概要
グルタミン酸ナトリウム(MSG)は、自然界に広く存在するアミノ酸であるグルタミン酸のナトリウム塩です。料理や食品産業では、甘味や酸味を加えることなく、香ばしいうま味の感覚を際立たせるための風味増強剤として重宝されています。MSGは白い結晶性の粉末で、水に溶けやすく、少量で多くの料理に深みや肉のような印象を与えるために使われます。
存在と製造
うま味を生む遊離グルタミン酸は、さまざまな食品に自然に含まれています。特に高い濃度は、肉や熟成食品のようなたんぱく質に富む食品、そしてより具体的には多くのタンパク質を含む食品に見られます。代表例としては肉、魚、乳製品のほか、トマト、キノコ、特定の海藻などがあります。市販のMSGは、炭水化物を微生物発酵させて作られることが最も多く、この方法は多くのアミノ酸や発酵食品素材の製造に似ています。国際的な食品規制では、E番号621で識別されています。
歴史
現在うま味と呼ばれる風味は20世紀初頭に記述され、日本の化学者池田菊苗によって単離されました。池田は、グルタミン酸がその主要成分であることを認識し、調味料としてMSGを製造する方法を開発しました。それ以来、MSGは世界中の料理と食品の工業生産に取り入れられ、単独の調味料としても、だし、ソース、スープ、加工食品の添加物としても用いられています。
用途と例
MSGは、料理のうま味を強めたり、いくつかの調理法で加える塩の量を減らしたりする目的で使われます。一般的な用途には、ブロスやスープ、調味料ミックス、スナック食品、缶詰や冷凍食品、マリネ、飲食店の厨房などがあります。家庭では、炒め物、煮込み料理、ソースにひとつまみのMSGを加えて、強い塩味を付けずに風味を深めることがあります。
安全性、規制、誤解
規制当局はMSGを使用可能な食品添加物として扱っています。米国では食品医薬品局がMSGを一般に安全と認められるものとみなし、添加されたMSGは原材料表示に記載するよう求めています。また、多くの法域で食品添加物として分類されています。20世紀後半には、大量のMSGを摂取した後に一時的な症状が起きたという報告から、しばしば「中華料理店症候群」と呼ばれる語が広まりましたが、その後の研究で、多くの人に共通する因果関係は確認されていません。一部の人は、空腹時に大量のMSGを摂取すると、軽い短時間の反応を報告していますが、一般的な調理での使用については、重大な害や長期的な害を示す明確な証拠は広範な科学的レビューで見つかっていません。
区別点と注目すべき事実
- 遊離グルタミン酸(MSGや熟したトマトに含まれるもの)はうま味を生みますが、完全なタンパク質の中に結合しているグルタミン酸は、タンパク質が分解されるまでは同じ味にはなりません。
- MSGは、同じような風味効果を得る場合、重さ当たりの食塩と同等のナトリウム負荷を与えずに風味を補えるため、いくつかのレシピでは総塩分を減らす目的で使えます。
- グルタミン酸は多くの自然食品に一般的に含まれる成分であるため、MSGは不自然な味を作るというより、自然に存在する風味を濃縮するものとして説明されることがよくあります。
グルタミン酸の化学、工業的製法、規制の要約についてさらに知りたい場合は、上記の関連資料や各国の保健当局による食品安全ガイダンスを参照してください。