トーマス・クアストフ
トーマス・クアストホフ(Thomas Quasthoff、1959年11月9日ドイツ・ヒルデスハイム生まれ)は、ドイツのバスバリトン歌手である。現在、最も優れた歌手の一人と考えられている。身体に障害があるため、音楽教育を受けることは容易でなかった。しかし、ドイツ歌曲(リート)を歌う世界最高の歌手の一人となり、また、バロック音楽、オペラ、ジャズなど幅広いスタイルを歌いこなす。
トーマス・クアストフ
ライフ
クワスホフはドイツのヒルデスハイムで生まれた。母親が妊娠中にサリドマイドという薬を飲んでいたため、トーマスは身体的なハンディキャップを持って生まれてきた。手はヒレ状で腕がなく、足も非常に短い。
クワストフさんは、音楽院で音楽を学びたかったのだが、「音大生は全員ピアノを弾かなければならない」という決まりがあり、それが許されなかった。しかし、クワストフさんは、音楽院で音楽を学びたかった。
クワストフ氏は、個人的に歌を勉強することにした。学校卒業後、大学へ進学し、法律を学んだ。3年間勉強した後、音楽の道に進むことにした。最初はラジオのアナウンサーとして働いていた。オラトリオを歌う経験もした。そして1988年、ミュンヘンのARD国際音楽コンクールで優勝する。ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウをはじめ、多くの人が彼の歌に感銘を受けた。リート歌手として知られるようになった。1995年、初めてアメリカで歌う。2000年のグラミー賞(最優秀クラシック声楽賞)をはじめ、多くの賞を受賞した。メゾソプラノのアンネ・ゾフィー・フォン・オッターと共演したマーラーの《デーヴンダーホルン》がその対象である。クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団との共演であった。シューベルト、ブラームス、リストの歌曲や、バッハのカンタータの歌唱で賞を獲得した。
クァストホフはベルリンのハンス・アイスラー音楽学校で歌唱を教えている。ロンドンのバービカン・ホールでアーティスト・イン・レジデンスを務める。50歳の誕生日を記念して「Die Stimme」(声)というシリーズを制作した。2006年に出版された自伝のタイトルにもなっている。