ドイツのプロテスタント福音教会(EKD)とは — 組織・歴史・信仰の概要

ドイツ福音教会(EKD)の組織構成・歴史・信仰をわかりやすく解説。改革派・ルター派・合同教会の特色と役割を簡潔に紹介。

著者: Leandro Alegsa

ドイツのプロテスタント福音教会(ドイツ語:Evangelische Kirche in Deutschland)は、20の地域教会から構成されている。この20は、改革派カルヴァン派)2教会、ルター派9教会、合同(ルター派・改革派)9教会で構成されています。

モラヴィア教会と福音改革派会衆連合は準会員です。

ドイツの福音主義教会は、英国国教会やローマ・カトリック教会のような教会ではありません。なぜなら、同じ信仰体系を持つ一つの大きな教会ではなく、会員が教会のサービスや礼拝を共有することができる教会の集まりだからです。

組織と構成

EKD(Evangelische Kirche in Deutschland)は単一の教義や中央集権的な組織を持つ教会ではなく、主に20の「地域教会(Landeskirchen)」の連合体です。各地域教会は独自の憲法、総会(シノード)、指導機関を持ち、教義や礼拝形式、組織運営には一定の幅があります。構成は前述の通り、改革派2、ルター派9、合同(ルター派と改革派が合流したもの)9、という分類です。

EKD全体には総会にあたる「シノード(Synode)」や執行機関となる評議会(Rat der EKD)があり、評議会の議長(Ratsvorsitzende/Ratsvorsitzender)が代表的な公的発言を行います。しかし、個々の地域教会の自治は強く、例えば司教制を採る教会もあれば、教会長(Landesbischof)や会長(Präses)を置く教会もあります。

歴史の概略

EKDの起源は16世紀の宗教改革に遡ります。マルティン・ルターやカルヴァンによる宗教改革の流れの中で、ドイツ各地にルター派や改革派の教会が形成されました。19世紀にはプロイセン王国を中心にルター派と改革派が合同した「合同教会(United Churches)」の動きもあり、これが現在の「合同教会」に影響を与えています。

現在のEKDは戦後に連合体として整備され、通常は1948年の成立がその基礎として挙げられます。第二次世界大戦前後の時期に教会の国家との関係やナチズム時代の対応(保承教会と告白教会の対立など)がドイツ福音主義教会の歴史に重要な影響を与え、その反省と再構築が戦後の組織化につながりました。

信仰と教義

EKDに属する教会は基本的にプロテスタントの福音的伝統(ルター派・改革派)に立っていますが、個々の教会間で礼拝形式や神学的な重点は異なります。代表的な特徴は次の通りです:

  • 聖書中心主義:聖書を信仰と生活の基盤とすることが共通の立場です。
  • 教理の柔軟性:ルターの教え(義認論)やカルヴァン派の影響を受けつつも、解釈や実践には幅があります。
  • 秘蹟(サクラメント):洗礼と聖餐(聖体)を主要な秘蹟として扱いますが、理解や典礼の細部は各教会で異なります。
  • 司祭・牧師の職:牧師職は聖職ですが、職の在り方や役割は地域教会ごとに異なります。多くの地域教会で女性の按手(按手礼による牧師任命)が認められています。

近年は女性の聖職者任用、同性カップルの祝福や結婚認定など、社会変化に応じた議論と対応が進んでおり、多くの地域教会で女性司祭の任命や同姓カップルのための祝祷が行われていますが、教会内での立場は一様ではありません。

礼拝・典礼

礼拝は説教(説教に基づく教化)を中心に、聖餐、賛美歌、祈り、聖書朗読などで構成されます。典礼は伝統的な形式を維持する教会もあれば、現代的で参加型の礼拝を重視する教会もあります。音楽はプロテスタントの礼拝で重要な位置を占め、教会音楽(ハイドン、バッハなどの伝統的作品や現代の賛美歌)が幅広く用いられています。

社会的役割と活動

EKDに属する教会は教会税(Kirchensteuer)制度を通じて資金を得ており、その収入は礼拝活動だけでなく、福祉、医療、教育など広範な社会サービス(Diakonie)に充てられます。教会系の慈善・福祉団体はドイツ国内で大きな役割を果たしており、養護、移民支援、教育、災害援助などに関与しています。

また、国家や社会に対する倫理的・道徳的コメントや公共政策への提言を行うこともあり、政治・社会問題に対して教会として見解を示す機会が多くあります。国際的にはルター世界連盟(Lutheran World Federation)や世界教会協議会(WCC)に参加しており、他教派とのエキュメニカルな対話も活発です。

現在の課題と展望

  • 会員数の減少:世俗化の進展により教会員数は全体として減少傾向にあり、教会税収入や信徒基盤の維持が課題です。
  • 多文化・多宗教の社会:移民や宗教的多様性の増加に対応する牧会的・社会的取り組みが求められています。
  • 歴史的反省:ナチズム時代の教会の対応など、過去の問題への理解と教育・記憶保持が続けられています。
  • 内部の神学的多様性:女性祭職、LGBTQ+に関する立場、礼拝様式などについての内部議論の調整と共存が課題です。

まとめ

EKDはドイツにおけるプロテスタント諸教会のゆるやかな連合体であり、歴史的にルター派・改革派・合同教会という多様な伝統を内包しています。単一の教会組織ではなく、各地域教会の自治を尊重しながら共通の課題に取り組む形で、公的発言、福祉活動、礼拝・教育を通じてドイツ社会に影響を与え続けています。現在は会員減少や社会変化への対応といった課題に直面しつつ、伝統と現代性のバランスを模索しています。

ドイツの福音主義教会Zoom
ドイツの福音主義教会

質問と回答

Q: ドイツ福音主義教会(EKD)とは何ですか?


A: ドイツ福音主義教会は、改革派(カルヴァン派)2教会、ルター派9教会、合同派(ルター派・改革派)9教会からなる20の地域教会のグループです。

Q: EKDの準会員とは何ですか?


A: EKDの準会員は、モラヴィア教会と福音改革派教会連合です。

Q: EKDは英国国教会やカトリック教会とどう違うのですか?


A: EKDは英国国教会やローマ・カトリック教会のような教会ではありません。なぜなら、EKDは同じ信仰体系を共有する一つの大きな教会ではなく、その代わりに、教会員が教会の礼拝や礼拝を共有することを認める教会の集まりだからです。

Q: EKDにはいくつの地域教会があるのですか?


A: EKDは20の地域教会で構成されています。

Q: EKDを構成する教派は?


A: EKDは、改革派(カルヴァン派)2教会、ルーテル派9教会、合同派(ルーテル派・改革派)9教会で構成されています。

Q: EKDの目的は何ですか?


A: EKDの目的は、ドイツ国内の異なるプロテスタント教派の教会員が教会の礼拝や礼拝を共有できるようにすることです。

Q: どの教会がEKDの準会員ですか?


A: EKDの準会員はモラヴィア教会と福音改革派教会連合です。


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