1760年代とは:出来事・トレンドと世界の指導者、主な誕生・死去
1760年代の主要出来事や社会トレンド、世界の指導者たちの動向と著名な誕生・死去を時系列でわかりやすく解説。歴史研究や入門に最適。
コンテンツ
· 1イベント・トレンド
o 1.1イベント
· 2世界のリーダーたち
o 2.1誕生
o 2.2死亡数
イベント・トレンド
1760年代は、七年戦争の終結とその後の国際秩序の再編、産業革命の初期段階、啓蒙思想の波及、植民地支配と抵抗の高まりが同時に進行した時期です。以下に主要な出来事と当時の社会的・技術的トレンドをまとめます。
- 七年戦争の終結と領土再編(1763)
- 1763年のパリ条約により、ヨーロッパ・海外植民地の勢力図が大きく変わりました。イギリスはフランスからカナダ(ニュー・フランス)を獲得し、スペインはルイジアナを受け取るなど、北米・植民地支配の再編が行われました。
- 1762年のフォンテーヌブロー条約(秘密条約)では、フランスがルイジアナをスペインに割譲しました。
- イギリスと北アメリカ:政策と抵抗
- 1763年、王室勅令(Proclamation of 1763)が発せられ、西方への植民地入植を一部制限。先住民との緊張緩和を図る意図がありましたが、入植者側の不満を招きました。
- 1763年から1766年にかけて、ポンティアックの反乱(先住民による英軍打倒の試み)が起き、英北米支配の課題が表面化しました。
- 1764年の糖法(Sugar Act)、1765年の印紙法(Stamp Act)は北米植民地側の強い反発を招き、植民地側の政治的自覚と反英運動(後の独立運動の胎動)を促しました。印紙法は1766年に廃止されますが、後の税制問題につながります。
- 産業革命の初期:技術革新と工業化の兆し
- 1760年代はイギリスで工業化の萌芽が見られた時期です。1764年にジェームズ・ハーグリーブスが紡績機(いわゆるSpinning Jenny)を考案したと伝えられ、家内工業から工場制生産へと進む前兆となりました。
- ジェームズ・ワットは1765年ごろに蒸気機関の効率化(別置型凝縮器の原理など)に取り組み、その後の改良と特許取得により蒸気動力の実用化を進めました(改良作業は1760年代後半から進行)。
- ロシアとヨーロッパの政変
- 1762年、ロシアでピョートル3世が退位・暗殺され、エカチェリーナ2世(エカテルリーナ大帝)が即位しました。この政変はロシアの内政・対外政策に長期的な影響を与えました。
- イギリス東インド会社とインド支配の進展
- インドでは、1764年のバクサールの戦いなどを経て、イギリス東インド会社が政治的支配力を強めました。これにより、以後の植民地的支配構造が深化します。
- 海洋探検と科学的探究
- 1768年にジェームズ・クックの最初の太平洋航海が始まり(1768–1771)、天文観測(太陽の金星通過の観測など)や地理的発見、民族学的記録など科学的成果がもたらされました。
- 啓蒙思想と文化
- 啓蒙思想は18世紀中葉から広がり、1760年代も哲学・政治思想・文学・科学の分野で影響力を持ち続けました。市民社会や法、教育に関する議論が各地で活発化しました。
世界のリーダーたち(1760年代の主な君主・統治者)
以下は1760年代に各国で実権を握っていた主な指導者です。年は在位期間の一部を示します。
- イギリス:ジョージ3世(在位1760–1820) — 1760年に即位し、北米植民地政策などで重要な役割を果たしました。
- フランス:ルイ15世(在位1715–1774) — 七年戦争の影響下で在位。
- スペイン:カルロス3世(在位1759–1788) — 海外領土政策と国内改革を推進。
- プロイセン:フリードリヒ2世(フリードリヒ大王、在位1740–1786) — 軍事・行政の強化を継続。
- オーストリア:マリア・テレジア(在位1740–1780) — 神聖ローマ帝国内外で影響力を持った君主。
- ロシア:ピョートル3世(在位1762)→ エカチェリーナ2世(在位1762–1796) — 1762年のクーデターで政権交代。
- 清(中国):乾隆帝(在位1735–1796) — 清朝全盛期の一角を担う皇帝。
- オスマン帝国:ムスタファ3世(在位1757–1774) — 欧州勢力との関係が続く時期。
- ムガル帝国(インド):名目的にはムガル皇帝が存在したが、地方勢力やイギリス東インド会社の影響が増大していました。
主な誕生(1760年代に生まれた代表的人物)
- トーマス・クラークソン(Thomas Clarkson) — 1760年生:イギリスの奴隷制度廃止運動の重要人物(1760年4月生まれ)。
- ジャン=バティスト・ベルナドット(Jean-Baptiste Bernadotte) — 1763年生:フランス革命期の軍人。後にスウェーデン国王(カール14世ヨハン)となる(1763年1月26日生)。
- ジョン・ドルトン(John Dalton) — 1766年生:イングランドの化学者・物理学者。原子説の発展に寄与(1766年9月6日生)。
- アーサー・ウェルズリー(初代ウェリントン公爵、Arthur Wellesley) — 1769年生:イギリスの軍人・政治家。ナポレオン戦争で活躍(1769年5月1日生)。
- ナポレオン・ボナパルト — 1769年生:フランスの軍人・政治家。フランス革命後の政治的台頭と皇帝への道(1769年8月15日生)。
主な死去(1760年代に亡くなった代表的人物)
- ジョージ2世(King George II) — 1760年死去:イギリス王。1760年10月25日に死去し、ジョージ3世が即位しました。
- ピョートル3世(Peter III) — 1762年死去:ロシア皇帝。1762年のクーデターで退位し、同年内に暗殺されたとされています。
- マダム・ド・ポンパドゥール(Jeanne Antoinette Poisson) — 1764年死去:フランス王ルイ15世の愛妾であり、宮廷文化と芸術支援で影響力を持った人物(1764年4月15日没)。
まとめ(1760年代の意義)
1760年代は、近代世界の重要な転換点が複数重なった時期です。七年戦争後の国際秩序再編と植民地政策の変化が、北米・インドなどでの政治的緊張や抵抗を生み出し、産業技術の進歩は後の産業革命へつながりました。さらに啓蒙思想の浸透と政治的変化(君主交代や改革)は、18世紀後半から19世紀にかけての戦争・革命・社会変動の土台となりました。
この年代を理解することで、後のアメリカ独立戦争、フランス革命、ナポレオンの台頭、さらには世界的な工業化の流れがどのように形成されたかをより深く把握できます。
イベント・トレンド
イベント
- ジョージ3世が英国の王位に就く 1760.七年戦争(1756-1763)が終結する。フランスはカナダをイギリスに譲渡したが、ジョン・ウィルクスを筆頭に政府への批判が高まっていた。一方、イギリスのアメリカ植民地では、不安が高まっていた。その後、1820年にジョージ3世が死去。
- 科学技術-蒸気機関の開発が進む。
世界のリーダー
- 乾隆帝(チエン・ロン)(中国)
- フレデリック5世(デンマーク・ノルウェー)
- 国王クリスチャン7世(デンマーク・ノルウェー)
- ルイ15世(フランス)
- アウグスト3世(ポーランド)
- ジョゼ1世(ポルトガル)
- ピョートル3世(ロシア)
- エカテリーナ2世(大帝)(ロシア)
- カルロス3世(スペイン)
- アドルフ・フレドリック国王(スウェーデン)
- スルタン・ムスタファ3世(オスマン帝国)
- ジョージ3世(イギリス)
誕生
- ジョセフィーヌ・ドゥ・ボーアルネ(フランス皇后
- ミハイル・レオンティエヴィチ・ブラトフ(ロシア軍
死亡数
- ピエール・ド・マリヴォー(フランスの作家
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