オハイオ・バックアイ(Aesculus glabra)とは?特徴・分布・毒性を解説
オハイオ・バックアイ(Aesculus glabra)の特徴・分布・有毒性を写真で詳解。見分け方や安全対策、地域別情報までわかりやすく紹介。
Aesculus glabraまたはオハイオバックアイは、ムクロジ科に分類される落葉高木で、中型に育つことが多く、樹高はおよそ15メートルから25メートルに達します。若木は樹皮が比較的滑らかで、成木ではやや鱗片状に割れ目が入ることがあります。幹は太くならず、広がりのある樹冠をつくるため、公園や並木、林縁で目立ちます。
特徴
- 葉:掌状複葉で通常5~7小葉。各小葉の長さはおよそ8cm~16cmほどで、先端は丸みを帯びるかやや尖り、縁には鋸歯があることが多いです。葉は春から初夏にかけて展開し、秋には黄褐色に変わって落葉します。葉の形は同属の他種と区別する重要な手がかりです。
- 花:春(地域によっては4~5月)に、立ち上がる総状花序で黄色〜黄白色の花を多数つけます。花はやや香りがあり、花序は遠目にも目立ちます。春に咲くことが多く、黄色い花を咲かせるのが特徴です。
- 果実・種子:果実は堅い殻(殻果)で覆われ、内部に1〜3個の光沢のある褐色の種子が入ります。種子は俗に「バックアイ」と呼ばれ、表面に明るい丸い斑(眼のような模様)があるのが特徴です。
分布・生育環境
原産は北アメリカ東部で、自然分布域は湿った落葉広葉樹林の周縁や川沿い、肥沃で水はけのよい谷間などに偏ります。具体的には、ペンシルバニア州、オハイオ州、ネブラスカ州、テキサス州、ジョージア州など東部から中西部にかけて広く見られ、カナダでは主にオンタリオ南西部にも分布します(オンタリオ州のはるか南西部)。日陰にも耐えますが、成長は比較的よく日の当たる場所でよく生育します。
花と果実の詳細
花序は高さがある棒状の総状花序で、遠目に黄色の塊として目立ちます。受粉は主に昆虫(ハチ類など)によって行われ、果実は初夏から夏にかけて成熟します。果実の外皮は地域や個体によって多少トゲ状になる場合がありますが、多くは堅い殻に包まれ、中の種子は光沢のある茶色で直径2~3cm程度、1個または複数が入っています。この種子が俗にいうバックアイです。名前の由来は、アメリカ先住民がバック(雄の鹿)の目に似ていると考えたことによります。
毒性と安全性
バックアイの種子および他部位には毒成分が含まれているため、生食は避ける必要があります。主な毒性成分にはエスクリン(aesculin)やサポニン類(aescin など)が含まれ、摂取すると消化器症状(嘔吐、下痢)、虚弱、筋肉の麻痺などを引き起こすことがあります。家畜(特に馬や牛、ヤギなど)にも有害で、誤食による中毒が報告されています。したがって、種子を手に入れた場合でも子どもやペットの届かない場所に保管し、口に入れないよう注意してください。木の実を無加工で食べることはできません。
利用と文化的背景
毒性のある種子ですが、その光沢のある外観から工芸品やお守り、装飾用として利用されることがあります。北米では研磨してアクセサリーにしたり、「幸運の石」として携帯されたりします。また、オハイオ州では州の象徴的な樹木として知られ、オハイオ州の州木であり、オハイオ州立大学のマスコットや学生たちの愛称にもなっています。伝統的に一部の先住民は特別な処理をしたうえで薬用や種子の利用を行ったという記録もありますが、処理には専門的な知識が必要で、安全性が保証されるものではありません。
園芸と管理
- 栽培環境:肥沃で水はけのよい土壌を好みますが、ある程度の湿気のある場所や半日陰にも耐えます。街路樹や庭園のシンボルツリーとして利用されることが多いです。
- 繁殖:主に種子まきで増やします。種子は採取後まもなく播種するか、寒冷層積(冷蔵処理)を行うと発芽率が上がります。
- 病害虫:葉の斑点病や葉虫、コナジラミ・カイガラムシなどの害虫が発生することがあり、葉の落ちや樹勢低下の原因になることがあります。適切な衛生管理と必要に応じた防除が有効です。
注意点と保全
地域によっては生息地の開発や森林の減少により局所的に数が減少している場所もありますが、広域的には一般的な樹種で、現時点で絶滅危惧に瀕しているという評価は限定的です。ただし、植栽・管理にあたっては周囲の生態系や家畜・子どもの安全を考慮してください。
まとめると、Aesculus glabra(オハイオバックアイ)は、春に黄色い花を咲かせる中型の落葉樹で、特徴的な光沢のある種子(バックアイ)をつけます。美観上や文化的に価値がある一方で、種子や葉には毒性があるため注意が必要です。

Aesculus glabraの木から採れる3つのバックアイナッツ
質問と回答
Q: Aesculus glabraとは何ですか?
A: Aesculus glabraは、オハイオバッカイと呼ばれる樹木の一種です。
Q:オハイオ・バックアイの木の高さはどのくらいですか?
A: オハイオ・バックアイは、高さ15メートルから25メートルに成長します。
Q: オハイオ・バックアイは北米のどの州で見られますか?
A:オハイオ・バックアイは、ペンシルベニア、オハイオ、ネブラスカ、テキサス、ジョージアなど、北米東部のいくつかの州で見ることができます。また、オンタリオ州の南西部でも栽培されています。
Q: バッキーアイの葉はどのような形をしていますか?
A: オハイオ・バックアイの葉は5枚か7枚で、大きさは8cmから16cmです。
Q: バッキーアイの花はいつ咲くのですか?
A: オハイオ・バックアイの木は、春に黄色い花を咲かせます。
Q: オハイオ・バックアイの木が実らせる果実は何ですか、またそれは何と呼ばれていますか?
A: バッキーアイの木の実は、小さな殻の中に1~3個の実が入っていて、バッキーと呼ばれています。
Q:バッキーは人間が食べることができますか?
A: バッキーには酸が含まれているので、人間が食べることはできません。
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