概要

キュレネは、木星を公転する多数の小さな不規則衛星の一つである。木星 XLVIII として登録され、暫定的には S/2003 J 13 という呼称を持つ。大きな規則衛星とは異なり、キュレネは非常に小さく(直径はおよそ 2 キロメートル)、木星の周囲を遠く離れた、傾いた、そして逆行する軌道で回っている。一般には、その場で形成された衛星というより、木星に捕獲された、あるいは破片化した天体群の一部として研究される。木星の衛星全体の背景については 木星の衛星 を参照。

発見と名称

キュレネは 2003 年、スコット・S・シェパード率いるハワイ大学のチームによって発見された。発見報告では、発見チームと観測条件が示されている。正式な発見者の所属はしばしば ハワイ大学 のチームとして引用され、スコット・S・シェパード のような個々の研究者も一般に功績を認められている。小さな外側衛星に対する標準的な扱いとして、神話に基づく名称が与えられるまで、この天体は暫定名 S/2003 J 13 で呼ばれた。

軌道と物理的特徴

キュレネは木星から平均約 23,396,000 キロメートルの距離を公転し、公転周期は約 731.1 日である。軌道はかなり離心しており(離心率は約 0.4116)、黄道面に対しておよそ 140° 傾いているため、木星の自転に対しては逆行運動となる。軌道要素と関連用語の要約は 軌道、黄道、離心率 を参照。天体は小さく非球形で、その明るさや形状は、丸い衛星ではなく数キロメートル級の不規則な天体であることを示している(非球形)。

名称と神話的由来

2005 年 3 月、国際天文学連合はギリシア神話に由来するキュレネという名を与えた。キュレネはニンフであり、ナイアス(水のニンフ)または オレイアス(山のニンフ)と説明されることもある。彼女は地理的には キュリニ山 と結び付けられ、これは ギリシャ にある。神話では彼女はゼウス(木星)と関係づけられており、これは木星の衛星にゼウス/木星に関連する人物名を付けるという IAU の慣例に沿う。

グループ所属と起源

キュレネはパシパエ群の一員として分類される。この समूहは、似た距離と傾斜角で周回する不規則な逆行木星衛星の集合である。群の概要は パシパエ群 にまとめられているが、軌道距離の範囲はある程度似通っており、逆行の傾斜も共通しているため、ある天体が捕獲され、その後に衝突で破砕されたという共通起源が示唆される。その運動が逆行であることは 逆行 という分類で強調され、この集団の多くは、大きな完全な衛星ではなく、小さな不規則な破片である。

キュレネの観測と意義

キュレネは暗く小さいため、大型望遠鏡と高感度検出器でしか観測しにくい。こうした遠方の暗い衛星を追跡することは、木星の衛星系や太陽系における捕獲過程のモデルを洗練させる助けになる。光度曲線、軌道、分光特性を明らかにする観測は、他のパシパエ群天体との関係や、衝突あるいは捕獲の歴史を読み解く手がかりとなる。基本的な参照やカタログ項目としては、木星の衛星 と、ハワイ大学 のような発見チーム、そして スコット・S・シェパード のような研究者による観測要約がある。