概観
1889年は、鮮やかな対比が印象的な年だった。壮大な技術の公開や文化の活況がある一方で、突発的な災害や政治的な転換も起こった。画期的な工学成果と国際的な集まり、米国での重要な動き、そしてブラジルの体制変化が見られた。芸術家や思想家たちは、急速に変化する社会と産業の条件の中で、長く残る作品を生み出した。
主要な出来事と節目
1889年を象徴する最も目立つものの一つが、パリで完成したエッフェル塔である。これは万国博覧会と、フランス革命百周年の記念のために建てられた。同じ博覧会では、産業と芸術の進歩を示す国際展示も行われた。政治組織の面では、社会主義・労働党の連合体である第二インターナショナルがパリで結成され、のちに国際労働運動に影響を与えた。
災害とフロンティアの拡大
この年は悲劇と急速な拡大ももたらした。5月31日のペンシルベニア州ジョンズタウン洪水は工業都市を壊滅させ、数千人の死者を出し、米国史上最悪級の民間災害の一つとなった。米国西部では、4月22日のオクラホマ・ランドランによって旧インディアン準州の広大な土地が入植に開放され、地域の姿を大きく変えた。
米国と世界の政治
米国では、ベンジャミン・ハリソンが3月に大統領に就任した。いくつかの地域は州昇格へ進み、ノースダコタ州とサウスダコタ州が11月に合衆国へ加わり、続いて同月にはモンタナ州とワシントン州も加わった。国際的には、ブラジルで王政が打倒され、臨時政府の下で共和国となるという根本的な変化が起こった。
文化、科学、注目すべき人物
この年は文化と新聞界にも足跡を残した。ウォール・ストリート・ジャーナルは1889年に創刊され、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホはサン=レミの療養院にいた間に、重要な晩年の作品を制作した。1889年には、20世紀に著名となる人物たちも数多く誕生しており、急速な産業・社会・政治の変化に満ちた10年を締めくくる年でもあった。
主な注目事件・人物
- 1889年万国博覧会のためのエッフェル塔の完成と一般公開。
- 第二インターナショナル(社会主義組織)の結成。
- ジョンズタウン洪水(5月31日)— ペンシルベニア州の大規模洪水災害。
- オクラホマ・ランドラン(4月22日)— 旧インディアン準州での入植開始。
- ブラジル共和国の宣言(11月)— ブラジル王政の終焉。
- ウォール・ストリート・ジャーナルの発行開始。ヴィンセント・ヴァン・ゴッホはサン=レミで療養中に注目すべき晩年の絵画を制作した。
これらの出来事は、1889年がいかに技術的な壮観、政治的再編、人々の苦難を併せ持ち、20世紀にかけて各国史と国際的運動の双方に影響する遺産を残したかを示している。