概要

パピルスは、古代エジプトにおける主要な筆記用基材であり、地中海世界で広く取引された素材でもあった。しばしば一種の紙と呼ばれるが、厳密には植物の繊維をすりつぶしたパルプではなく、湿地植物の髄から作られる複合的なシートである。これによって宗教文書、行政記録、私的書簡、文学作品の記録が可能になり、考古学資料として残る日常生活の諸相の保存にも寄与した。

植物と製法

パピルスの原料は、背の高い水生の葦であるCyperus papyrusから得られる。この植物は、湿地帯や、ナイル川沿いの類似した湿地に繁茂する。栽培された群落や管理されたプランテーションでは、スポンジ状の髄をもつ茎が生産された。伝統的な製法では、その髄を薄い帯状に切り、通常は直交するように重ねて並べ、圧搾して乾燥させ、植物由来の汁で結着した一枚のシートに仕上げた。こうしてできたシートは、連続した文章のために長い巻物へ継ぐことができた。

歴史と地理的広がり

パピルスは少なくとも紀元前3千年紀までにエジプトで発達し、古代エジプトと強く結び付けられている。余剰生産は輸出可能な商品となり、この素材は周辺文化へも広がった。ギリシア人とローマ人は、公文書や文学のためにパピルスを採用した。何世紀にもわたって、これは羊皮紙のような他の筆記支持体と競合し、やがて多くの地域では、繊維をすり潰した紙が主流となった。

用途と例

  • 筆記と芸術:巻物、シート、断片が、文書、目録、文学、挿絵に用いられた(筆記)。
  • 日用品:植物全体が多用途で、茎や繊維から船、寝具、かご、サンダルが作られた。
  • 建築・儀礼用途:敷物や覆いは、墓の場面や工芸の記述に見られる。

遺産と区別点

乾燥したエジプトの遺跡から発見されたパピルス文書は、歴史家、言語学者、文学研究者に比類のない一次資料を提供してきた。現代の機械製紙とは異なり、パピルスのシートには目に見える繊維構造が残り、通常は巻物に適した長方形の形で作られた。その保存性は乾燥条件に左右され、多くの古代写本は、乾いた墓地、ゴミの堆積、あるいは封印された保管庫に置かれていたためにのみ残ったのである。今日では、パピルスは工芸や教育の媒体としても再現されており、植物そのものもナイル文明の初期を象徴する存在であり続けている。

導入や画像の参照としては、筆記材や古代エジプトの工芸に関する一般的な資料を、紙の歴史のポータルや博物館の概要(エジプト資料筆記資料)で確認できる。さらに、栽培(プランテーション方式)や、湿地・砂漠の遺跡からの考古学的発見(ナイル渓谷、湿地帯、Cyperus papyrus、初期年代、葦の形態)を扱う研究もある。