探査用上段(EUS)
探査用上段は、SLS Block 1B向けに計画された極低温上段で、4基のRL10エンジンとLH2/LOX推進剤を用い、月遷移や深宇宙ミッションのペイロード増強を担う。
探査用上段(EUS: Exploration Upper Stage)は、スペース・ローンチ・システム(SLS)のBlock 1B構成向けに開発された、極低温式の上段構想である。1段目分離後に真空中で作動するよう設計されており、既存のSLS上段に代わって、月遷移投入やその他の高エネルギー機動に対する能力を高める。初期のSLS飛行で用いられる暫定上段よりも大きな搭載能力と、より複雑な軌道を実現することが意図されている。
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1 画像設計と特性
EUSの中心は、大容量の極低温推進剤タンク群と、液体水素(LH2)および液体酸素(LOX)を燃焼させる、真空向けに最適化されたRL10エンジン群である。この段では、効率の高い再始動可能な推進と、長時間のコースト性能が重視されている。主な特徴は次のとおりである。
- 高エネルギー任務に適した推力をまとめて発揮する、4基のRL10級真空エンジン。
- 宇宙空間での運用において高い比推力と効率を持つLH2/LOX推進剤の組み合わせ。
- コースト区間中の蒸発損失を抑えるための、断熱、熱制御、加圧などの極低温推進剤管理システム。
- 軌道投入、月遷移投入、軌道修正など、複雑な任務手順を可能にする複数回再始動機能。
開発と背景
EUSは、より小型の暫定極低温推進段では対応しきれない任務範囲を、SLSファミリーに拡大するために構想された。開発では、RL10エンジン系統のような実績ある構成要素と、人間搭乗型の深宇宙ミッションに適した新しい大容量タンク、アビオニクスの統合に重点が置かれた。初期計画では、2020年代の後半に行われるSLS Block 1Bの飛行に合わせて導入することが想定されていたが、その投入時期はSLS計画全体の進行とも関係している。
役割とミッションでの用途
EUSの主な役割は、ペイロードを月やほかの深宇宙目的地へ向かう軌道に載せるための高エネルギー燃焼を実施することである。典型的な用途には、次のようなものがある。
- 有人・貨物ミッションでの月周回軌道やゲートウェイ構成要素への月遷移投入。
- より高エネルギーな軌道へ大型構成物を届けるための、宇宙空間でのタグ機能の提供。
- 高いデルタVを必要とするサンプルリターンや深宇宙ロボットミッションの支援。
主な特徴の違い
一部のSLSミッションで使われた従来の暫定上段と比べると、EUSは総インパルスが大きく、月遷移投入に対するペイロード能力も高く、複数エンジンと再始動機能により任務プロファイルの柔軟性も増している。この段は、RL10エンジンの長い運用実績を活用しつつ、非常に大型の極低温タンクに伴う熱的・構造的課題に対応するものである。計画の背景や打ち上げ機の詳細については、スペース・ローンチ・システムの項目を参照。
真空中で作動し、有人ミッションのアーキテクチャを支えるため、EUSの設計では信頼性、冗長性、軌道上再始動性能が特に重視されている。SLS Block 1Bへの統合は、NASAのアルテミス時代における月探査、さらに将来の月圏外ミッションに向けて、打ち上げ機の用途を広げることを目指している。
関連項目
著者
AlegsaOnline.com 探査用上段(EUS) Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/32984