平方数は、時に完全平方とも呼ばれ、整数を自分自身に掛けた結果である。例えば 1、4、9、16、25 は最初の5つの平方数である。数式では、数nの2乗はn2指数)と表記され、通常「nの二乗」や「n乗」と発音される。名称は正方形(辺の長さがnの正方形の面積がn2になること)に由来する。

平方数は非負の整数である。別の言い方をすれば、ある非負の数が平方数であるとは、その平方根が整数になることである。たとえば √9 = 3 なので 9 は平方数である。0 も 02 = 0 により平方数に含まれる。

基本的な性質

  • 符号:任意の整数nについて、n2は必ず非負である。負の整数を二乗しても正の平方数と同じ値になる(例:(-3)2 = 32 = 9)。
  • 連続する平方の差:(n+1)2 − n2 = 2n + 1。したがって平方数の差は奇数になる。
  • 奇数の和としての表現:n2 = 1 + 3 + 5 + ... + (2n − 1)。つまり平方数は最初の n 個の奇数の和である。
  • 素因数分解による判定:整数 m の素因数分解を m = ∏ pie_i としたとき、m が平方数であるための必要かつ十分条件は全ての指数 e_i が偶数であることである。これにより平方数と平方因子・平方free(squarefree)な数の関係がわかる。
  • 末尾の桁(10進法):10進法で平方数の末尾に現れ得る数字は 0,1,4,5,6,9 のみである(2,3,7,8 は現れない)。
  • 合同式による制約:平方数はいくつかの法に対して限られた余りしか取り得ない。例えば mod 3 では 0 または 1、mod 4 では 0 または 1、mod 8 では 0,1,4 のいずれかである。

代表的な公式と例

  • 平方の展開: (n+1)2 = n2 + 2n + 1。
  • 連続平方の和の公式(12+22+...+n2): 12 + 22 + ... + n2 = n(n+1)(2n+1)/6。
  • 小さな平方数の一覧(n → n2):
    • 0 → 0
    • 1 → 1
    • 2 → 4
    • 3 → 9
    • 4 → 16
    • 5 → 25
    • 6 → 36
    • 7 → 49
    • 8 → 64
    • 9 → 81
    • 10 → 100

平方数の判定と応用

  • 判定方法:小さな数は平方根を取り整数かどうか確かめればよい。大きな数では素因数分解して全ての指数が偶数かを調べる方法が決定的である。効率重視ならば整数平方根を求めるアルゴリズム(例:ニュートン法やビット演算を用いる方法)で判定する。
  • 応用:平方数の性質は数論(合同式、ディオファントス方程式)、代数(多項式の平方)、幾何(正方形の面積)、計算機科学(ハッシュ関数やRSAのような暗号理論の素因数分解問題の議論)など幅広く利用される。

以上の性質を組み合わせると、ある数が平方数であり得ないことを合同式で素早く示したり、平方数の列の増加や差分の規則性を利用して問題を解くことができる。