マイコバクテリウム属とは?結核・ハンセン病の原因菌|特徴・感染・治療困難と耐性
マイコバクテリウム属の特徴・感染経路・治療の難しさと抗菌薬耐性を分かりやすく解説。結核・ハンセン病の最新知見と対策も紹介。
結核菌(結核菌)やハンセン病(レプラエ菌)など、哺乳類に重篤な病気を引き起こすことで知られる病原体が含まれています。
マイコバクテリアは、宿主が有害な徴候を示さずに宿主を植民地化することができます。世界中の多くの人が、その兆候を示さずにM.結核に感染しています。
マイコバクテリア感染症は治療が難しい。この菌は細胞壁があるために丈夫です。さらに、彼らはペニシリンなどの細胞壁の構築を破壊する多くの抗生物質に対して自然に耐性を持っています。独自の細胞壁を持つ彼らは、酸、アルカリ、洗剤、酸化バースト、補体による溶解、および多くの抗生物質に長時間さらされても生き延びることができます。
ほとんどのマイコバクテリアは抗生物質クラリスロマイシンとリファマイシンに感受性がありますが、抗生物質耐性株が出現しています。
ギリシャ語の接頭語mycoは「菌類」を意味します。液体の表面で培養すると、マイコバクテリアの成長はカビの一種であるカビに似ています。
マイコバクテリウム属の特徴
- 酸固有(acid‑fast)性: 細胞壁に豊富な長鎖脂肪酸(マイコール酸)を含み、一般的な脱色では染色が落ちないため、ツベルクリン染色やジフの染色で「酸耐性菌」として観察されます。
- 独特な細胞壁: 高い脂質含量により乾燥や化学薬剤、免疫反応に強く、ペニシリン類など多くのβ‑ラクタム系抗生物質に天然耐性を示します。
- 増殖速度の差: 種によって増殖が非常に遅い(結核菌など、培養に数週間かかる)ものと、比較的速く成長するもの(速成育マイコバクテリア)があり、診断や治療法に影響します。
- 細胞内寄生性: マクロファージ内で増殖することが多く、細胞性免疫が主要な防御メカニズムになります。
代表的な種と臨床的意義
- Mycobacterium tuberculosis(結核菌): 肺結核が代表。飛沫感染で広がり、肺の慢性炎症や空洞形成、全身感染を引き起こす。潜在感染(latent TB)を経て再活性化することがある。
- Mycobacterium leprae(レプラエ菌): ハンセン病(らい病)の原因。末梢神経や皮膚に病変を生じ、感覚障害や変形を引き起こす。
- 非結核性マイコバクテリア(NTM): M. avium complex(MAC)やM. kansasii、M. abscessus などが含まれ、免疫抑制者や慢性肺疾患患者で肺感染、皮膚・軟部組織感染、播種性感染を起こします。
感染と病態生理
- 感染経路: 結核は主に感染者の飛沫を吸入することで伝播。ハンセン病は接触や長期的な近接接触により伝播すると考えられているが、感染様式は完全には解明されていない。NTMは土壌や水中に存在し、環境由来の曝露が主因。
- 免疫応答と肉芽腫形成: 細胞性免疫(T細胞・マクロファージ)による反応で肉芽腫が形成され、これが病変の中心になる。免疫が不十分だと病原体の増殖が制御できず重症化する。
- 潜伏感染: 特に結核は感染しても症状のない潜伏期が長く続くことがあり、免疫低下で再活性化するリスクがある。
診断
- 顕微鏡検査(酸耐性菌染色: Ziehl‑Neelsen染色など)での確認。
- 培養(Lowenstein‑Jensen培地など): 感受性試験や同定に重要だが、結核菌は増殖が遅く数週間を要する。
- 分子診断(PCR、核酸増幅法): 迅速かつ高感度で、耐性遺伝子の検出も可能。
- 免疫学的検査: ツベルクリン反応(TST)やインターフェロンγ遊離試験(IGRA)は結核感染のスクリーニングに用いられるが、活動性疾患の診断には他の検査と併用する。
治療と耐性の問題
- 結核治療: 多剤併用療法が原則で、標準治療はイソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、エタンブトールなどを組み合わせて少なくとも6か月間行う。投与中断や誤った治療は耐性菌出現の原因となる。
- 多剤耐性結核(MDR‑TB)/広範薬剤耐性結核(XDR‑TB): イソニアジドとリファンピシンに耐性を持つMDR、さらに第2選択薬にまで耐性を持つXDRは治療が極めて難しい。長期の強力な薬剤療法や副作用管理、場合により外科的治療が必要。
- ハンセン病治療: ダプソン、リファンピシン、クロファジミンなどの多剤療法(MDT)が有効で、治療期間は病型により数カ月から数年。
- NTM感染の治療: 種によって感受性が異なり、クラリスロマイシン、アミカシン、ベダキリンなどを組み合わせる。治療期間が長期に及ぶことが多い。
予防と公衆衛生
- BCGワクチン: 結核(特に小児の重症型)に対する予防効果があるが、成人の肺結核予防効果は限定的とされる。
- 感染対策: 結核患者に対する適切な隔離、換気、マスク着用、早期診断と治療開始が重要。医療機関では標準的な結核対策(陰圧室、N95など)を実施する。
- 公衆衛生的対策: 連絡者調査、潜在感染の治療(予防療法)、ワクチンや社会的要因(栄養、住宅環境改善)への対応が結核制御に寄与する。
環境と疫学
- NTMは土壌や自然水中に広く分布し、家庭用水道や医療機器を介した感染が問題になることがある。
- 結核は世界的に依然として重要な感染症であり、HIV流行や医療資源の不足、薬剤耐性の拡大が制御の課題となっている。
検査室での注意点
- 結核菌などの取り扱いは感染力が高いため、適切なバイオセーフティ(BSL‑3が望ましい)対策と訓練が必要。
- 培養や気溶性環境試験では曝露リスクを最小限にするための個人防護具(PPE)と手順を遵守する。
まとめ
マイコバクテリウム属は特殊な細胞壁構造と多様な生物学的性質を持ち、結核やハンセン病など重要な人獣共通感染症を引き起こします。診断には顕微鏡、培養、分子検査など複数の手段が必要で、治療は長期間の多剤併用が基本です。薬剤耐性の出現や環境中に広く存在する非結核性種の増加などにより、公衆衛生上の対策と継続的な研究が重要です。

結核菌の培養物のクローズアップ。泡のように見えるパッチは、これらの細菌の典型的な増殖パターンである。
質問と回答
Q:マイコバクテリウムとは何ですか?
A: マイコバクテリウムは細菌の一種で、約190種が存在します。結核やハンセン病など、哺乳類に深刻な病気を引き起こすことが知られている病原体も含まれています。
Q: マイコバクテリアはどんな形をしていますか?
A:マイコバクテリアは、動かない棒状をしています。
Q:マイコバクテリアはどこに生息しているのですか?
A:水中、土中、塵の中に存在します。
Q:マイコバクテリアにはいくつのグループがあるのですか?
A: 結核菌、非結核性抗酸菌(NTM)、らい腫れ菌の3つのグループです。
Q: 結核の症状がなくても、結核菌に感染することはあるのですか?
A: はい、世界中の多くの人々が、結核の兆候を示すことなく結核菌に感染しています。
Q: 結核菌の治療を難しくしているものは何ですか?
A: マイコバクテリアは独特の細胞壁を持っているため、ペニシリンのような細胞壁構築を阻害する抗生物質に耐性があり、また、酸、アルカリ、洗剤、酸化バースト、補体による溶解などに長時間さらされても生存できるため、治療が困難なのです。
Q: ほとんどの菌類は、どれくらいの速さで数を倍増させるのですか?
A: ほとんどの菌類は18時間以上かかりますが、大腸菌のような他の細菌は20分程度で2倍になります。
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