C151C(川崎重工×CRRC青島四方):シンガポール東西線・南北線に導入された6代目車両の概要
C151C(川崎重工×CRRC青島四方)—シンガポール東西線・南北線に導入された6代目車両の設計、納入経緯、内装・運行開始の詳細を写真とともに解説。
川崎重工&CRRC青島四方 C151Cは、シンガポールの既存の東西線と南北線に導入された6代目の通勤形電車です。合計12編成が発注され、2017年から2019年にかけて順次納入されました。納入後は本線での試験運行や車両・乗務員の訓練を経て、段階的に営業運転へ移行しています。
主な納入・運行開始の経緯は以下の通りです。
- 2017年10月27日:12編成のうち第1編成が納車。
- 2018年2月28日:トゥアス(Tuas)デポにて2編成が展示され、内装デザインが公開された。
- 2018年9月30日:最初のC151C 3編成が南北線で営業運転を開始。
- 2018年末まで:さらに3編成が運行を開始。
- 2019年初頭:残り6編成が順次運行を開始し、NSEWL(North–South & East–West Lines)で運行する編成数は186編成から198編成へと増加した。
製造と協業体制
C151Cは、日本の川崎重工業と中国のCRRC青島四方(Qingdao Sifang)が協業して供給した車両です。両社の技術・製造力を組み合わせることで、現行車両との互換性を保ちつつ、信頼性や保守性の向上を図っています。
車両の特徴・改善点
C151Cは「既存ラインとの互換性」を重視しつつ、利用者の快適性や運行効率を高めるために以下のような改善が施されています。
- 内装の近代化:座席や手すり、床材などのデザインを刷新し、車内照明・表示装置も見やすく更新。
- 案内表示・案内放送:車内外の乗客案内用ディスプレイや音声案内が改善され、情報提供能力が向上。
- 安全・監視:CCTV(車内監視カメラ)や各種センサー類が採用され、車内安全の監視・記録が強化。
- バリアフリー対応:車椅子スペースや優先席、乗降しやすいドア幅・手すり配置など、ユニバーサルデザインに配慮。
- 保守性・信頼性:主要機器のモジュール化や状態監視機能により、点検・整備の効率化と稼働率向上を図る設計。
- 省エネルギー技術:回生ブレーキなどのエネルギー回収機構や高効率の駆動装置の採用により、運用コスト低減に寄与。
運行面での位置づけ
C151Cは、東西線・南北線の既存車両群と混在運用され、輸送力増強と老朽車置換の双方を支えます。導入によりNSEWLの編成数が増加することで、ラッシュ時の輸送改善や予備編成の増加による運行安定性向上が期待されています。
試験・導入プロセス
納入後はデポ内での各種試験、車両間連結試験、信号・線路との適合試験、夜間を含む本線走行試験を実施します。さらに乗務員や保守要員に対する教育・訓練が行われ、旅客サービス開始前の最終確認が行われます。公開展示やプレビューによって、一般からのフィードバックを得る機会も設けられました。
意義と今後
C151Cの導入は、シンガポールの主要地下鉄路線における車両近代化計画の一環です。乗客利便性の向上、運行信頼性の強化、保守効率の改善を促し、将来的な路線拡張や信号システム更新に対応できる基盤づくりにも寄与します。
今後も各編成の稼働状況や運用実績が公開されることで、さらなる改良点や運行改善の方針が明らかになるでしょう。
デザイン
C151Cは、NSEWLのMRT車両として初めて折りたたみ式の座席を採用し、トムソン-イーストコーストラインのCT251にも搭載されている路線図表示器を新たに搭載します。C151Cには車内無料Wi-Fiが内蔵されるという噂が流れたが、2018年2月28日にTuas West DepotでC151Cの最終デザインが公開され、事実無根と判断された。[]C151Cは、C151Bの特徴をほぼそのままに、カラーリングを変更した列車です。LTAのカラーリング規則に従った2番目の列車(最初の列車はC951)であり、ノースサウス&イーストウエストラインズで最初に使用された列車である。C151Bとは異なり、車体上部が黒、車体下部が白で、NSEWLのカラーである赤と緑のストライプで区切られている。前面にSMRTのロゴがあるC151A、C151Bとは異なり、C151Cは車体に陸運庁のロゴがある。前面ヘッドライトはLEDに変更されたが、C151Bと同様に配置はそのままで、C151Cの場合はC751Bのように直線的ではあるが、C151A編成以前の古い編成の黒色の前面をスポーツタイプにしている。
列車編成
レヴェニューサービスにおけるC151Cの構成は、DT-M1-M2-M1-DTです。
| C151Cの車種 | ||||||||||
| 車種 | 運転台 | モーター | コレクターズシューズ | 車長 | ||||||
| ミリメートル | フィート | |||||||||
| ディーティー | ✓ | ✗ | ✓ | 23,830 | 78フィート2.2インチ | |||||
| M1 | ✗ | ✓ | ✓ | 22,800 | 74フィート9.6インチ | |||||
| M2 | ✗ | ✓ | ✓ | 22,800 | 74フィート9.6インチ | |||||
列車の車番はx701からx724まであり、xは車種によって異なる。個々の車両には4桁の通し番号が割り当てられている。6両編成の列車は、1台の走行用トレーラー(DT)と2台のモーターカー(M1およびM2)が恒久的に結合された同一の双子セットで構成されています。例えば、セット705/706は、3705、1705、2705、2706、1706、3706の各車両で構成されています。
- 1桁目が車番で、1台目は3、2台目は1、3台目は2というように識別します。
- 2桁目は常に7で、識別番号の一部である
- 3桁目と4桁目が列車識別番号です。全長6両編成の場合、2種類の識別番号があります。例えば、705/706(普通連結)、705/720(交差連結)のようになります。
- 川崎重工とCRRC青島四方で701〜724セットを製作。
関連ページ
- 川崎重工業 C151
- 川崎重工・CSR青島四方 C151A
- 川崎重工・CSR青島四方 C151B
- シーメンスC651
- 川崎重工業・日本車輌製造 C751B
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