ほとんどの軍隊では、ブレベとは、給与の増加や完全な特権を伴わない上位の階級への昇進のことである。多くの場合、名誉として与えられる。これはアメリカ独立戦争中にイギリスから借用した用語で、大陸軍で使用されていた。それ以来、米国議会はいくつかの理由でブレビト階級を付与している。その中には、ブリーブとなった階級の高い給与を将校が受け取った例もある。ブレベという言葉はラテン語のbreveとbreviaに由来し法律上の簡略書を意味する。

定義と基本的な性質

一般に「ブレベ(brevet)」は、本来の階級(実階級、substantive rank)とは別に名誉的または臨時的に与えられる上位階級を指す。通常は地位の名称を与えるが、必ずしも恒常的な給与や指揮権を伴わない点が特徴である。ブレベは次の点で他の昇進類型と区別される:

  • 給与(ペイ)は支払われないか、実際にその階級で勤務する場合のみ支払われることがある。
  • 恒常的な職務権限(コマンド権)は与えられないか限定的である。実際の指揮は別途任命されることが多い。
  • 名誉・功績の承認、戦時の臨時処置、あるいは士官の序列調整など複数の目的で付与される。

歴史的経緯(イギリス・アメリカ中心)

「ブレベ」という制度はヨーロッパの軍制や慣行から派生し、英米の軍隊で広く使われた。アメリカでは独立戦争期にイギリス由来の慣行が取り入れられ、大陸軍でも用いられた。19世紀から19世紀後半にかけては、戦時中に功績を称えて多数のブレベ昇進が行われたことが知られている。

特に米英両国での重要な実例:

  • 米国:南北戦争(アメリカ内戦)では、戦功や功績に対する表彰として大量のブレベ昇進が行われた。これにより士官は名目上の上位階級を与えられたが、実際の給与や職務は常に一致しなかった。19世紀末から20世紀初頭にかけては制度の乱用や混乱も指摘され、第一次世界大戦後を境に実務上の使用は縮小された。
  • 英国:イギリス陸軍でもブレベ(brevet commission)は用いられ、序列(precedence)の調整や名誉的昇進の手段となった。19世紀の軍制改革や階級制度の見直しを経て、その運用は変化したが、長く慣行として残った。

付与される主な理由と効果

  • 戦時の功績(勇敢な行為、戦功)を称えるための名誉昇進。
  • 優れた業績・長年の奉仕に対する栄誉。
  • 一時的に上級職務を遂行する必要がある場合の便宜(ただし「acting」「temporary」「local rank」との区別が重要)。
  • 序列や礼遇(儀礼上の地位)を与えることで組織内の扱いを変える場合。

効果としては、儀礼上の敬称や行事での序列に影響するが、恒常的な給与・法的権限を伴わないことが多い。例外的に、ブレベ階級に応じた待遇が現職務に照らして支給されるケースもある。

ブレベと類似概念との違い

  • Acting(代行)/Temporary(臨時)/Local(現地)Rank:これらは通常、実際の職務権限と対応する給与を伴い、その期間中はその階級としての権限を行使する点でブレベと異なる。ブレベは名誉的であることが多い。
  • Substantive rank(実階級):正式な恒久的昇進であり、給与・権限・序列すべてに反映される。ブレベはこれとは別枠。
  • Honorary rank(名誉階級):多くはブレベに近い概念だが、国や時代によって法的効果や運用方法が異なる。

近代における変化と現在の扱い

20世紀に入り、軍のプロフェッショナル化や人事制度の整備に伴って、ブレベのような名誉昇進の運用は縮小・整理された国が多い。米軍では、19世紀から第一次世界大戦期にかけて頻繁に用いられたが、戦後は実務上ほとんど使われなくなった。現代では「名誉称号」や「一時昇進(acting rank)」など、より明確な区分で代替されることが多い。

一方で、フランス語圏などでは「brevet」は軍用の資格証(例:パラシュートブレベ=落下傘兵資格)など、必ずしも階級昇進だけを意味しない専門用語として残っている。

まとめ

ブレベは、名誉的・臨時的に上位階級の称号を与える制度で、給与・権限・序列のうち必ずしもすべてが伴わない点が特徴である。歴史的には英米の軍隊で広く使われ、戦時の功績を称える手段として重要な役割を果たしたが、近代以降は各国で制度が整理され、運用は縮小している。現代では「名誉昇進」や「一時的な職務付与」といった別の人事手法で代替されることが多い。