チガー(ツツガムシ)とは — 生態・症状・かゆみと予防対策をやさしく解説
チガー(ツツガムシ)の生態・かゆみの原因と症状、効果的な予防策をやさしく解説。刺された後の対処法や発生時期もわかりやすく紹介。
チガーは、背の高い草むらに生息する小型の寄生ダニで、学名ではTrombiculidaeという大きな科に属します。幼虫期に人や動物に取りつき、皮膚を刺激して強いかゆみや局所的な炎症(接触皮膚炎)を引き起こします。外見は真っ赤なものから茶色っぽいものまであり、非常に小さいため肉眼で確認するのは難しいことが多いです。
生息場所と季節
チガーは湿った低地や植物が茂った境界域を好みます。具体的には、森林や草原に、森林の縁、ベリーブッシュや果樹園、湖や小川沿いの湿った場所、さらには芝生やゴルフコース、公園などの草地でも見られます。雑草や草が茂る初夏に個体数が増える傾向があります。
生活史(ライフサイクル)
トロムブリク科のダニは卵→幼虫→若虫(ニンフ)→成虫という段階を経ますが、人や動物を吸血するのは「幼虫期」のみ」です。幼虫は草むらに待ち伏せしていて、通りかかった哺乳類や鳥類に付着して皮膚上の角質や細胞液を吸います。若虫・成虫は土中で小さな節足動物などを捕食するため、寄生性ではありません。
かまれたときの症状
チガーに咬まれると、多くの場合咬傷部位に赤い斑点や小さな丘疹が2〜3時間で現れ、数日から数週間続くことがあります。かゆみは強く、夜間に悪化することがよくあります。特に脇の下、膝の裏、性器などの皮膚のしわや高温で湿った部位に好んで付着します。
北米で広く知られる種にはアメリカ南東部や湿度の高い中西部、メキシコに生息するTrombicula alfreddugesiがあり、イギリスでは「収穫ダニ」と呼ばれるTrombicula autumnalisが一般的で、西ヨーロッパから東アジアに分布します。
かゆみの原因と特徴
チガーの幼虫は皮膚に噛みついて組織を溶かす唾液(消化酵素)を注入し、その影響で強いかゆみと局所的な炎症が生じます。誤解されやすい点として、チガーが皮膚の中に潜り込む(皮膚下に侵入する)わけではなく、皮膚表面で吸汁するだけです。また、掻き壊しによる細菌二次感染に注意が必要です。
かまれたときの対処法
- まずは衣服についた幼虫を振り落とし、可能なら屋外で衣類をはたいてから入室する。
- 患部は流水と石けんでよく洗い、ぬるま湯でこするように洗浄すると刺激物が落ちやすくなります。
- 皮膚に付着した幼虫を無理に押しつぶしたり掻き壊したりしない。粘着テープで取り除く方法や、流水とやさしいブラッシングで落とすのが安全です。
- かゆみには、局所用ステロイド外用薬(市販の弱いものでも効果あり)や抗ヒスタミン内服が有効です。市販薬で改善がない場合は医師に相談してください。
- 掻き壊して化膿(膿が出る、赤みや熱感が強い)している場合は医療機関で抗生物質の処方が必要になることがあります。
予防対策(外出前・外出中・帰宅後)
- 長袖・長ズボンを着用し、ズボンの裾を靴下に入れる。肌の露出を減らすことが基本です。
- 肌や衣類に使える虫よけ剤を活用する。DEETやイカリジン(picaridin)は有効です。衣類には市販のpermethrin(ピレスロイド系)処理が特に有効ですが、permethrinは衣類専用で肌には塗らないでください。
- 草むらや藪の中を歩くときはトレイル中心を歩き、座るときはシートを敷くなど直接接触を避ける。
- 屋外活動後はシャワーを浴び、洗濯可能な衣類は高温で洗濯・乾燥して幼虫を除去する。
- 芝刈りや庭の整備をするときは手袋や長靴を着用し、作業後は衣類をよくはたくか洗濯する。
注意すべき感染症(領域による)
一部の地域(主にアジア太平洋地域)では、チガーに媒介される病原体によって発病するツツガムシ病(Scrub typhus、原因菌はOrientia tsutsugamushi)が問題になります。日本や東南アジアではこの病気が知られており、発熱・頭痛・発疹・リンパ節腫脹などの全身症状が出ることがあります。もし発熱や全身症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。北米やヨーロッパの一般的なチガー種は通常ツツガムシ病を媒介しないとされていますが、地域差があるため心配な症状があれば受診を。
医療機関を受診すべき場合
- 発熱、倦怠感、全身の筋肉痛、頭痛、発疹などの全身症状があるとき
- かゆみで睡眠や日常生活に支障が出るほど強いとき
- 掻き壊して化膿している、赤みや熱感が強く広がるとき
- 免疫抑制状態にある人や高齢者、乳幼児で症状が出たとき
よくある誤解
- 「チガーが皮膚の中に入る」:実際には皮膚内に浸入せず、表皮表面で吸汁します。
- 「すべてのチガーがツツガムシ病を媒介する」:地域と種によります。アジア太平洋では注意が必要ですが、北米などでは一般的に媒介しません。
まとめると、チガーによる被害は主に幼虫の咬傷による強いかゆみと局所炎症です。草むらでの予防(服装・防虫剤・行動)と、被咬後の早めの洗浄・適切なかゆみ対処が大切です。全身症状や化膿などがある場合は無理せず医療機関を受診してください。
曝露から36時間後のチガーの発疹
質問と回答
Q:チガーとは何ですか?
A:チガーとは、トビムシ科に属する、背の高い草に寄生する小さなダニのことです。
Q:チガーはどのような姿をしていますか?
A:チャタテムシは、鮮やかな赤色から茶色まで、肉眼ではほとんど見えないほど小さな虫です。
Q: チガーに噛まれてから、どのくらいの時間がかかりますか?
A: Chigger bitesは通常、刺されてから2~3時間後に現れます。
Q: Chiggerは通常どこに噛み付きますか?
A: Chiggerは通常、脇の下、膝下、生殖器など、高温で湿った場所に噛み付きます。
Q: チガーはどこに生息していますか?
A: ニワトリは森林や草地、森林やベリーの茂みなどの低湿地帯、湖や小川、芝生、ゴルフコース、公園などに生息しています。
Q: 最も多く発生するのはいつですか?
A: チガーは、草や雑草などの植生が最も繁茂する初夏に最も多く発生します。
Q: 北米で一般的なチガーはどのような種類ですか?
A: 北米で最も一般的なチガーは、噛みつきの強い Trombicula alfreddugesi で、米国南東部、中西部の湿度の高い地域、メキシコに生息していま す。
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