バビロニア数字(楔形文字)とは — 60進法・表記法と歴史解説

バビロニアの楔形文字による数字と六十進法の仕組み、表記法と歴史を図解でわかりやすく解説。

著者: Leandro Alegsa

バビロニアの楔形文字による数詞は、先端がくさび形の葦のスタイラスを使って柔らかい粘土板に印をつけ、それを乾かして固めることで永久的な記録を残すものでした。粘土板は焼かれずに日光や自然乾燥で硬化させるものが多く、そのため多くの文献や計算記録が現代にまで残っています。

書き方と記号

バビロニアの数の表記は、主に二種類の基本記号を組み合わせて表されました。一つは「1」を表す小さなくさび印の繰り返し、もう一つは「10」を表すやや大きなくさび印です。これらを組み合わせて 1 から 59 までの値を一つの区画(グループ)で表し、より大きな数は区画を並べて表しました。

  • たとえば「23」は「10の記号を2つ+1の記号を3つ」を同じ区画内に並べて示します。
  • 区画を区切って並べることで位取り(桁)を表し、左側の区画が 60 の冪(60、60^2、…)を意味します。

60進法(性(60)進)と位取り記数法の発展

バビロニアの数体系は60進法(いわゆる「性(60)進」)を基盤としており、位取り記数法(各「区画」の位置がその重みを表す)を用いていました。もともとこの60という基数は、地方により長年にわたり用いられた数の伝統や度量衡の習慣(シュメールなど古い文化の影響を含む)に由来しますが、バビロニア人はこれを整理して計算に使いやすい位取り記数法へと発展させました。

以下の点が重要です:

  • 各区画は 0〜59 の値を取り得ます。同じ区画内では 10 の記号と 1 の記号を組み合わせて数を作ります。
  • 区画間の空白(あるいは後来の掛け合わせ的な区切り記号)が桁の区別を示しますが、初期には明確な「ゼロ」符号がなかったため、桁の位置を文脈で判断しなければならないことがありました。
  • 後の時代(特に紀元前1千年紀後半〜紀元前3世紀以降)には、桁の空白を埋めるための「空位(placeholder)」記号が用いられるようになりました。ただし、これは完全な「零」の概念(独立した数)とは異なります。

実用と応用例

バビロニアの60進法は天文学や暦、土地測量、利息計算、商業記録など多くの分野で実用的に使われました。天文学では星表や日々の観測、月や惑星の位置計算に高精度の分数表現が必要で、60進の位取りは分数の細かな分割(例えば 1/2=0;30、1/3=0;20 など)を簡潔に扱うのに非常に便利でした。

有名な粘土板の例としては、古バビロニア時代の Plimpton 322 のように数学的な表や三角的な関係を示すものがあり、当時の高度な数学的理解や計算法の手掛かりを与えています。

歴史的起源と影響

バビロニアの60進の伝統は、部分的には シュメールなど先行するメソポタミア文明からの影響を受けつつ発展しました。現代に残るいくつかの習慣—たとえば 1 時間=60 分、1 分=60 秒、360 度の角度分割—は、こうした古代の60進の名残です。また、天文学や測地学での角度・時間の分割法はギリシャを経てヨーロッパに伝播しました。

注意点と誤解しやすい点

  • 「シュメール文明またはエブラヤ文明から受け継いだ数(60進法)を使っていた」といった表現は、起源が一義的に特定できるわけではないことを意味します。複数の地域的な慣習が長年かけて統合され、バビロニアの体系が形成されました。
  • 初期の表記では明確な「0」記号が欠けていたため、同じ記号列が文脈により複数の値を表す可能性があり、読み解きには前後の文脈や単位の情報が重要です。

まとめ — 現代への遺産

バビロニアの楔形文字による60進・位取り記数法は、粘土板を通じて膨大な計算記録や天文記録を現代に伝え、時間や角度の分割など今日の標準にまで影響を与えています。簡潔な記号の組合せと位取りの仕組みは、古代における実用的で効率的な計算手法の一例として評価されます。

バビロニアの計算法や記録法については、出土した粘土板の研究や翻字・解読の進展によって理解が深まっており、数学史・天文学史の重要な研究対象となっています。参考として、計算道具や教育に関する記事はそろばんの解説や、上で示した各リンク先(シュメール数)も参照してください。

バビロニア楔状数字Zoom
バビロニア楔状数字

質問と回答

Q: バビロニアの楔形文字は何でしたか?



A: バビロニアの楔形文字は楔状文字を使用した数字表記システムで、柔らかい粘土板に先端の楔のついた葦のスタイラスで作られました。

Q: バビロニア人はどのようにして数字を永久保存したのですか?



A: 粘土板を太陽に当てて固め、永久的な記録を作ったのです。

Q: なぜバビロニア人は数学の分野で有名だったのですか?



A:バビロニア人は天文観測とそろばんの発明による計算で有名でした。

Q: バビロニア人はどのような位取り数字を使っていたのですか?



A:バビロニア人は、60進法を使っていました。

Q: バビロニア人は、どこから数字を受け継いだのですか。

A: バビロニア人は、シュメール文明かエブライ文明から数詞体系を受け継ぎました。

Q:シュメール人やエブライ人は位取り数体系を持っていたのですか?



A:いいえ、シュメール人もエブライ人も位取り数字を持っていませんでした。

Q:バビロニア人は、数体系の単位をどのように区別していたのですか?



A:バビロニア人は、数詞のどちらの端が単位を表すかという慣習を持っていました。


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