有機物とは?生物由来の定義・種類・土壌有機物と腐植の解説

有機物の定義と種類をやさしく解説。土壌有機物と腐植の違い、生成過程や役割を図解で学べる入門ガイド。

著者: Leandro Alegsa

有機物(または有機材料)とは、一般に最近生きていた生物から由来する物質を指します。たとえば植物の残さや動物の死骸、微生物の遺体や代謝産物などが含まれます。これらは自然の過程で腐敗や分解を受けやすく、その結果として生じる物質群も有機物に含まれます。ただし、分野や文脈によって「有機物」の定義は異なります。化学では炭素を含む化合物(特に炭素-水素結合を持つもの)を広く「有機化合物」と呼ぶ一方で、生態学や土壌科学では「生物由来の物質」を強調することが多い点に注意が必要です(例:CO2や炭酸塩は化学的には炭素を含むが、生態学的な意味での有機物とは区別されることがあります)。文脈により定義が変わる点を押さえておきましょう。

土と有機物

土は、ミネラルと有機物、そして生物から構成されています。土壌中の有機物は、主に植物(落ち葉、根、枯れ茎など)や動物(死骸、糞など)、微生物の残骸や分泌物として供給されます。例えば森林では、落ち葉木質物が林床に蓄積し、これが分解されて土壌有機物の重要な供給源になります。

土壌中で有機物が分解・変成し、もはや原形が識別できなくなった物質群を一般に土壌有機物(soil organic matter; SOM)と呼びます。この過程で、分解されにくく比較的安定した物質群が形成され、これを特に腐植(humus)と呼ぶことが多いです。

土壌有機物の主要な構成要素

  • 新鮮リター(litter):落ち葉や枯れ草など、まだ原形が残る植物残渣。
  • 微粒子有機物(POM):粗い有機残渣で、分解が進行中のもの。
  • 微生物バイオマス:生きている微生物(菌類・細菌など)の細胞やその活動産物。
  • 可溶性有機物(DOM):土壌水に溶ける低分子有機化合物で、養分移動や微生物のエネルギー源になる。
  • 腐植(humic substances):長期にわたり安定化した高分子状の有機物(一般にフミン、フミン酸、フルボ酸などに分類されるが、定義には議論がある)。

腐植(腐植物質)とは何か

腐植は、微生物の分解や化学変換を経て生成される比較的安定な土壌有機物の集合体を指します。腐植はしばしば次のような特徴を持ちます:

  • 原形の植物組織が判別できないほど変質している。
  • 物理的・化学的に土粒子や金属イオンと結合して安定化されやすい。
  • 水を保持し、土壌の緩衝能や保肥力(養分保持力)を高める。

ただし「腐植」の定義や分類(フミン類、フルボ酸、ヒューミンなど)は学術的に完全に統一されているわけではなく、測定法や観点によって扱いが異なる点に注意してください。

土壌有機物の機能(生態系サービス)

  • 養分供給:窒素、リン、硫黄などの供給源となり、植物への徐放性肥料として働く。
  • 水保持・排水の改善:有機物は水を保持する能力が高く、干ばつ耐性や保水性を向上させる。
  • 土壌構造の改善:団粒構造を形成・維持し、通気性や根の成長を助ける。
  • 炭素隔離と気候調節:土壌に炭素を貯蔵することで大気中CO2の増加を緩和する役割がある。
  • 微生物多様性の維持:多様な微生物群集の基盤となり、病害抑制などの生物的機能を支える。

分解の速度と安定化の要因

有機物がどれだけ速く分解され、どの程度土壌に長期蓄積されるかは次の要因で左右されます:

  • 温度と水分:温暖で湿潤な条件は分解を促進する。乾燥や低温は分解を遅らせる。
  • 酸素の有無:好気条件では分解が速く、嫌気条件では遅いがメタンやその他のガスが発生することがある。
  • 有機物の性質:リグニンやキチンのように化学的に安定で分解しにくい物質は長く残る。
  • 土壌粒径・鉱物との結合:粘土や鉄・アルミニウム酸化物などと有機物が結合すると保護され、分解が抑えられる。
  • 土壌pH:極端に酸性や塩基性の条件は微生物群集を変え、分解速度に影響する。

土壌有機物の測定と指標

実務的には土壌中の有機炭素(soil organic carbon, SOC)を測ることで有機物量を評価します。代表的な測定法には次のものがあります:

  • 燃焼法(元素分析):有機炭素を直接測定する精度の高い方法。
  • 失重量法(loss on ignition):土壌を高温で焼却して燃焼で失われた重量から有機物量を推定する簡便法。
  • 化学法(Walkley–Black法など):酸化剤で有機物を酸化して測定する古典的手法。

土壌有機物を増やすための管理(実践例)

  • 作物残渣や刈草を土に還す、または被覆作物(カバークロップ)を利用する。
  • 堆肥や緑肥、バイオチャー(炭化有機物)などの有機資材を投入する。
  • 過剰な耕起を避ける(低耕起・無耕起栽培)ことで分解を遅らせ、炭素の損失を減らす。
  • 輪作や多様な植生を取り入れて土壌生物の活性と有機物供給を維持する。

まとめと注意点

簡潔に言えば、有機物は生物由来の炭素を含む物質群であり、土壌においては植物や動物・微生物由来の残渣が分解・変質して土壌有機物腐植を形成します。土壌有機物は養分供給、水保持、土壌構造の改善、気候変動緩和など多くの重要な機能を果たしますが、その定義や分類、測定法には分野による差異があります。管理によって増加させることが可能であり、持続可能な農業や森林管理、気候対策の重要な要素となります。

バイタリズム

有機」と「生物」を同一視するのは、今では廃れてしまったが、生命には特別な力があり、その力だけで有機物を作り出すことができるとする生命論に由来する。この考え方は、1828年にフリードリッヒ・ヴェーラーが尿素の生物学的合成に成功した後、初めて疑問視された。

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質問と回答

Q: 有機物とは何ですか?


A: 有機物とは、最近の生物に由来する物質で、腐敗可能であるか、腐敗の産物であるか、有機化合物で構成されているものを指します。

Q: 有機物の定義は1つだけですか?


A:いいえ、有機物の定義は1つではありません。

Q: 土は何からできているのですか?


A: 土は、ミネラルと有機物、そして生物で構成されています。

Q: 土壌中の有機物はどこから来るのですか?


A: 土壌に含まれる有機物は、植物や動物から採取されます。

Q:森林の林床に落ちている有機物はどんなものですか?


A:葉っぱや木質が林床に落ちています。

Q: 土壌有機物とは何ですか?


A:土壌中の有機物が分解して分からなくなったものを土壌有機物と呼びます。

Q:腐葉土とは何ですか?


A: 腐植とは、土壌中の有機物が分解されてできた安定した腐植物質で、それ以上分解されにくいものです。


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