先端巨大症(アクロメガリー)とは|原因・症状・診断・治療ガイド
先端巨大症の原因・症状・診断・治療をわかりやすく解説。早期発見のポイントや治療法、合併症対策まで専門医の最新ガイド。
先端巨大症(アクロメガリー)は、下垂体前葉から分泌される成長ホルモン(GH)が持続的に過剰になることで起こる慢性の内分泌疾患です。成長期(思春期)前に同様の過剰分泌が起これば、身長が異常に伸びる「巨人症」を引き起こします。下垂体がGHを過剰分泌する最も一般的な原因は、良性の下垂体腺腫ですが、原因は他にもあります。
原文では「下垂体前葉(後部)」とありますが、先端巨大症の病態に関与するのは主に下垂体前葉(adenohypophysis)です。なお、原文中のリンクは以下の通りそのまま保たれています:思春期、および下垂体。
原因
- 下垂体前葉のGH産生腺腫(most common):単独でGHを過剰に分泌する良性腫瘍。マイクロアデノーマ(直径10mm未満)もマクロアデノーマ(10mm以上)もあり、腫瘍の大きさで治療方針や合併症が変わります。
- ごくまれに、視床下部や他の内分泌腫瘍からのGHRH(成長ホルモン放出ホルモン)過剰分泌や遺伝性症候群(例:MEN1など)による場合があります。
頻度と経過
先端巨大症は比較的稀な疾患で、発症は中年に多く、ゆっくり進行するため診断までが遅れることがしばしばです。症状の変化が緩やかであるため、発症から診断まで平均で数年〜十年かかることがあります。治療しない場合、心血管疾患や糖代謝異常などで死亡リスクが上昇します。
主な症状・所見
- 手足の増大:指輪や靴がきつくなる、手袋や靴のサイズが変わる。
- 顔貌の変化:下顎前突(下顎の突出)、額の隆起(前頭部肥大)、鼻骨や口唇の肥厚などで外貌が変わる。
- 皮膚の肥厚や多汗(過度の発汗)、皮脂分泌増加。
- 関節症(慢性的な関節痛、変形性関節症)、手根管症候群(しびれ、握力低下)。
- 代謝異常:インスリン抵抗性・糖尿病、高血圧、脂質異常。
- 心血管合併症:心肥大や心機能低下(心不全のリスク増加)。
- 睡眠時無呼吸(特に閉塞性)や声の変化、咀嚼や嚥下の障害。
- 頭痛や視野障害(大きな腫瘍による視神経交差の圧迫で両側半盲/両側鼻側視野狭窄を来すことがある)。
- 大腸ポリープの増加(長期放置で大腸癌リスクが高まる可能性があるため検査が推奨される)。
診断
疑いがある場合は内分泌学的検査と画像検査を組み合わせて診断します。
- 血中IGF-1(インスリン様成長因子-1)測定:年齢・性別補正で高値であれば先端巨大症を強く疑います。IGF-1は安定した指標で診断と治療効果の評価に用います。
- 経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)でのGH抑制試験:通常、ブドウ糖を摂取してもGHが十分に抑制されない(一般にGHの最低値が1 ng/mL以下に下がらない等)場合、異常と判断されます。
- MRI(下垂体撮影):腫瘍の有無、サイズ、周囲組織(視神経交叉など)への影響を評価します。コントラスト(造影)を用いることが多いです。
- その他:視野検査、血糖・脂質検査、心機能評価、睡眠時無呼吸の評価など合併症評価も行います。
治療
治療の目的はGHとIGF-1の正常化、腫瘍の縮小または除去、合併症の改善・予防です。治療は患者さんの腫瘍の大きさ、局在、症状、全身状態に応じて組み合わせて行います。
- 外科治療(経蝶形骨経路/経鼻的下垂体腫瘍摘出術)
- 下垂体腺腫が原因の場合、第一選択となることが多い。視野障害や大きな腫瘍で圧迫症状がある場合は緊急性が高い。
- 治療効果は腫瘍径や手術技術、腫瘍の浸潤度によって異なる。合併症として下垂体機能低下や鼻出血、髄液漏などがある。
- 薬物療法
- ソマトスタチンアナログ(オクトレオチド、ラナレオチドなど):GH分泌を抑え、腫瘍を縮小させる効果がある。注射製剤が一般的で、副作用に消化器症状や胆石形成がある。
- GH受容体拮抗薬(ペグビソマント):肝臓を介したIGF-1産生を抑制し、IGF-1を正常化する点で非常に有効。腫瘍そのものを縮小させないことがあるため、腫瘍サイズの経過観察が必要。肝機能検査のモニタリングが必要。
- ドパミン作動薬(カルベルゴリンなど):経口薬で、一部の軽症例ではGHやIGF-1を低下させる効果が期待できるが、単独で十分な効果が出ないことが多い。
- 放射線療法
- 外科・薬物で十分な効果が得られない場合に検討。定位放射線治療(ガンマナイフ等)や分割照射があり、効果は遅れて現れる。
- 合併症として下垂体機能低下(他のホルモン分泌不全)の発生が比較的高頻度にみられる。
治療後の経過観察と管理
- IGF-1と随時GH(またはOGTT)の定期測定により治療反応を評価します。画像診断(下垂体MRI)で腫瘍の残存や再発をモニターします。
- 心血管リスク、糖代謝、関節症状、睡眠時無呼吸などの合併症について定期的に評価・治療を行います。
- 放射線治療後は数年かけて効果が現れることがあり、長期のフォローが必要です。
合併症と予後
治療が適切に行われ、GHやIGF-1が正常化すれば、合併症の進行は抑えられ、寿命は一般集団に近づきます。一方、未治療や不十分な治療では心血管疾患や糖尿病による罹患・死亡率が高くなります。関節障害や一部の外貌変化は可逆性が乏しいこともあります。
こんなときは受診を
- 指輪や靴が急にきつくなった、手足や顔貌が変わったと感じるとき
- 持続する頭痛や視野障害(視野が狭くなる、見えにくい場所がある)
- 原因不明の糖代謝異常や高血圧、睡眠時無呼吸が疑われるとき
まとめ
先端巨大症は進行が緩やかで発見が遅れがちな希少疾患ですが、早期に診断・治療することで合併症の発生を抑え、予後を改善できます。疑わしい症状があれば内分泌専門医や脳神経外科・耳鼻咽喉科(下垂体手術を行う施設)などに相談してください。
徴候・症状
質問と回答
Q: 先端巨大症とは何ですか。A: 先端巨大症とは、思春期以降に脳下垂体が成長ホルモンを過剰に分泌することで起こる病状です。
Q:巨人症の原因は何ですか?
A-巨人症は、思春期前に下垂体から過剰に分泌される成長ホルモンによって引き起こされます。
Q: 先端巨大症の最も一般的な原因は何ですか?
A-先端巨大症の最も一般的な原因は、下垂体に腫瘍である下垂体腺腫が存在することです。
Q: 先端巨大症を発症するリスクが最も高いのはどのような人ですか?
A: 先端巨大症は、中年の成人に最も多くみられます。
Q: 先端巨大症を治療しなかった場合、どのような影響が考えられますか?
A:先端巨大症を治療せずにいると、重篤な醜状、重篤な合併症、早期の死亡に至る可能性があります。
Q: なぜ先端巨大症は診断が難しいのですか?
A: 先端巨大症は発症直後は診断が難しく、発症から10~12年経たないと発見されないことがほとんどです。
Q: 先端巨大症の目に見える症状は何ですか?
A: 先端巨大症の最も顕著な症状は、外見、特に顔の変化です。
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