単糖類とは—定義・構造・種類(グルコース等)と性質・役割

単糖類の定義・分子構造・代表例(グルコース・フルクトース等)、物理化学的性質と生体での役割を図解&比較でわかりやすく解説。

著者: Leandro Alegsa

単糖類は、炭水化物の中でも最も単純な形態で、1つの単位のだけからなる化合物です。一般に無色で水に良く溶ける結晶性固体として得られることが多く、中には甘味を示すものもあります。化学式の一般形は CnH2nOn(典型的には n = 3〜7)で、最も簡単なものにトリオース(グリセルアルデヒドなど)があります。

単糖類の代表例としては、グルコース(デキストロース)、フルクトース、ガラクトース、リボースなどが挙げられます。これらはさらに結合して、スクロースのような二糖類や、多糖類(例:セルロース、デンプン)の構成単位となります。単糖分子の多くは複数の水酸基(–OH)を持ち、炭素原子のうち特定の位置(末端を除くいくつかの炭素)は不斉中心(光学中心)を持つため、同じ化学式から多様な異性体が生じます。例えば、ガラクトースとグルコースはどちらもアルドヘキソース(アルデヒド基を持つ6炭糖)ですが、位置の違う立体配座により化学的・物理的性質が異なります。

構造と分類

  • 炭素数による分類:トリオース(三炭糖)、テトロース(四炭糖)、ペントース(五炭糖、例:リボース)、ヘキソース(六炭糖、例:グルコース、フルクトース)など。
  • 官能基による分類:アルドース(アルデヒド基を持つもの、例:グルコース)とケトース(ケトン基を持つもの、例:フルクトース)。
  • 環状と直鎖:単糖は溶液中で直鎖状(開環)と環状(ヘミアセタール・ヘミケタール形成)を平衡的に取り、環状では五員環(フラノース型)や六員環(ピラノース型)をとります。

立体化学と異性体

  • D/L 表記:最も末端に近い不斉炭素の立体配置に基づく表記。自然界のほとんどの単糖はD体です。
  • エピマー:隣接する不斉炭素の立体配置が一つだけ異なる関係(例:ガラクトースはグルコースのC-4エピマー)。
  • アノマー(α/β):環状化により生成する新たな不斉炭素(アノマー炭素)の配置によりα型またはβ型が生じます。これらは水溶液中で互いに変化(可逆的)することがあり、これをミュータローテーションと呼びます。

物理化学的性質

  • 多くは白色の結晶性固体で水に高い溶解度を示します。吸湿性が強いものもあります。
  • 光学活性であり、偏光面を回転させる性質(旋光性)を持ちます(例:ブドウ糖のd-グルコースは「デキストロース」と呼ばれ、右回りに回転)。
  • 還元性:開環部分のアルデヒドまたはヘミアセタールの平衡により、多くの単糖は還元糖として振る舞います(酸化還元反応に参加)。ただし、スクロースのように非還元性の糖も存在します。
  • 甘味の強さは糖種によって異なり、一般にフルクトースはグルコースより甘味が強いです(食品甘味料としての利用が多い)。

生物学的役割と代謝

  • エネルギー源:単糖、特にグルコースは細胞の主要なエネルギー源であり、解糖系(グリコリシス)や解糖後の代謝でATPを産生します。
  • 貯蔵と構造:単糖は重合してデンプンやグリコーゲン(エネルギー貯蔵)やセルロース(植物の構造材)を形成します。
  • 情報分子の構成成分:リボースやデオキシリボースは核酸(RNA、DNA)の骨格を作り、糖部分はヌクレオチドの一部として重要です。
  • 細胞認識:糖鎖はグリコプロテインやグリコリピドとして細胞表面で情報伝達や認識に関与します。
  • ホメオスタシス:血糖値はインスリンやグルカゴンなどで厳密に調節されます。不均衡は糖尿病などの病態に関係します。

食品中での存在と消化・吸収

  • 多くの果実や蜂蜜には単糖(特にフルクトースやグルコース)が含まれています。加工食品では高フルクトースコーンシロップなどが用いられます。
  • 消化管では加水分解酵素(消化酵素)によりオリゴ糖や多糖が単糖に分解され、小腸の上皮から吸収されます。吸収には能動輸送(例:グルコース・ガラクトースのSGLT1)や促進拡散(例:フルクトースのGLUT5)などの輸送体が関与します。
  • 食品化学では、単糖の還元性に基づくメイラード反応(アミノ化合物との反応)により加熱調理時の褐変や風味形成が起こります。

分析・応用

  • 臨床検査では血糖測定が重要で、単糖(主にグルコース)の濃度は糖代謝の状態を示します。
  • 食品や製薬では純度の高い単糖が原料として使われ、甘味料、発酵基質、核酸合成の出発物質など幅広い応用があります。
  • 化学実験ではTollens試薬やFehling試薬で還元糖の検出が行われます。

以上のように、単糖類は構造的には単純でも、立体配置や環状化、短鎖・長鎖で性質が大きく変わり、生体内外で多様な機能と応用を持つ基本的な有機化合物群です。

単糖類である果糖をハワース投影したもの。Zoom
単糖類である果糖をハワース投影したもの。

質問と回答

Q: 単糖類とは何ですか?


A: 単糖類は、1つの糖からなる最も単純な炭水化物の形態です。

Q: 単糖の特徴は何ですか?


A: 単糖類は通常、無色で水溶性の結晶性固体です。単糖類の中には、甘味を持つものもあります。

Q: 単糖類の例をいくつか挙げてください。
A: 単糖類の例としては、グルコース(デキストロース)、フルクトース、ガラクトース、リボースなどがあります。

Q: 二糖類や多糖類の形成における単糖類の役割は何ですか?


A: 単糖類は、スクロース(一般的な砂糖)のような二糖類や、セルロースやデンプンのような多糖類を構成する要素となっています。

Q: 単糖類に含まれる不斉炭素原子はどのような意味を持つのですか?


A: 水酸基を持つ炭素原子(最初と最後を除く)は不斉であり、同じ化学式で多くの異性体を生み出します。

Q: 単糖類における異性体の例を教えてください。
A: ガラクトースとグルコースは同じアルドヘキソースですが、化学的・物理的に異なる性質を持っています。

Q: アルドヘキソースとは何ですか?


A: アルドヘキソースは、分子の片末端にカルボニル基を持つ6個の炭素原子を含む単糖類です。


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