サグDEG(射手座矮小楕円銀河)とは — ループ状の天の川衛星銀河

サグDEGは、天の川銀河の小さなループ状の衛星銀河で、一般には射手座矮小楕円銀河(英: Sagittarius Dwarf Elliptical Galaxy, 略称 Sgr dSph または SagDEG)や射手座矮小球状銀河などと呼ばれます。1994年に発見されて以来、天の川銀河との重力相互作用によって潮汐剥ぎ取られつつある典型的な衛星矮小銀河として注目されています。

概要と発見

サグDEGの銀河本体は1994年にロドリゴ・イバタらによって発見されました。中心付近には古くから知られる球状星団M54(NGC 6715)が位置しており、この星団は銀河核に対応すると考えられる一方で、M54自体は別個に古くから観測されていた天体です。発見以降、多数の観測によりこの銀河が天の川に取り込まれつつある過程が詳細に追跡されています。

構造と星団

サグDEGは複数の球状星団を伴っており、代表的なものとして以下が挙げられます。

  • M54 (NGC 6715) — 中心付近に位置する主要な星団。
  • Terzan 7
  • Terzan 8
  • Arp 2

元の本文にもあるように、いくつかの研究では「4つの球状星団から構成されている」と表現されることが多いです。銀河本体は直径およそ1万光年で、地球からは約7万光年ほど離れています。星成分は金属量や年齢の異なる複数の集団を含み、古い金属の乏しい星と中間年齢の比較的金属の豊富な星が混在しています。

軌道と潮汐破壊

サグDEGは天の川の中心から約5万光年の位置を公転し、極軌道(銀河盤に対して高い傾斜をもつ軌道)を描きます。元の文章にある通り、天の川の盤面を通過するような軌道で、繰り返し通過するたびに潮汐力で星が引き剥がされ、現在では銀河を取り巻く巨大なストリーム(サグリタリウス・ストリーム)を形成しています。このストリームは銀河を何周も取り巻くループ状の構造を示し、広範囲にわたり観測されています。こうした特徴は、小さな衛星銀河がより大きな銀河に吸収される「階層的成長」の現場を直接見る貴重な例です。

将来と天文学的意義

潮汐剥離は進行中で、多くの恒星がすでに天の川に取り込まれています。将来的にはサグDEGはさらに細かく引き裂かれ、最終的には天の川に完全に同化されると考えられています。こうした過程の研究は、銀河形成史やダークマター分布、銀河系ハローの成り立ちを理解するうえで重要です。大規模サーベイ(例:2MASS、SDSS など)のデータにより、ストリームの追跡や軌道モデル化が進められてきました。

混同に注意

サグDEGは同名に似た別の天体と混同されがちです。特に「いて座矮小不規則銀河」(SagDIG、サグDIG)はまったく別の銀河で、地球から約340万光年離れた不規則銀河です。本文の注意書きどおり、これらを混同しないよう気をつけてください。

補足:本文中の各種数値や星団のリストは観測や解析によって精度が改善される可能性があり、最新の研究結果を参照することでより詳細な情報が得られます。

サグDEGの中核をなすとされるメシエ54。HST の Advanced Camera for Surveys によるグレースケール画像。Zoom
サグDEGの中核をなすとされるメシエ54。HST の Advanced Camera for Surveys によるグレースケール画像。

質問と回答

Q: Sag DEGとは何ですか?


A: Sag DEGは天の川銀河の小さなループ状の衛星銀河です。

Q: サグDEGの他の名前は何ですか?


A: 「いて座矮小楕円銀河」「いて座矮小球状銀河」とも呼ばれています。

Q:サグDEGはいくつの球状星団から構成されていますか?


A: 4つの球状星団から構成されています。

Q:サグDEGの主星団はいつ発見されたのですか?


A: 1994年に発見されました。

Q:サグDEGの大きさはどのくらいですか?


A: 直径は約1万光年です。

Q: 地球からどのくらい離れているのですか?


A: 地球から約7万光年です。

Q: サグDEGの軌道はどうなっていますか?


A: 天の川銀河の中心から約5万光年の距離にあり、極軌道を描いています。

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