1845年は、政治的拡大、文化的出版、そして深刻化する人道危機が重なった年だった。アメリカ合衆国の領土拡大における決定的な一歩、アイルランドでの壊滅的なジャガイモ疫病の始まり、さらに19世紀半ばの歴史を形づくった重要な出版物や探検がこの年に含まれる。
政治と領土の変化
1845年、アメリカ合衆国は西方への拡大を続けた。フロリダは州として連邦に加わり、その年の後半にはテキサス共和国が併合され、米国の州となった。またこの年には、大陸全体への拡張を支持する修辞が高まり、いわゆる「マニフェスト・デスティニー」という語と結びついて、1840年代のアメリカ政策を方向づけ、翌年以降の外交・軍事上の対立へと直接つながっていった。
災厄と移住:アイルランドのジャガイモ飢饉
1845年は、ジャガイモ疫病(Phytophthora infestans)がアイルランドを壊滅的に襲った年として広く記憶されている。この年に作物の不作が始まり、数年にわたって悪化し、広範な飢え、病気、死をもたらした。飢饉はアイルランドからの大規模な移民を引き起こし、イギリス、北アメリカ、そしてその先の人口分布を変えることになった。
探検、科学、制度
探検と科学の活動も続いた。ジョン・フランクリン卿率いる大規模な英国北極探検隊が1845年に北西航路を求めて出発し、のちにこの時代で最も長く残る謎の一つとなった。アメリカ合衆国では、後の米国海軍兵学校へ発展する正式な海軍教育機関が設けられた。出版面では、Scientific American が1845年に創刊号を出し、科学技術を広く紹介する長寿の媒体として歩み始めた。
文化と文学
1845年には、文化的な響きを今日まで保つ作品も生まれた。この年の代表的な出版物には、アメリカ奴隷制度の実態を明らかにした有力な自伝であるフレデリック・ダグラスの『フレデリック・ダグラスの生涯の物語』、そしてエドガー・アラン・ポーの「大鴉」のような詩が含まれる。これらはポーの名声を高め、アメリカ文学史の定番となった。
影響と歴史的意義
1845年の出来事は、直ちに、そして長期的にも大きな影響を及ぼした。テキサスの併合は翌年の米墨戦争の引き金の一つとなり、アイルランドの飢饉は何十年にもわたって移住と社会政策をめぐる議論を変えた。また、同時代の科学、海軍、出版の進展は、制度面と知的風土の変化に寄与した。こうした理由から、1845年は19世紀半ばの地政学、文化、社会史における転換点としてしばしば挙げられる。