒーとジョウカハイネンです。
Q:カレワラの多くの物語で、互いに戦った2つの国は何でしょう?
A: カレワラの多くの物語で互いに戦った2つの国は、カレワラの国とポヒョーラの国です。
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