ラスト・エアベンダー』(The Last Airbender)は、2010年7月1日に公開されたアメリカの冒険ファンタジー映画です。 原作はアニメシリーズアバター:ラスト・エアベンダー(原題:Avatar: The Last Airbender)のファーストシーズンで、本作はそのシーズンを実写映画として映画化したものです。主演はノア・リンガーで、物語の主人公アング役を演じています。アングは長い眠りから目覚め、仲間のカタラとソッカは、アングとカタラに水の操り方を教えてくれる水曲げの達人を探すために北極へと旅立つ、という筋書きが映画の中心です。主要キャストにはニコラ・ペルツ、ジャクソン・ラスボーン、デヴ・パテルも出演しています。音楽はジェームズ・ニュートン・ハワードが担当しました。

本作は三部作として企画され、その第一作としてパラマウント・ピクチャーズとニコロデオン映画の共同制作で進められました。映画化の開発は2007年に始まり、監督・脚本・製作はM.ナイト・シャマランが務めました。ほかの主要プロデューサーには、フランク・マーシャル、キャスリーン・ケネディ、サム・マーサー、スコット・エイバーサーノらが名を連ねています。原作アニメシリーズ(『アバター:最後の飛行士』の第1シーズン)は、マイケル・ダンテ・ディマルティーノとブライアン・コニエツコが製作しており、映画化に際しても関わりがありましたが、出来上がった作品については原作者側から異論が出ることになりました。撮影は2009年3月中旬に開始され、屋内セット撮影と実際のロケーション撮影を組み合わせて行われ、映画は従来の2D上映に加え、RealD形式の3Dでも公開されました。

製作費と興行成績

本作の制作費は概ね約1億5,000万ドルと報じられており、宣伝・配給費などを含めると総コストは少なくとも約2億8,000万ドルに達したと見積もられています。興行面では世界的に一定の収入を得たものの、批評的評価やファンの反応は厳しいものとなりました。ニューヨークでのプレミアは2010年6月30日に行われ、翌日アメリカ本国で一般公開されました。公開初週末の興行成績は予想を下回る地域もあり、最終的な興行収入は見積もりにより差がありますが、世界興行収入は数億ドル規模に達しました。

批評・反響

映画は公開後、批評家・観客双方から厳しい評価を受けました。多くの批評では、脚本や台詞、演出、編集、登場人物の描写不足、原作との設定や演出の相違、演技の評価などが問題視されました。また、主要キャストの人種配慮(いわゆる白人化〈ホワイトウォッシング〉〉)や、原作の持つ繊細な世界観やキャラクター造形がうまく再現されていない点についてもファンの間で論争になりました。視覚効果や一部アクションは評価されることもありましたが、総じて否定的なレビューが多く、批評サイトやランキングで低評価となりました。

受賞・ノミネート

  • 公開後の評価を反映して、2011年のゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)では複数部門でノミネートされ、実際に受賞した部門もありました。受賞には「ワースト・ピクチャー」や「ワースト・アイグーイング・ミス・ユース・オブ・3D」を含む部門が含まれています。

影響とその後

当初計画された三部作は、興行的には一定の成功を収めたものの、批評的評価とファンの反発を受け、続編制作は事実上頓挫しました。原作者や一部キャスト・スタッフは出来上がった作品に対する見解を表明し、映画版の出来と原作アニメとの乖離が今後の映像化への議論を呼びました。

補足情報

  • 監督・脚本:M.ナイト・シャマラン
  • 主な出演:ノア・リンガーで、(アング役:アング)、ニコラ・ペルツ、ジャクソン・ラスボーン、デヴ・パテルも出演しています など
  • 音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
  • 配給:パラマウント・ピクチャーズ / ニコロデオン映画

本記事では制作背景、公開時の反応、受賞・その後について概観しました。作品の評価は賛否がはっきり分かれており、原作アニメの熱烈なファンと映画の新たな視聴者の間でも受け取り方が異なります。興味がある方は原作アニメと映画版を比較して観ると、両者の表現手法の違いがよくわかります。