エルチェのパルメラル:ヨーロッパ唯一・世界最大級のナツメヤシ林
エルチェのパルメラル:ヨーロッパ唯一・世界最大級のナツメヤシ林。約7万本が織りなす歴史と自然のオアシス、見どころや保存の魅力を詳解。
エルチェのパルメラルまたはヤシの木立(スペイン語:Palmeral de Elche、バレンシア語:Palmerar d'Elx)は、スペインのエルチェ市にあるナツメヤシの果樹園の総称です。現在残る形は、中世イスラム期に導入・整備された灌漑システム(運河や井戸を組み合わせたネットワーク)によって育まれたもので、都市の景観と気候にも重要な役割を果たしてきました。
エルチェ市の都市部には、合計97の果樹園(huertos)があります。その中には約7万本のナツメヤシが含まれています。そのほとんどがVinalopó川の東岸にあります。この数字には、エルチェ市周辺にある他の大規模な農園は含まれていません。合計すると200,000本近くになるかもしれません。パームグローブの面積は、エルチェ市の1.5km2(0.58 sq mi)を含む3.5km2(1.4 sq mi)以上に及びます。
ヨーロッパでは唯一の大規模な椰子林であり、世界でも有数の規模を誇ります。エルチェのパルメラルは2000年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録スペインの12の秘宝」の最終選考に残った100件のうちの1件でもあり、地域のシンボルとなっています。
歴史と形成
このヤシ林の起源は古く、地中海世界と北アフリカを結ぶ交流の中で段階的に形成されました。現在のパターンや灌漑網の多くは、8世紀以降のイスラム支配期(アル=アンダルス)に整備されたもので、井戸や用水路(acequias)を用いて乾燥地に水を配分する伝統的な手法が基盤になっています。これによりヤシは乾燥した環境でも生育し、街路や果樹園として特有の景観を作り出しました。
主な見どころと文化的役割
パルメラル内には歴史的に重要な幾つかの果樹園や庭園があります。中でも有名なのが「Huerto del Cura」で、ここには観賞用に整備された庭園と有名な「インペリアル・パーム(Palmera Imperial)」などの特徴的なヤシがあり、多くの観光客が訪れます。ヤシは日陰や風除けとして町の生活に寄与するだけでなく、キリスト教の祝日(復活祭のパームサンデーなど)や地域行事でも重要な役割を果たします。
保全と課題
近代化や都市開発の圧力、さらに外来害虫や病気(例えばred palm weevil(Rhynchophorus ferrugineus)など)による被害が、パルメラルの存続に対する主な脅威です。これに対応して、エルチェ市と地域行政はモニタリング、防除、伐採後の植替え、景観保全計画の実施などの対策を進めています。世界遺産登録は保護活動を後押ししましたが、持続的な保全には資金と専門的管理が欠かせません。
訪問情報
観光客は遊歩道を散策したり、Huerto del Curaのような主要な庭園を見学したりできます。ベストシーズンは春と秋で、気候が穏やかで歩きやすく、植物の状態も良好です。訪問の際は、ヤシの保護と地域の暮らしを尊重するよう注意してください。
エルチェのパルメラルは、単なる植生の集積ではなく、人間の知恵と世代を超えた管理によって形作られた文化的景観です。その保存は地域の歴史と生活を未来に伝える重要な仕事であり、訪れる人々にもその価値を伝えていくことが求められます。
質問と回答
Q:エルチェのパルメラル、パームグローブとは何ですか?
A:エルチェ市(スペイン)にあるナツメヤシの果樹園の総称です。
Q: エルチェの都市部には、いくつの果樹園があるのですか?
A: エルチェの都市部には97の果樹園があります。
Q: エルチェの果樹園には、何本のナツメヤシが植えられていますか?
A: エルチェの都市部の果樹園には、約7万本のナツメヤシが植えられています。
Q: エルチェのナツメヤシの多くはどこにあるのですか?
A: ナツメヤシの多くは、ビナロポーの東岸にあります。
Q: エルチェのパルメラルは、ヨーロッパで唯一のヤシ林なのですか?
A:はい、エルチェのパルメラルは、ヨーロッパで唯一のこのタイプのヤシの木立です。
Q: エルチェのパーム・グローブの大きさはどのくらいですか?
A: エルチェのパーム・グローブは3.5km2(1.4平方マイル)以上あり、そのうちエルチェ市内は1.5km2(0.58平方マイル)です。
Q: エルチェのパルメラルは何か評価を受けたことがありますか?
A: はい、エルチェのパルメラルは2007年に「スペインの12の秘宝」の最終候補100件のうちの1つに選ばれました。
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