数 r の n 番目の根(一般にラジカル、n乗根)とは、ある数 k を n 回掛け合わせると r になるような数のことです。つまり k がその根であるとは次が成り立つことを意味します。
k n = r {displaystyle k^{n}=r}。
表記と用語
n乗根は一般に次のように書きます(ラジカル記号を使った表記)。 r n {\displaystyle {\sqrt[{n}]{r}}}}の 表現。 また、n が 2 のときは 平方根、3 のときは 立方根 と呼びます。平方根の記号は特に頻繁に使われ、n を省略して √r と書くことが多いです。
例
例えば立方根の例:
8 3 = 2 {\displaystyle {\sqrt[{3}]{8}=2} なぜなら 2 3 = 8 {\displaystyle 2^{3}=8
。
この例では 8 を ラジカンド(被開方数)、3 を インデックス(次数)、チェック形の部分を ラジカル記号(ラジカル符号) と呼びます。
有理指数(冪表示)との関係
根とべき乗は互いに変換できます。一般に次が成り立ちます(べき乗の意味については exponentiation を参照してください)。
x a b = x a b = ( x b ) a = ( x a ) 1 b {displaystyle {\style {sqrt[{b}]{x^{a}}}=x^{frac {a}{b}}=({{sqrt[{b}]{x}})^{a}=(x^{a})^{\frac {1}{b}}}} .
つまり、n乗根は指数を分数にしたもの x^{a/b} と同等に扱うことができます。この変換は式の操作や簡略化に非常に便利です。
基本的な性質(積・商)
ラジカル(特に偶指数の平方根など)には次のような性質があります(ただし定義域や符号に注意が必要です)。積に関する性質:
a b = a × b {\displaystyle {\sqrt {ab}}={\sqrt {a}}\times {\sqrt {b}}} .
商に関する性質:
a b = a b b {\displaystyle {\sqrt {\frac {a}{b}}}={\frac {\sqrt {a}}{b}}}}}}={\frac {\sqrt {a}}{b}}}}}}}={\frac {\sqrt {a}}{b}} .
定義域と符号に関する注意
- 実数の場合(現実的な注意):偶数の n(例えば 2, 4, ...)については、実数範囲での n 乗根は被開方数が 非負 である必要があります。つまり実数の平方根 √x は x ≥ 0 のときに実数です。負の数に対する偶数乗根は実数では存在しません(複素数では存在します)。
- 主値(principal root):平方根などでは通常、非負の値を主値として扱います。例えば √9 = 3(ただし方程式 x^2 = 9 の解は x = 3 と x = −3 の両方)。
- 奇数の n(例えば 3)は負の被開方数に対しても実数の根が存在します(例:立方根 √[3]{−8} = −2)。
- 等式の適用時の注意:積や商の性質(√{ab} = √a √b など)は、被開方数が非負(または必要な条件を満たす)場合に限定して安全に使えます。符号を無視して誤用すると間違った結果になります。
根の簡単化・計算のコツ
- 因数分解して完全な n 乗の因子を外に出す: 例えば √72 = √(36·2) = 6√2(36 は 6^2 なので外に出る)。
- 有理指数に変えて計算する: √[n]{x^a} = x^{a/n} としてべき乗の演算で扱うと簡単な場合が多い。
- 分母の有理化:分数の分母に根がある場合は、分母を有理数にするために分子・分母に適切な因子を掛けます。例:1/√2 = √2/2。
応用と拡張
- ラジカルは代数式の簡約、方程式の解法、解析、物理・工学の計算など広い分野で使われます。
- 複素数まで拡張すると、方程式 z^n = r(r が複素数)の解は原点を中心とする半径 |r|^{1/n} の円周上に等間隔に配置された n 個の解になります(多価性)。実数での主値と複素での多価性の違いに注意してください。
- 基本的な事実として、例えば √2 のような多くの平方根は無理数であるという性質も重要です(√2 は無理数)。
まとめ(ポイント)
- n 乗根は「n 回掛けて元の数になる数」で、表記は {\displaystyle {\sqrt[{n}]{r}}}(上段の画像参照)。
- べき乗(有理指数)との変換 x^{a/b} = √[b]{x^a} が便利。
- 積・商の公式は条件付きで有効: √{ab} = √a·√b, √(a/b) = √a/√b(適切な定義域で)。
- 実数範囲では偶数根の被開方数は非負である必要があり、主値(非負)を取ることが一般的。

