概要
天然ガスを燃料とする車両は、一般にNGVと呼ばれ、ガソリンやディーゼルの代わりに圧縮天然ガス(CNG)または液化天然ガス(LNG)を主燃料として走行する道路車両である。NGVは工場で製造される場合もあれば、従来の内燃機関車を改造して作られる場合もある。代替燃料交通の一形態とみなされ、路線バス、自治体の車両群、商用トラック、乗用車などで使われる。
設計と主な構成要素
NGVは、従来型のエンジンや駆動系の多くをそのまま使いながら、特殊な燃料貯蔵・供給システムを組み込んでいる。主な部品には、CNG用の高圧貯蔵シリンダー、またはLNG用の極低温タンク、圧力調整器、気体燃料に合わせた燃料噴射装置やミキサー、安全弁や各種センサーがある。車両によっては、天然ガスと通常燃料を切り替えられるバイフューエル方式もある。
- 貯蔵: CNGシリンダーまたはLNGタンク
- 燃料供給: 調整器、噴射装置、燃料配管
- エンジン調整: 点火時期と燃料マッピングの変更
- 安全装置: 圧力逃がし装置と漏れ検知
歴史と発展
天然ガスをエンジンに用いる試みは何十年も前にさかのぼり、液体燃料が広く普及する以前から、初期のガスエンジン実験が行われていた。NGVへの関心は、燃料価格の変動、エネルギー安全保障への懸念、大気質規制などを背景に、時期によって高まったり弱まったりしてきた。貯蔵技術と給油インフラの進歩により、実用範囲は広がり、特に中央拠点に戻る車両群での利用が進んだ。
利点と課題
NGVには、環境面と運用面でいくつかの利点がある。ディーゼルと比べて、粒子状物質、窒素酸化物、そして多くの場合CO2の排出が少ないこと、天然ガスが豊富な地域では燃料費が一般に低いこと、さらにエンジンの作動音が比較的静かなことが挙げられる。一方で、体積当たりのエネルギー密度が低いため航続距離に影響すること、専用の給油インフラが必要なこと、タンクや改造の初期費用がかかることが課題である。高圧または極低温の貯蔵に伴うリスクは、安全基準と適切な整備によって軽減される。
用途、区別、注目点
NGVは、集中給油が可能なバス、ごみ収集車、タクシー、配送車隊でよく見られる。重要な区別として、CNGは高圧で貯蔵され、LNGは低温で高密度に貯蔵される。また、専用車とバイフューエル車の違いもある。天然ガスは化石燃料であり、炭素ゼロではないが、その使用により有害な排気汚染物質をある程度減らせることがあり、バイオメタンのような再生可能資源と組み合わせて使われることもある。より技術的または政策的な詳細については、関連する車両技術の資料や、より広い文脈での燃料システムも参照される。