USSエンタープライズ(CV-6)は、しばしば「ビッグE」と呼ばれ、アメリカ海軍の6番目の航空母艦である。1936年に進水し、1938年に就役したヨークタウン級航空母艦で、ニューポート・ニューズ造船所で建造された。第二次世界大戦前に就役したアメリカの空母のうち、戦争を生き延びた3隻のうちの1隻であり、太平洋戦線で数多くの重要作戦に参加した。

設計と概要

エンタープライズはヨークタウン級の改良型として設計され、当時の空母としては高速で機動力に優れていた。満載排水量はおおよそ2万トン前後、速力は30ノット台半ば、搭載機数は作戦時期によって変動したが通常は数十機から約90機程度の航空機を運用できた。防御・対空能力は戦況に応じて強化され、20mm/40mm機銃や40㎜および5インチ砲などが追加装備された。

主な戦歴

エンタープライズは太平洋戦争で数多くの海戦・行動に参加した。代表的なものには、ミッドウェー海戦、東ソロモン諸島沖海戦、サンタクルーズ諸島沖海戦、ガダルカナル島攻防を含むガダルカナル海戦、フィリピン海戦、そしてレイテ湾海戦などがある。これらの戦闘で同艦は攻撃・護衛・対地支援・航空戦闘など多様な任務をこなし、しばしば艦隊の中核として戦果を挙げた。

日本側は太平洋戦争中に、エンタープライズが「撃沈された」と三度にわたり誤報したことで知られており、このことに由来して「グレイ・ゴースト(灰色の幽霊)」という愛称でも呼ばれた。敵の誤認や巧妙なカモフラージュなどがあいまって、その存在は日本側にとってしばしば幻のように映った。

栄誉と記録

エンタープライズは戦功として20個の戦闘星を獲得した。これは第二次世界大戦中のアメリカ艦艇の中で最多であり、アメリカ海軍史上でも最も名誉ある艦の一つとされることが多い。時に18世紀のフリゲート艦USS ''Constitution''と並び称されることもあるほど、その戦歴は顕著である。

戦後の運命と遺産

戦後、エンタープライズは1947年に退役し、保存計画が検討されたが資金や維持の問題などで実現せず、最終的には1958年に解体された。その名前は後に初の原子力空母であるUSS Enterprise (CVN-65) に受け継がれ、さらにアメリカ海軍史における象徴的な艦名として記憶されている。

評価

エンタープライズは高い稼働率と豊富な実戦経験、そして乗員の献身により「ビッグE」「グレイ・ゴースト」といった愛称で親しまれ、太平洋戦争におけるアメリカ海軍空母戦力の象徴の一つとなった。戦術面・精神面の両面で海上戦史に大きな足跡を残している。