サー・アーサー・チャールズ・クラークサマセット州マインヘッド - 2008年3月19日、スリランカ・コロンボ)は、イギリスの作家であり、また著名な発明家である。特にSF小説と科学思想の普及で知られ、代表作は2001年宇宙の旅(小説)で、同作の映画化ではスタンリー・キューブリック監督と共同で脚本・構想を練ったことでも広く知られている。クラークとアイザック・アシモフは、20世紀を代表するSF作家の二人と見なされることが多い。
主要な作品
クラークの長編・中編作品には、次のような重要作がある:幼年期の終り(原題 Childhood's End)、A Fall of Moondust、The Songs of Distant Earth、The Sands of Mars、および短編の名作Meeting with Medusaなど。これらに加えて多くの短編小説を書き、科学や未来についてのノンフィクションやエッセイも数多く残した。彼の言葉として知られる「クラークの三法則」などは、科学と空想の境界についての洞察として広く引用されている。
経歴と業績
クラークは第二次大戦中の1941年から1946年まで英国空軍でレーダーの教官および技術者として勤務し、戦後は科学技術と宇宙探査の普及に力を注いだ。1945年には遠隔通信のための衛星を用いる構想を提案し(当時の論文は「Extra-Terrestrial Relays」などで発表)、将来の人工衛星通信の基礎を築いた。この概念は後に静止軌道(いわゆる「クラーク軌道」)として知られるようになった。
学会活動にも積極的で、1947年から1950年まで英国惑星間学会の会長を務め、1953年にも再び同学会の会長職を務めた。創作活動と並行して、SFと宇宙開発を一般向けに解説する書き物や講演で大衆の理解を広げた。
スリランカ移住と栄誉
クラークはダイビングを好み、特にスキューバダイビングに深い関心を持っていた。1956年にスリランカに移住し、同国のトリンコマリー近郊で古代のコネスワラム寺院の水中遺跡を発見するなど、地元の自然と文化に深く関わった。以後、生涯を通じてスリランカを拠点に活動した。
彼の業績は国際的にも評価され、1998年にはエリザベス女王2世からナイト爵を授与され、2005年にはスリランカ政府より同国最高の市民栄誉であるスリランカ・ランカビマーニャを受章した。
遺産と影響
クラークはSF作家としてだけでなく、未来技術の予見者・普及者としても大きな影響を残した。衛星通信や宇宙探査に関する先見的な提言、映画や放送を通じた科学普及、数々の短編と長編を通じて培った豊かな想像力は、多くの科学者・作家・映画制作者に影響を与え続けている。英国のSF賞「Arthur C. Clarke Award」など、彼の名を冠した賞や記念も存在する。
クラークは2008年3月19日、心不全と呼吸不全で90歳で亡くなったが、その著作と提言は現在も広く読み継がれている。

