調査とは:統計調査の定義・目的・種類(数値調査とカテゴリー調査の例)
統計調査とは、母集団内の項目に関する情報を収集することです。
目的
- 母集団の特徴把握:平均値や割合などの推定により、対象集団の性質を把握します。
- 政策・意思決定の支援:政府や企業が方針を決める際の根拠を提供します(例:政府の施策評価、マーケティングリサーチ)。
- 傾向の把握と予測:時間の経過による変化(トレンド)や将来の動向予測に使います。
- 仮説検証:社会科学や健康分野などで、特定の関係性や効果を検証します(例:健康や社会科学の研究)。
- 意見収集:政治的な世論調査や消費者の嗜好調査など、意見ベースの情報収集にも用いられます。
調査の種類(設計別)
- 横断調査(cross-sectional):特定の時点でのデータを収集し、現状を把握します。
- 縦断調査(longitudinal / panel):同じ対象を複数時点で追跡し、変化や因果関係を検証します。
- 国勢調査・全数調査(census):母集団すべてを調べる調査で、精度は高いがコストが大きい。
- 標本調査(sample survey):母集団の一部(標本)を調べ、その結果から母集団を推定します。
データの種類(測定尺度)
アンケートで得られるデータは大きく分けて数値型(量的)とカテゴリー型(質的)に分類されます。
数値型(量的)
- 連続変数:時間、体重、身長など、小数点以下も含む値を取れるもの。例:朝食を食べる時間は「平均何分か」。
- 離散変数:子どもの人数や購入回数など、整数値を取るもの。
カテゴリー型(質的)
- 名義尺度(nominal):順序を持たないカテゴリー。例:「好きな色は何ですか?」(黄色、緑、紫)。
- 順序尺度(ordinal):序列があるが差の大きさは一定でない。例:満足度(満足・普通・不満)。
設問例と注意点
元の例:
朝食を食べる時間は平均何分くらいですか?
この質問は分単位での数値(連続または離散)を生みます。記入しやすくするために、選択肢を設定して「0–10分」「11–20分」など区間で聞く方法もあります。
カテゴリ質問の例:
好きな色は何ですか?
この場合、回答は「黄色、緑、紫」などの名義カテゴリになります。設問作成時は、重複や抜け、曖昧さを避ける、複数回答可か単一回答かを明示する、を心がけます。
サンプリング方法
- 確率抽出法:単純無作為抽出、層化抽出、クラスタ抽出など。母集団を代表する標本が得られ、統計的推定が可能。
- 非確率抽出法:便利抽出、有目的抽出、割当抽出など。コストは低いがバイアスのリスクが高い。
データ収集手法
- 対面調査(訪問)
- 電話調査(CATI)
- 郵送調査
- ウェブ調査(オンラインアンケート)
- 管理データ・センサー・ログデータの活用(既存記録の二次利用)
品質管理とバイアス
- 測定誤差:質問の表現や回答者の理解の違いで生じる誤差。
- 非回答バイアス:回答しない人とする人に差があると結果が偏る。
- サンプリング誤差:標本によるランダムなずれ(標準誤差で評価)。
- 処理誤り:データ入力や集計時のミス。
倫理とプライバシー
調査では、インフォームドコンセント(同意)、匿名化・機密保持、個人情報保護法等の法令遵守が重要です。特に健康やセンシティブ情報を扱う際は厳格に管理します。
データの分析と活用
- 要約統計:平均・中央値・最頻値・割合・標準偏差などで特徴を示す。
- 推測統計:信頼区間、仮説検定、回帰分析などで母集団についての結論を導く。
- 可視化:ヒストグラム、棒グラフ、箱ひげ図、散布図などで分布や関係を示す。
- 報告:結果は分かりやすく要約し、前提や制約(サンプルの代表性、誤差の大きさなど)を明示することが重要です。
実務上のポイント(設問作成のコツ)
- 簡潔で一つの問いに絞る(ダブルバーレルを避ける)。
- 誘導的な表現を避け中立的に聞く。
- 選択肢は網羅的かつ排他的にする(「その他」や「該当なし」を用意)。
- 回答負担を減らす(質問数や難易度を調整)。
- 予備調査(パイロット)で問題点を先に発見する。
人間の集団や組織を対象とした調査は、政治的な世論調査や政府、健康、社会科学、マーケティングリサーチなどでよく行われます。調査は、その目的に応じて、意見や事実に基づいた情報を中心に行われます。
最後に、調査結果は設計や実施方法によって大きく左右されます。目的を明確にし、適切なサンプリングと信頼できるデータ収集、厳格な品質管理を行うことが、役に立つ調査結果を得るための基本です。
質問と回答
Q: 統計調査とは何ですか?
A: 統計調査とは、母集団内の項目に関する情報の収集です。
Q:調査はどのようにグループ分けできますか?
A:調査は、数値型とカテゴリー型に分類することができます。
Q:数値調査とは何ですか?
A: 数値調査とは、回答として数字を得ることです。例えば 朝食を食べるのに平均何分かけますか?
Q: カテゴリー調査とは何ですか?
A: 定型的な質問の例としては、「好きな色は何色ですか?この場合、黄色、緑、紫など、数字ではないカテゴリーが考えられます。
Q: アンケートはどこでよく行われますか?
A: 人間の集団や組織に関する調査は、政治的な世論調査や政府、健康、社会科学、マーケティング調査などでよく行われます。
Q: どのようなことを調査するのですか?
A: 調査はその目的によって、意見に集中することもあれば、事実に基づいた情報に集中することもあります。
Q: 事実に関する調査の例を教えてください。
A: 実態調査の例としては、「週に何時間運動しますか?この質問は事実情報を収集することを目的としています。