モトローラは、1928年に設立されたアメリカの電子機器企業で、無線、移動体通信、通信機器の分野で大きな役割を果たした。長年にわたりイリノイ州シャウムバーグ、すなわちシカゴ近郊に本社を置き、双方向無線機、初期の携帯電話、その他の民生用・産業用電子機器で広く知られた。時代が進むにつれて、モトローラは再編を重ね、携帯端末事業と通信ソリューション事業に分かれていった。

起源と初期の歴史

同社は1928年にガルビン・マニュファクチャリング・コーポレーションとして始まり、1940年代にモトローラの名称を採用した。このブランド名は「motion」と音を連想させる意図で作られた。創業初期には車両用ラジオや公共安全向け機器を供給し、第二次世界大戦中および戦後には軍用・商用通信へと事業を広げた。モトローラは、携帯型双方向無線機や小型無線送受信機を先駆的に開発した企業としてしばしば評価されており、それらは現代の移動体通信の先駆けとなった。ブランドや製品についてはモトローラ、製品の歴史的概説については電子機器の年表を参照。

主な革新と製品群

モトローラは20世紀に、広く使われる多くの技術を導入または発展させた。代表的な分野は次のとおりである。

  • 警察、消防、軍などで使われた双方向無線機と公共安全機器。第二次世界大戦期に初期の携帯設計が現れ(第二次世界大戦期の動向)、その後は民間向けにも応用された。
  • ウォーキートーキーと電池駆動のハンドヘルド送受信機。これらの革新は、しばしば戦時通信の取り組みと結び付けられる(ウォーキートーキーの歴史)。
  • ポケベルや携帯電話製品。これらは携帯型セルラーデバイスへと発展し、モトローラは商業的に利用可能な初期の携帯電話の一つを生産し、のちにはRazrのような象徴的な端末も生み出した。
  • 半導体および組み込みシステムの開発。これらは民生機器と産業顧客の双方を支え、後に半導体部門は独立した(企業再編を参照)。

企業変化、分割、上場

モトローラは、歴史の大半を通じて単一の統合企業として事業を行い、MOTなどの銘柄で公開市場に上場していた。2000年代後半に大きな財務損失に直面した後、同社は再編を進め、2011年1月4日に2つの独立企業へ分割された。ひとつは民生向けモバイル機器に注力するモトローラ・モビリティ、もうひとつは企業向けおよび公共安全向け通信に注力するモトローラ・ソリューションズである。元の本社所在地や地域的な結び付きは、シャウムバーグおよびシカゴ都市圏と関連付けられていた(シャウムバーグ、シカゴ)。

買収とその後の所有

企業分割の直後、Googleは2011年8月にモトローラ・モビリティを125億ドルで買収する合意を発表した。これは、Android関連の特許保有とハードウェア能力を強化する狙いがあった(Googleによる買収)。2014年にはLenovoがGoogleからモトローラ・モビリティの買収を完了し、携帯端末事業を中国のテクノロジー企業グループに統合した(Lenovoによる買収)。これにより、モトローラ・ソリューションズは、無線システム、ネットワーク、サービスに注力する独立企業として残った。

遺産と意義

モトローラの影響は、移動体通信の成熟、規格と端末設計、公共安全で使われる耐久性の高い双方向無線システム、そして半導体および組み込み技術への貢献など、複数の分野に見て取れる。現在モトローラの名を冠する企業は異なる所有者と重点を持つが、そのブランドは初期のモバイル革新と、救急・産業分野で頼りにされる機器と結び付けられ続けている。さらに詳しい企業史や製品史については、公開されている企業資料や技術回顧資料(企業史製品アーカイブ)を参照。