オレグラウンズ鉄|製鋼用として珍重されたスウェーデンの棒鉄
オレグラウンズ鉄は、18~19世紀に木炭炉と精錬鍛冶で生産された高品質なスウェーデン産棒鉄で、鋼や精密工具への加工用として広く輸出された。
概要
オレグラウンズ鉄は、18世紀から19世紀初頭にかけてスウェーデンから輸出された高級等級の棒鉄に用いられた名称である。この呼称はエーレグルンド港と、特に純度が高く、鋼や高級刃物の製造に適した鉄を生み出したスウェーデンの生産方法に関連している。当時の買い手は、追加精錬用の棒鉄として、しばしば入手可能な最良のものとみなした。
特性
オレグラウンズ鉄は、硫黄やリンなどの有害な不純物が少ないこと、ならびに木炭を用いる製錬によって得られる均一な繊維状組織で評価された。これらの性質により、ヨーロッパの製鋼業者が高品質な鋼へ転換するのにとりわけ適していた。原料にはスウェーデン産の鉱石が用いられ、鉱物炭ではなく木炭で処理されたため、汚染の抑制に役立った。
生産工程
- 高炉で鉱石を製錬し、銑鉄を生産する。
- 精錬鍛冶炉で銑鉄を精錬し、炭素を減らしてスラグを除去する。
- 再加熱、鍛打、折り返しを繰り返し、組織の均一な錬鉄製の棒鉄に仕上げる。
スウェーデンの鍛冶場では熟練労働者が、木炭の使用量、送風量、鍛打の順序を管理し、輸出向けの厳格な商業規格を満たす棒鉄を生産した。
歴史、用途と遺産
17世紀からナポレオン時代にかけて、スウェーデンの棒鉄は多くの輸出市場を支配した。とりわけ英国では、刃物、工具、製鋼の各産業に供給された。オレグラウンズ鉄は海上貿易における標準的な商品となり、ブリスター鋼、のちにはるつぼ鋼へ確実に転換できる点で珍重された。19世紀半ばまでに、燃料、鉱石供給源、工業的方法の変化によってその優位性は低下したが、その評価は前工業時代の冶金学および貿易史の研究に今も残っている。
区別と注目すべき事項
- オレグラウンズ鉄は単一の町や炉を指すだけでなく、品質および輸出品の分類をも意味し、その名称はヨーロッパ各地の商人帳簿で用いられた。
- その重要性は、近世の金属加工における木炭冶金と地域固有の鉱石の役割を示している。
- より技術的または歴史的な背景については、スウェーデンの冶金、当時の輸出記録(銑鉄貿易)、および精錬鍛冶炉と高炉の歴史的記述に関する一般的な資料を参照。