ウエストボロ・バプティスト教会(WBC)とは|反同性愛・ヘイトで物議を呼ぶ米国の教会

ウエストボロ・バプティスト教会(WBC)の反同性愛・ヘイト抗議の実態と葬儀での論争、背景と影響をわかりやすく解説

著者: Leandro Alegsa

ウエストボロ・バプテスト教会WBC)は、アメリカの無所属バプテスト教会で、極端な主張と公開抗議活動、特に同性愛者に対する抗議、遺族の葬儀などを標的にした行動で広く知られています。多くの人権団体や報道機関は、この教会をヘイトグループと表現しています。

概要と成立

教会はフレッド・フェルプス氏が創設し、家族やその支持者らで構成される小規模な共同体です。教会側の発表や報道によれば、2011年ごろの会員数は約40人とされています。教会はカンザス州トピカの住宅地に位置し、1955年11月27日に最初の公開礼拝が行われました。

信条と組織

WBCはどのバプテスト教派にも属しておらず、独自の神学観を掲げています。教会は自身を「原始バプテスト」的立場やカルヴァン主義の原則に沿うと説明することがありますが、その極端な言動は主要なバプテスト団体からは否定的に受け止められています。バプテスト世界同盟や南部バプテスト連盟などの大手団体は長年にわたりWBCを糾弾してきました。

抗議活動と物議を醸す行為

同教会は少なくとも1991年頃から公開の抗議活動に関与しており、当初は教会近隣の公園での活動や地域の「道徳」を問題視する行動が中心でした。その後、軍人や公人の葬儀、名の知れた人物の追悼行事、メディアで注目される公共イベントなどを狙ってピケッティングを行うようになりました。抗議の対象は同性愛者に限らず、ユダヤ人やその他の集団に向けられることもあり、映像や写真にはWBCのメンバーがアメリカ国旗を踏みつける姿が含まれる例もあります。

法的・社会的反応

  • 公益や遺族感情をめぐり、WBCの葬儀抗議は強い非難を招き、各種のカウンタープロテストや市民の反発を生みました。
  • 米国では表現の自由(First Amendment)との関係でも論争が続き、2011年にはWBCによる葬儀抗議をめぐる最高裁判決(Snyder v. Phelps)で、抗議行為が憲法上の保護を受ける場合があると判断され、広く報道されました。この判決は賛否両論を呼び、公共の場での差別的発言と遺族の権利の折り合いに関する議論を深めました。
  • 一方で、人権団体や監視団体(Southern Poverty Law Centerなど)はWBCをヘイトグループとして分類・批判し、社会的孤立を深める要因となりました。
  • 一部の州や自治体では、葬儀周辺での時間・場所に関する規制が制定され、遺族のプライバシー保護を図る動きが強まりました。

変化と現在の状況

教会はメディア露出によって国内外で知られるようになりましたが、内部からの離脱や世代交代、批判の高まりにより構成員数は変動しています。フレッド・フェルプス氏は教会の顔として長年知られましたが、その死去以降、運営や影響力は以前ほどではないとの報道もあります。教会出身の人物の中には教会を離れ、かつての活動を批判したり和解を図る動きを見せる人もいます。

評価と論点

WBCをめぐる論点は多面的です。支持者は「聖書に基づく警告」として擁護する一方、批判者はその言動を「憎悪に基づく攻撃」と位置づけます。社会的には、被害を受ける個人や集団の尊厳と、広範な表現の自由の境界をどのように定めるかという課題を浮き彫りにしました。多くの宗教団体や市民社会組織は、WBCのやり方を拒絶しつつ、対話や教育を通じて差別や偏見の解消を目指しています。

以上はWBCの主な特徴とそれを取り巻く社会的反応の概略です。教会の活動は継続的に報じられており、地域社会や法制度、公共倫理に関する議論を引き起こし続けています。



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