サーミ文学:歴史、形式と現代的意義
口承伝統と17世紀の文書記録から、現代の詩・散文、使用言語、主題、継続する再活性化までを扱うサーミ文学の概説。
サーミ文学とは、フェノスカンディア北部およびコラ半島に暮らすサーミの人びとによる、書かれた文学と口承による文学的表現を指す。歌、物語、儀礼的な上演からなる長い口承伝統に根ざし、17世紀以降の文書記録にも見られる。入門的な概説については、サーミ文学の概要を参照。
歴史的展開
現存する初期の文献は、おもに宣教師、学者、行政官がサーミ語の語彙や歌を書き留めたり、キリスト教文書を翻訳したりして作成した宗教・言語関係の資料である。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、サーミ人の著者はサーミ諸語のほか、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの国語でも出版を始めた。近代サーミ散文の成立は、しばしば1910年頃に刊行された作品と結び付けられ、世俗的な物語と自己表現への転換を示すものとされる。サーミ散文も参照。
画像ギャラリー
1 画像形式、言語と特徴
サーミ文学には、伝統的なヨイク(歌唱的・詩的な形式)、民話、口述史、詩、小説、随筆、児童書など、多様な形式が含まれる。北部サーミ語、ルレ・サーミ語、南部サーミ語、イナリ・サーミ語、スコルト・サーミ語など、複数のサーミ諸語で書かれ、翻訳作品としても表現される。土地やトナカイ牧畜との関係、自然と季節、アイデンティティ、文化の継続、植民地的な接触、言語の存続が共通する主題である。
主な展開と著者
20世紀のサーミ人作家・詩人は、先住民の視点を出版文化へ、さらにスカンディナヴィアと国際的な文化圏へともたらした。視覚芸術、音楽、執筆を組み合わせた者もいれば、小説、回想録、活動に重点を置いた者もいる。出版はしばしば二言語または多言語で行われ、翻訳は地域社会の外へサーミの声を広める助けとなってきた。
現代的意義と課題
- 文学は言語の再活性化と文化の継承を支える。
- 著者は土地の権利や環境変化などの政治的問題を扱う。
- 出版基盤の限界、小規模な言語共同体、翻訳の必要性が課題となっている。
サーミ文学は、伝統的な口承形式を現代のジャンルやデジタル媒体と融合させながら、発展を続けている。北欧における先住民の視点を理解し、サーミの言語的・文化的な強靱性を支えるうえで、重要な分野であり続けている。
関連項目
著者
AlegsaOnline.com サーミ文学:歴史、形式と現代的意義 Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/86679
出典
- snl.no : snl.no/samisk_litteratur