セグノサウルスとは — モンゴル発・後期白亜紀の大型草食恐竜(特徴・化石)
セグノサウルス—モンゴル産後期白亜紀の大型草食恐竜を徹底解説。特徴・化石発見・体格や進化、復元像まで図解でわかりやすく紹介。
セグノサウルス(「遅いトカゲ」の意)は、約9300万年前の後期白亜紀に生息していた草食獣脚類の恐竜である。テリジノサウルスの中ではかなり大型の部類に入り、草食の仲間として知られる。祖先が肉食だった生活から分化して草食に適応したと考えられている。
発見と分類の経緯
化石はモンゴルで発見され、部分的な骨格が4体確認されている。タイプ種はセグノサウルス・ガルビネンシス(Segnosaurus galbinensis)とされ、発見当初はその独特な形態のために分類が難しく、一時は「セグノサウリア(Segnosauria)」という独立したグループに置かれたこともあった。後の研究で、現在はテリジノサウルス類(テリジノサウリダエ、Therizinosauridae)あるいはそれに近いマンニラプトラ類の一員とするのが一般的である。
形態の特徴
- 頭部と歯:頭は比較的長く、歯は葉状(歯冠が幅広く縁がぎざぎざしている)で、植物をすりつぶしたり切り取ったりするのに適している。顎の構造も草食に適応していると考えられる。
- 首と体:首は柔軟で長め、胸郭は幅広く胃容量の大きさ(植物性の消化に対応する大きな消化管)を示唆する。
- 前肢と爪:前肢は長く、大きな鉤状の爪を持つ。これらは高い枝の葉を引き寄せる、植物をはがす、あるいは防御に使われたと考えられている。
- 骨盤と後肢:骨盤は幅広く頑丈で、後肢はずんぐりと強健。足は3本趾で、短い尾を持っていた。
- 皮膚・羽毛:直接の証拠は限られるが、テリジノサウルス類には羽毛様の体被があったと考える研究が多く、セグノサウルスにも部分的な羽毛や羽毛様構造が存在した可能性がある。
生態と食性
セグノサウルスは明確に植物食に適応しており、前肢の大きな爪と葉状歯は食物採取と処理に役立っていた。高い場所の葉を引き寄せる、低木やシダ類を切り取る、といった摂食行動が想定される。歩行は直立二足歩行が基本で、移動は遅めであったと考えられる。防御手段として大きな爪が有効だった可能性もある。
大きさの推定
体長や体重の推定には幅があるが、2010年にグレゴリー・ポールは体長を約6メートル、体重を約1.3トンと推定している。テリジノサウルス類の中では大型に属し、がっしりした体つきが特徴である。
化石の重要性と意義
セグノサウルスは、獣脚類の中で草食に転換した系統を示す代表的な例であり、恐竜の生態的多様性と進化過程を理解する上で重要である。特に獣脚類という「一般に肉食」とされるグループで、どのようにして草食形質(歯・顎・消化器官の変化や前肢の利用法など)が獲得されたかを示す貴重な資料となっている。
まとめ
セグノサウルスは後期白亜紀のモンゴルに暮らした大型の草食獣脚類で、長い首と頭、幅広い骨盤、大きな前肢の爪など独特の形態を持つ。分類史や生態の解明を通じて、恐竜の進化や生態系での役割について多くの示唆を与える重要な存在である。
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