殊勲十字章(略称:DSC)は、アメリカ陸軍の隊員に与えられる軍事賞の中で二番目に高い勲章です。通常は敵軍との実戦において、重大な危険を顧みず、任務達成に決定的に寄与する極めて勇敢な行動を行った場合に授与されます。授与基準は、他のすべての米軍戦闘章に要求される水準を超えるものであるが、名誉勲章(Medal of Honor)ほどの基準には達しないものと位置づけられています。
概要と歴史
殊勲十字章は第一次世界大戦中に創設され、その後の大戦や地域紛争、現代の戦闘行動においても授与されています。受章は個々の英雄的行為に対して行われ、戦闘中の顕著な勇気や自己犠牲が評価されます。授与は生前だけでなく、戦死後の追贈(追悼授与)として行われることもあります。
授与基準と手続き
- 対象:主に陸軍の現役・予備役・国防州兵(National Guard)兵士が対象。ただし、状況により外国軍人や他軍種の隊員が陸軍によって受章する例もある。
- 基準:敵との戦闘行為において、明確で顕著な勇敢さを示し、部隊の任務達成や戦術的・戦略的成果に重大な影響を与えた行為。
- 手続き:上級指揮官による推薦を経て、行政上の審査と承認を受けて授与される。必要に応じて事実関係の調査や証言の収集が行われる。
- 複数受章:同一人物が複数回受章した場合、陸軍ではオークリーフ・クラスターで表される(他軍種は異なる表示方法を使用)。
外見と象徴
外見は十字型のメダルで、中央に米国を象徴する意匠(鷲や月桂など)をあしらうなど、勇気と栄誉を表すデザインが施されています。リボンやメダルの細部は変遷がありますが、いずれも勇敢な行為を視覚的に示す伝統的な様式となっています。
他軍種との関係
陸軍の殊勲十字章は、海軍・海兵隊の海軍十字章(海軍・海兵隊用)、空軍の空軍十字章、沿岸警備隊の沿岸警備隊十字章と並び、それぞれの軍種で戦闘における第二位の高位勲章として位置づけられています。これらは互いに同等(イコール)の栄誉と見なされますが、授与手続きや表示方法(例:オークリーフ・クラスター vs. ゴールドスター等)は軍種ごとに異なります。
実務上の注意点と事例
- 追贈:戦死者に対する追贈が行われることがあり、遺族に授与される。
- 見直しと格上げ:歴史的に、ある受章事例が再検討され名誉勲章へ格上げされることもある(史料調査や復権評議の結果に基づく)。
- 公開例:第一次世界大戦、第二次世界大戦、ベトナム戦争、湾岸戦争、対テロ戦などで多くの受章者が出ている。
殊勲十字章は陸軍における勇気の象徴であり、部隊と国家のために危険を冒して行動した兵士たちの勇敢さを公式に認める重要な勲章です。


