Sebastian Newbold Coe, Baron Coe CH KBE(1956年9月29日生まれ、「セブ・コー」の愛称で親しまれている)は、イギリスの元陸上競技選手、政治家です。中距離走者であるコーは、オリンピックで1980年と1984年に1500mの金メダルを獲得しました。屋外で8つ、屋内で3つの世界記録を樹立し、800m、1000m、1500m、マイルなど中距離種目で長年にわたり世界のトップに君臨しました。史上最も偉大な中距離ランナーの一人として広く評価されています。
競技面では、同時代のライバルであるスティーブ・オーヴェットやスティーヴ・クラムらとしばしば比較され、英国中距離界に「黄金時代」を築きました。戦術眼とラストスパートでの強さを兼ね備え、数多くのビッグレースで名勝負を演じたことでも知られています。
引退後のキャリアでは、1992年から1997年まで保守党所属の国会議員を務め、その後もスポーツ行政と公共サービスの両面で活躍しました。2000年には終身貴族として議員に就任し、以降はスポーツ政策やイベント運営に深く関わってきました。2012年夏季オリンピックのロンドン招致活動では責任者を務め、国際オリンピック委員会がロンドン開催を決定した後はロンドンオリンピック組織委員会(LOCOG)の会長に就任し、大会の招致から開催、遺産(レガシー)づくりまでを指揮しました。
国際的な陸上競技団体でも要職を歴任し、2007年には国際陸上競技連盟(IAAF、現・World Athletics)の副会長に選出されました。さらに2015年にはIAAFの会長に就任し、競技運営の透明性向上やドーピング対策の強化などの改革を推進しました。これらの活動により、スポーツ行政におけるリーダーシップが高く評価されています。
栄誉と私生活— コーは長年にわたる競技者・行政家としての功績により数々の勲章や称号を受けており、公式にはBaron Coeとして知られます。教育・地域サービスにも関心が深く、大学の名誉職や慈善活動を通じて若手育成やスポーツ振興にも力を注いでいます。
総じて、セブ・コーは競技者としての輝かしい成績に加え、政治家・スポーツ行政家としても大きな影響を与えた人物です。競技の名勝負や世界記録だけでなく、ロンドン五輪の成功や国際陸上界の改革を通じて、現代スポーツの発展に貢献してきました。