フクロモモンガモドキ(Acrobates pygmaeus)
フクロモモンガモドキは、オーストラリア東部に生息する小型有袋類で、世界最小の滑空性哺乳類である。羽毛状の尾と小さな飛膜を用い、木々の間を滑空して花蜜、花粉、昆虫を探す。
概要
フクロモモンガモドキ(Acrobates pygmaeus)は、オーストラリア東部および近隣の島々に固有の小型の夜行性有袋類である。小型のネズミほどの大きさで、体重はわずか数グラムしかなく、世界最小の滑空性哺乳類として知られる。英名は、滑空時のバランス維持や方向転換を助ける、特徴的な羽毛状の尾に由来する。
画像ギャラリー
5 画像形態的特徴
成獣は小さく引き締まった体と、硬い毛が縁に生えた細長い尾をもつ。この毛によって尾は羽毛のような輪郭を示す。前肢と後肢の間には毛で覆われた飛膜(ひまく)があり、本種では比較的短く、肘から膝にかけて伸びている。小型でありながら優れた滑空能力をもち、木から飛び出して通常は数メートル、ときには約25メートル先の木まで滑空することがある。
行動と生態
夜行性かつ樹上性で、夜間に花蜜、花粉、小型の無脊椎動物を探して採食する。利用できる場合には、樹液や甘露も食べる。枝から素早く跳び出し、飛膜を広げ、尾を操作して降下を制御する。寒冷な時期には、代謝率を下げる省エネルギー状態であるトーパーに入ることが多い。
生息地と分布
湿潤な森林から乾燥した硬葉樹林、適切な樹木被覆のある都市公園まで、さまざまな樹林環境に生息する。通常は樹洞や岩の割れ目、あるいは葉や草で作られた巣の中に身を隠す。分布の中心はオーストラリア東部であり、沿岸部と内陸部の双方に見られる。
繁殖と社会生活
有袋類であるため、フクロモモンガモドキは育児嚢で子を育てる。雌は少数の未発達な子を産み、子は乳首に付着したまま初期の発育を完了する。単独で生活することもあれば、小さな家族群で見られることもあり、詳しい社会構造は生息地や地域の条件によって異なる。
保全状況と特筆すべき点
- 分類:Acrobates pygmaeus。オーストラリアにおける同属唯一の代表種である。
- 特徴:羽毛状の尾、非常に小さな飛膜、きわめて軽い体重。
- 状況:一般に世界的な絶滅の危機にあるとは見なされず、保全評価では低懸念に分類されているが、地域個体群は生息地の喪失による影響を受ける可能性がある。
- 比較:より大型の滑空性有袋類であるフクロモモンガと比べると、飛膜は体に対して小さく、空中での制御には尾がより大きな役割を果たす。
フクロモモンガモドキは、特殊化した移動方法と小さな体が、哺乳類による樹上の生態的地位の有効な利用を可能にすることを示している。跳躍能力、羽毛状の尾、コンパクトな飛膜の組み合わせにより、独特で高度に適応した小型の滑空動物となっている。
関連項目
著者
AlegsaOnline.com フクロモモンガモドキ(Acrobates pygmaeus) Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/33784
出典
- bucknell.edu : Mammal Species of the World
- iucnredlist.org : Acrobates pygmaeus
- australianstamp.com : "The feathertail glider"
- commons.wikimedia.org : Acrobates pygmaeus