"Call Me Maybe"は、カナダのシンガーソングライター、カーリー・ライ・ジェプセンの曲で、彼女のEP『Curiosity』(2012年)の1曲目、2ndアルバム『Kiss』(2012年)の3曲目に収録されています。ジェプセンとタヴィッシュ・クロウが当初はフォーク風の楽曲として書き下ろしましたが、ジョシュ・ラムジーのプロデュースによりサウンドはポップスに変更され、キャッチーなメロディとシンプルな歌詞で幅広い聴衆に受け入れられる楽曲へと生まれ変わりました。2011年9月20日にEPからのファースト・シングルとして604 Recordsからリリースされ、その後ジェプセンはスクールボーイ・レコードと契約しアメリカでもリリースされました。歌詞は一目惚れと勇気を出して連絡先を渡すという若い恋の瞬間をテーマにしています。

制作と曲の特徴

楽曲は短いフレーズと繰り返しを効果的に用いたシンプルな構成が特徴で、聴き手に強い印象を残します。アコースティックな着想からポップスへとアレンジされたプロダクションは、明るく躍動感のあるリズムとシンセサイザーを組み合わせ、ラジオ向けの洗練されたサウンドに仕上がっています。歌詞は第一人称の視点で一目惚れのときのときめきと躊躇をストレートに表現しており、世代を問わず共感を呼びました。

ミュージックビデオとプロモーション

ミュージックビデオは、ベン・ニーチェルが監督を務め、<主人公のカーリーが魅力的な少年の注目を集めようとする>というコメディタッチの物語が描かれています。ビデオの最後でその少年が実は男性バンドメンバーに惹かれていることが明かされるオチがあり、軽妙な演出が話題になりました。ビデオは公開後に短期間で高い視聴数を記録し、楽曲のヴァイラル化に大きく寄与しました。

この曲のプロモーションとして、カーリー・ライ・ジェプセンはThe Ellen DeGeneres Showで初めてアメリカのテレビ出演を果たし生パフォーマンスを行いました。また2012年のビルボード・ミュージック・アワードでも歌唱し、メディア露出が一気に増えたことが国際的な成功につながりました。

チャート成績と売上

"オーストラリア、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ハンガリー、アイルランドルクセンブルグ、ニュージーランド、ポーランド、スロバキア、スイス、イギリス、アメリカでチャート1位を獲得。オーストリア、ベルギー(フランドル&ワローニャ)、ドイツ、イスラエル、日本、オランダ、ノルウェー、スウェーデンでトップ3入りを果たしました。"Call Me Maybe"は2007年以来、カナダのホット100で5人目のカナダ人アーティストとして1位を獲得し、アメリカでもカナダ人女性アーティストとしてのビルボードホット100首位は2007年のAvril Lavigneの"Girlfriend"以来の偉業でした。

商業的にも大成功を収め、2012年には世界で約1,200万枚以上を売り上げ、その年の世界で最も売れた曲の一つとなりました。さらに2012年におけるiTunes Storeで最も売れたシングルとなり、後に2015年7月までに1800万枚以上のセールスを記録したと報告されています。これにより、女性アーティストによる21世紀の最も売れた曲のひとつとして位置づけられました。また、2012年のビルボード年間ランキングでは、Hot 100 Songs、Digital Songs、Canadian Hot 100の各チャートでいずれもトップに迫る高順位(いずれも2位)を記録し、同年トップのGotye「Somebody That I Used to Know」(フィーチャリングキンブラ)に次ぐ存在となりました。

カバー、パロディ、文化的影響

楽曲のヒットにより多くの著名アーティストやメディアで取り上げられました。ケリー・クラークソンファン(Fun)、ビッグ・タイム・ラッシュ、リル・ウェイン、コーディ・シンプソンなどによりカバーされ、テレビドラマ『Glee』の第4シーズン第1話"The New Rachel"でも歌われました。また、クッキーモンスターやナショナル・パブリック・ラジオのニューススタッフによるパロディも制作され、SNSや動画共有サービスで多数のリップシンク/パロディ動画が拡散するなど、ポップカルチャーに大きな影響を与えました。

受賞と評価

"Call Me Maybe"は2013年のグラミー賞で2部門(ソング・オブ・ザ・イヤー、ベスト・ポップ・ソロ・パフォーマンス)にノミネートされました。2012年12月11日にはMTVの2012年ソング・オブ・ザ・イヤーに選ばれるなど、音楽業界からの評価も高く、年度を代表するポップソングとして広く認識されました。

総評

「Call Me Maybe」はシンプルで覚えやすいメロディと、誰もが共感しうるテーマを持った楽曲として、単なる一時的なヒットにとどまらず、SNS時代のヴァイラルヒットの代表例となりました。カーリー・ライ・ジェプセンにとっては国際的ブレイクのきっかけとなり、その後の活動にも大きな弾みをつけた曲です。