ブラックアダーIIは、BBCのシットコム『ブラックアダー』の第2シリーズである。リチャード・カーティスとベン・エルトンが脚本を担当した。1986年1月9日から2月20日まで放送された。シリーズの舞台はエリザベス1世(1558-1603)の時代のイギリスである。主人公のエドマンド、ブラックアダー卿はチューダー朝の廷臣で、女王の寵愛を得ようとする一方で、多くの求婚者の運命を避けようとしている。

制作と特色

第2シリーズでは前作からいくつかの制作面・作風面での変更が行われた。もっとも大きな変更は脚本チームで、前作で脚本に関わっていたローワン・アトキンソンに代わりベン・エルトンがリチャード・カーティスと共に脚本を担当した点である。その結果、会話劇としての鋭いウィットや風刺が強調され、台詞回しがよりテンポ良く、ブラックユーモアが際立つ作風に一層磨きがかかった。

またロケ撮影中心だった第1シリーズとは異なり、第2シリーズは主にスタジオ収録(ライブ観客を入れての収録)で行われ、舞台劇に近い演出が採用された。これによりセットや衣裳を活かした舞台的なコメディが展開される一方で、登場人物同士の掛け合いに重点が置かれている。

登場人物と演出の変化

主人公ブラックアダーは第1シリーズに比べてより狡猾でマキャベリ的な性格に描かれるようになり、策略を巡らせて出世や安全を図る役どころが強調された。同時に、従者のボールドリック(Baldrick)は第1シリーズより知的レベルが低く、コミカルな“愚か者”としての役回りが濃くなり、ブラックアダーとの対比で笑いを生む構図が明確になった。

また、モチーフとしては宮廷生活や権力争い、女王の気まぐれや当時の慣習を風刺するエピソードが中心となり、歴史的事実と意図的な時代錯誤(anachronism)を混ぜ合わせたブラックユーモアが特徴である。

評価と影響

放送当時、本作は批評家や観客から高い評価を受け、特に台詞の機知や登場人物の魅力が支持された。その後のシリーズ(例えば『ブラックアダーIII』『ブラックアダー 戦争』など)にも繋がるスタイルを確立した作品とされ、イギリスのコメディ史において重要な位置を占めている。主要キャストの演技や脚本のテンポ、時代劇を利用した風刺は現在でも語り継がれている。

シリーズは現在も再放送や配信で紹介されることが多く、ブラックアダー系列の中でも代表作の一つと見なされている。