物理学における静止質量(不変質量)
静止質量は、粒子または系の静止系で測定される不変質量である。ローレンツ不変の性質をもち、旧来の「相対論的質量」とは異なり、質量・エネルギー関係の中心的概念である。
概要
静止質量は、不変質量とも呼ばれ、粒子または孤立系全体が静止している座標系で測定される質量である。これは観測者の等速運動によって変化しないスカラー量であり、したがって、古い「相対論的質量」という考え方とは概念的に異なる。入門的な背景についてはこちらの解説を参照。
主な特徴
- 座標系からの独立性:静止質量はローレンツ変換の下で不変であり、すべての慣性系で同じ値をとる。
- エネルギーと運動量との関係:エネルギー E、運動量 p、静止質量 m は E² = (pc)² + (mc²)² で結ばれ、質量とエネルギーが密接に関係していることを示す。
- 質量をもたない粒子:光子などの一部の粒子は静止質量がゼロであるが、エネルギーと運動量をもつ。
- 系の質量:複合系の不変質量は、運動エネルギーと結合エネルギーが全体に寄与するため、構成要素の静止質量の和と異なる場合がある。
歴史的発展
静止質量の概念は、特殊相対性理論とアインシュタインの質量・エネルギー等価性によって明確化された。20世紀初頭の文献では、速度に依存する「相対論的質量」が用いられることもあったが、現代では基本的な性質として不変の静止質量を用いるのが一般的である。簡潔な歴史的注記は背景資料、技術的な観点は追加資料を参照。
用途と例
静止質量は素粒子物理学と宇宙論における中心的概念である。電子や陽子などの素粒子を特徴づけ、崩壊および衝突の運動学にも現れる。崩壊生成物の不変質量は、親粒子を同定する手掛かりとなる。顕著な例として、互いに反対方向へ進む二つの光子は、各光子の静止質量がゼロであっても、ゼロでない不変質量をもつ系を形成しうる。実用的な参考資料は関連資料で利用できる。
区別と注目すべき事実
重要な区別として、静止(不変)質量と相対論的質量の違いがある。静止質量は粒子に固有の量であるのに対し、エネルギーと運動量は座標系に依存する。結合エネルギーは束縛系の質量を変化させる。たとえば原子核の質量は、結合エネルギーによって全質量が減少するため、構成粒子の質量の和よりわずかに小さい。一般相対性理論では、質量は時空の曲率の源となるストレス・エネルギー・テンソルに現れ、エネルギー、圧力、運動量もすべて重力効果に寄与する。
関連項目
著者
AlegsaOnline.com 物理学における静止質量(不変質量) Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/82318