エドワード・アビーとは|南西部を描く作家、『砂漠のソリティア』と生涯

エドワード・アビーの生涯と代表作『砂漠のソリティア』で辿る南西部の自然観と反骨の作家像

著者: Leandro Alegsa

エドワード・アビーはアメリカ出身の作家で、特にアメリカ南西部の自然と文化を描いた作品で知られています。1927年1月29日、アメリカのペンシルバニア州(ピッツバーグ近郊)の小さな町で生まれ、少年期を山間部で過ごしました。成人してからは主にニューメキシコ州、アリゾナ州、ユタ州で暮らし、南西部の荒野や砂漠、国立公園を題材にした多数の著作を残しました。1989年3月14日に没し、アリゾナの砂漠に埋葬されました。

若年期と軍役、教育

二次世界大戦中、アビーは高校生でした。戦争末期にはアメリカ西部を見て回るためにヒッチハイクの旅に出た経験があり、そのときにアリゾナやニューメキシコの風景に強く惹かれます。戦争終盤に入隊し、イタリアに憲兵として駐留しました。帰国後はニューメキシコ州で大学の学位を取得し、その後に作家としての活動を本格化させます。

作家としての出発と初期の小説

アビーの最初の小説はジョナサン・トロイ(Jonathan Troy)でしたが、商業的成功はおさめられませんでした。続く勇敢なカウボーイThe Brave Cowboy)は評判を得て、彼を西部劇の作家として知らしめます。この作品は映画化され、邦題などでは「ロンリー」などのタイトルで紹介されることもありました。続く山の上の火Fire on the Mountain)やそれに関連する作品群では、伝統的なアメリカ西部を愛しつつ現代化に戸惑うカウボーイの姿が描かれます。

パークレンジャーと『砂漠のソリティア』

短期間ニュージャージーに住んだ時期もありましたが、南西部への思いが強く、再び砂漠地帯へ戻りました。ユタ州ではパークレンジャーとして国立公園で働いた経験があり、その体験を基に書かれた紀行・自然随筆が名高いです。特に4冊目の著作であるデザート・ソリティアDesert Solitaire、邦題『砂漠のソリティア』)は1960年代に刊行されるとベストセラーになり、彼を人気のあるネイチャーライターに押し上げました。

また、アリゾナ州のグランドキャニオンでは火の見張り役として働き、他の国立公園でもパークレンジャーとして自然観察や保護に携わりました。こうした現場での体験と鋭い観察眼が、彼の文章に生き生きとした描写と強い情熱を与えています。

主要な作品とテーマ

砂漠のソリティア』の成功後、アビーは複数の自然エッセイ集や紀行文を書き続けました。代表的な作品には、The Journey HomeAbbey's RoadDown the RiverBeyond the WallOne Life At a Time, Pleaseなどがあります。これらは荒野との深い交感、孤独、自然への賛美と怒り、文明と開発への批判を主題としています。

小説面では、前述の勇敢なカウボーイ山の上の火に続き、グランドキャニオンの火の見張り番を主人公にしたブラック・サン(Black Sun)といった作品があり、恋愛や喪失、荒野と人間の関係を扱っています。また、彼の最も物議を醸した小説の一つに、南西部の開発を阻止するために破壊工作を用いる4人を描いた猿のレンチギャングThe Monkey Wrench Gang)があります。この作品は環境保護運動に強い影響を与え、「モンキーレンチング(設備破壊)」という言葉や活動の思想的な源泉の一つになったと評されています。さらに、SF的要素を持つ「グッド・ニュース」など、多彩なジャンルに挑戦しました。

晩年と遺産

彼の晩年の長編には『The Fool's Progress』(自伝的要素の強い長編)や『Hayduke Lives』(The Monkey Wrench Gangの続編)があります。The Fool's Progressは晩年に発表された大作で、アビー自身の人生や信念を反映した物語として評価されます。『Hayduke Lives』は彼の死後に刊行され、モンキーレンチ的な精神を引き継ぎます。

アビーはその率直で挑発的な表現、自然保護に対する情熱、そして文明批判により支持を集める一方で、過激と受け取られる言動や性別・人種表現に関する批判も受けました。彼の作品は自然の美しさを讃えると同時に、開発主義や無秩序な環境破壊に対する強い警鐘を鳴らし、環境思想やアウトドア文化、現代アメリカ文学に大きな影響を与え続けています。

その他の注目点

  • 作風:簡潔かつ詩的な自然描写、辛辣なユーモアと怒りを伴う随筆的語り。
  • 影響:『猿のレンチギャング』は環境運動の一部の活動家に影響を与え、地元の保護運動や直接行動の議論を促した。
  • 評価:自然文学の古典とされる一方で、作家としての論争性も根強い。

エドワード・アビーは1989年にこの世を去りましたが、その作品と主張は南西部の荒野をめぐる議論や環境保護の思想に今なお大きな足跡を残しています。

質問と回答

Q:エドワード・ポール・アビーとは誰ですか?


A:エドワード・ポール・アビーはアメリカのネイチャー・ライターである。

Q:彼はいつ生まれ、いつ死んだのか?


A:1927年1月29日に生まれ、1989年3月14日に亡くなりました。

Q:彼の作品にはどのようなものがありますか?


A:「砂漠のソリティア」「黒い太陽」「家路」「愚者の進撃」「ヘイデュークの命」などの作品があります。

Q:どのようなジャンルの作品を書いていたのですか?


A:主にネイチャー・ライティングのジャンルで執筆していました。

Q: 生涯の大半をどこで過ごしたか?


A: 人生の大半をアメリカ南西部に住んでいました。

Q:エドワード・ポール・アビーは結婚していたのですか?


A: はい、1951年から1989年に亡くなるまで、クラーク・カートライト・アビーと結婚していました。

Q: エドワード・ポール・アビーには子供がいましたか?A: はい、クラーク・カートライト・アビーとの間に、アーロン・デヴィッド(1952年生まれ)、ジョシュア(1954年生まれ)、ジョン(1956年生まれ)の3人の子供がいます。


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