エアー湖は、オーストラリアで最も低い地点に位置する内陸塩湖で、海抜は約−15m(海面下約15m)です。水が溜まると、長さ144km、幅77kmのオーストラリア最大の湖になりますが、普段は広い塩の平原(ソルトパン)として乾燥しています。乾燥した気候で、年間の降雨量はわずか100mmほどです。位置は南オーストラリア州の北部で、アデレードから北へ約700kmのところにあります。
この湖の名前は、1840年にこの地を初めて記録したヨーロッパ人の探検家エドワード・アイア(Edward John Eyre)に由来します。一方、先住アボリジニの呼称は「Kati Thanda(カティ・サンダ)」で、現在は先住民名と英名を併記した「Kati Thanda–Lake Eyre」としても知られています。湖はレイク・エア国立公園の中心に位置し、保護地域として自然観察や研究の対象になっています。
エアー湖は外洋とつながらない塩湖(内陸閉鎖盆地)で、主に北部から流れ込む河川(例:Cooper CreekやWarburton川の氾濫)によって不定期に水が満たされます。完全に満水になることは非常に稀ですが、数年から数十年ごとに大規模な洪水で広範囲に湛水し、その際には淡水魚の回遊や大量の水鳥(ペリカンや鴨類など)の繁殖が見られ、生態系が一時的に活性化します。普段は厚い塩の結晶や割れ目が広がる白い大地が特徴で、強い日差しの下では美しい光景を作り出します。
観光面では、乾季にはソルトパンの景観や星空観測、満水時にはボート遊びや水鳥観察が楽しめます。アクセスはマリー(Marree)やウィリアム・クリーク(William Creek)などの小さな町を起点にすることが多く、遊覧飛行で上空から湖の全景を眺めるのが人気です。気候は非常に乾燥しており、訪問時は十分な水や装備を準備することが推奨されます。
地理・気候・生態の面でユニークな存在であるエアー湖は、オーストラリア大陸の自然史や先住民文化の理解にも重要な場所です。
