レム睡眠とは?夢のメカニズム・特徴・周期・役割をわかりやすく解説
レム睡眠の仕組み・夢が起きる理由、周期や役割を図解と共にわかりやすく解説。睡眠の深さやNREMとの違いも理解できる入門ガイド。
哺乳類や鳥類では、睡眠は大きく2つに分けられます。そのうちの一つは、目が急速に動く特徴を持ち、これをレム睡眠(急速な眼球運動:Rapid Eye Movement の略)と呼びます。多くの夢はこの段階で起こり、成人では一晩の睡眠の約20〜25%を占めます。レム睡眠は夜間を通して複数回現れ、睡眠の後半になるほど1回あたりの継続時間が長くなるのが一般的です。1953年にナサニエル・クライトマン教授と彼の学生ユージーン・アセリンスキー(Nathaniel Kleitman, Eugene Aserinsky)が急速な眼球運動を報告し、それが夢と関連することを示したのがレム睡眠の発見の始まりです。
レム睡眠の生理学的特徴
レム睡眠にはいくつかの特徴的な生理学的変化があります。
- 眼球運動:名前の通り、眼球が素早く動きます。
- 脳波(EEG):目覚めに近い低電圧高速波が見られ、覚醒時と似た活動を示すことが多いです。
- 筋緊張の低下(筋無力):四肢の随意筋は著しく弛緩し、身体を動かしにくくなります(ただし、呼吸筋や眼筋は例外)。この機構の障害があると夢の内容どおりに体を動かす「レム睡眠行動障害」が起こります。
- 自律神経の変動:心拍や呼吸が変動しやすく、血圧も不安定になります。
- 脳内活動:海馬や情動に関わる領域が活発になることが多く、動物ではPGO波(脳幹→外側膝状体→後頭葉)などが観察されます。
NREM睡眠との違いと睡眠周期
もう一つのカテゴリはNREM睡眠(ノンレム睡眠)です。NREMは通常、浅い段階から深い段階へ移行し、現在の国際基準(AASM)では N1(軽い眠り)→ N2(やや深い)→ N3(深い眠り = 同義の深睡眠)と分類されます。あなたの元の文で触れている「III期とIV期」は古い分類法に対応しますが、現行の分け方ではN3が深い睡眠に相当します。
成人では通常、90〜120分程度のサイクルで以下の順に進行します:N1 → N2 → N3 → N2 → レム。これを一晩に4~6回繰り返します。睡眠の前半では深いN3(深睡眠)の割合が高く、後半ではレム睡眠が増えます。
レム睡眠の役割(仮説と研究結果)
レム睡眠の正確な機能は未解明な点も多いですが、以下のような役割が示唆されています:
- 記憶の固定化・再編成(特に手続き記憶や情動的記憶)
- 情動処理やストレス反応の整理(感情の調整)
- 脳の発達・可塑性促進(乳幼児ではレム(能動睡眠)が多い)
- シナプスの選択的強化・剪定(シナプス可塑性と関係するという仮説)
- 夢の生成:脳内でのイメージや物語の再生・構築が行われやすい段階
これらは複数の仮説と実験データに基づくもので、単一の「決定的な」機能が示されたわけではありません。薬物(例えば一部の抗うつ薬)はレムを抑制し得るため、レムの抑制が記憶や情動にどう影響するかは臨床的にも重要なテーマです。
夢はレムだけで起こるのか?
「ほとんどの夢はレムで起こる」としばしば言われますが、実際にはNREM睡眠でも夢は見られます。NREMの夢は一般にレムの夢よりも断片的で論理的な内容が少ない傾向がありますが、覚醒直後に報告される夢の鮮明さはレムの方が高いことが多いです。
発見と研究の歴史
1953年にナサニエル・クライトマン(Nathaniel Kleitman)とユージーン・アセリンスキー(Eugene Aserinsky)がレムと夢の関連を初めて報告しました。その後、ウィリアム・ディメント(William Dement)やミシェル・ジュベ(Michel Jouvet)らによる実験・臨床研究でレム睡眠の生理学的特徴や役割に関する理解が深まりました。
年齢・種差・臨床上のポイント
- 年齢差:乳幼児は一晩の睡眠でレム(能動睡眠)の割合が非常に高く、加齢に伴ってレムや深睡眠は減少します。
- 種差と進化:鳥類と哺乳類がともにレムとNREMを示すことは、これらの特徴が進化の早い段階で獲得された可能性を示唆します(原文の記述を参照)。
- 睡眠障害:レム睡眠行動障害、ナルコレプシー(入眠時にレム関連の現象が起こる)、睡眠時無呼吸症候群によるレムの断片化など、レムに関連する臨床問題があります。
- 薬剤の影響:アルコールや一部の薬剤はレムを抑制し、睡眠構造を変化させます。逆にレムの「リバウンド」(睡眠不足後にレムが増加)はよく観察されます。
臨床・研究での測定
レム睡眠はポリソムノグラフィ(脳波・眼電図・筋電図などの同時記録)で評価されます。臨床では睡眠の各段階の割合、レム潜時(入眠から最初のレムまでの時間)、レム密度(眼球運動の頻度)などが指標として用いられます。
まとめ:レム睡眠は「急速な眼球運動」を特徴とし、夢の多くが生じる段階で、記憶や情動の処理、脳の発達などに関与すると考えられています。しかしその正確な役割は複合的で完全には解明されておらず、活発な研究領域となっています。夜間を通じてNREMとレムが繰り返されることで、心身の回復や学習・情動の整理が効率的に行われるとみなされています。
レムと夢
急速眼球運動睡眠は夢を見ることと関連しています。レム期に睡眠者を起こすことは、夢の報告を得るための一般的な方法です。典型的な人の80%は、このような状況下で何らかの夢の報告をすることができます。レムから目覚めた睡眠者は、彼らが経験していた夢のより長いより物語的な説明を与える傾向があります。彼らはより長いように彼らの夢の期間を推定しています。
明晰夢は、レム睡眠中の方がはるかに頻繁に報告されています。レム睡眠中に発生する精神的な出来事は、通常、物語構造、説得力(覚醒した生活のような)、本能的なテーマを含む夢の「特徴」を持っています。
急速眼球運動睡眠行動障害(RBD)とは、夢の中で行動を起こす睡眠障害(より具体的にはパラソムニア)のことです。
質問と回答
Q:哺乳類と鳥類の睡眠にはどのようなものがあるのでしょうか?
A:哺乳類と鳥類の睡眠は、レム睡眠(急速眼球運動)とNREM睡眠(非急速眼球運動)の2つに分類されます。
Q: レム睡眠はいつ起こるのですか?
A:レム睡眠は、一晩中間隔をあけて行われ、その時間は夜半に長くなります。
Q: レム睡眠を発見したのは誰ですか?
A:1952年から53年にかけて、ナサニエル・クライトマンとその弟子ユージン・アセリンスキーがレム睡眠を初めて発見しました。
Q:レム睡眠の機能は何ですか?
A:レム睡眠の機能はよく分かっていません。
Q:レム睡眠には何段階あるのですか?
A:NREM睡眠には3つまたは4つのステージがあります。ステージI(居眠り)、ステージII(軽い睡眠)、ステージIII(深い睡眠)、時にはステージIV(これも深い睡眠)です。
Q: 成人した人間は、通常、1サイクルにどれくらいの時間眠っているのでしょうか?
A: 人間は通常、1回の睡眠に90~110分かけています。
Q: レム睡眠とノンレム睡眠の両方があるという特徴は、いつ生まれたのですか?
A: レム睡眠とノンレム睡眠は、哺乳類と鳥類の進化が分かれる前に進化したもので、陸上脊椎動物の中では早くから重要な特徴であることが示唆されています。
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