フラット(♭)とは:音楽記号の意味・種類(ダブル/ハーフフラット)とUnicode
フラット(♭)の意味からダブル/ハーフフラット、稀なトリプルや表記・Unicode(U+266D等)まで図解と例でわかりやすく解説。
音楽におけるフラット(♭、ベモレ)は、音の高さを下げることを示す記号です。楽譜上ではフラットは「1つにつき半音(半歩)下げる」ことを意味し、記号は(♭)で表されます。Unicodeでのフラット記号は「♭」(U+266D)で、HTMLの数値エンティティは ♭ です。
基本的な使い方と音楽理論上の意味
十二平均律(等音律)の下では、フラットによって表された音はしばしば別の音とエンハーモニック(同音異名)になります。たとえば、C♭は通常の調律ではB(Bナチュラル)と同じ高さになり、G♭はF♯と同じ高さになります。また、楽譜上の臨時記号(フラットやナチュラルなど)は、その小節内で同じ音名(同じ位置の音符)に対して有効で、次の小節では解除されます(楽譜の取り扱いにより例外あり)。
調律の文脈では、「フラット」は単に“少し低めに調整されている”という意味でも使われます。複数の楽器が同時に演奏する際、ある楽器が他よりわずかに低い(フラットな)音程で鳴ることがあります。
種類:ダブルフラット、ハーフフラット、3/4フラット、トリプルフラット
ダブルフラット(♭♭)は、音を2半音(全音)下げる記号です。楽譜上は2つのフラットが並んだように見え、しばしば次のような画像で示されます:。Unicodeでは楽譜記号ブロックにダブルフラットを表す文字が含まれており、MUSICAL SYMBOL DOUBLE FLAT は U+1D12B(10進で119083、数値エンティティは 𝄫 または 𝄫)です。
ハーフフラットは四分の一音(クォータートーン)を示す記号で、伝統的にはフラットに斜線を入れた形や、反転したフラット風の記号で表されることがあります。例として以下のような画像が用いられます:。ハーフフラットは中東やトルコなどの微分音(マイクロトーン)音楽でよく使われます。
3/4フラット(分数的なフラット)は、ハーフフラットと標準のフラットを組み合わせて三分の四音を示すことがあり、表記法によって「ハーフフラット + フラット」などで表現されます。
トリプルフラットは理論上は音を3半音下げますが、実際の楽譜では非常にまれで、標準的なUnicode単一文字としての割り当ては一般にありません。必要ならば複数の記号を組み合わせて表記するか、作曲者が特殊な表記を用います。
譜例とキー(調号)
A♭などの臨時記号(臨時的に音高を変える記号)は譜面上で広く使われます。たとえば、A♭やAの二重♭といった表記は図や譜面で示されることがあります。楽典では、調号として使われるフラットの並び(増えていく順)はB, E, A, D, G, C, F(BEADGCF)という順序です。これは調号を覚える基本的な規則です。
注意点と補足
- 楽譜上の臨時記号は基本的に同一小節内で同じ位置(同一の音高)に適用されます。次の小節では効果が切れます(但し譜面の指示やオクターブ表記による例外あり)。
- 微分音(四分音やその他)を使う現代音楽や民族音楽では、ハーフフラットなどの特殊な記号が使われ、標準の12音体系とは異なる細かな高さの表現が行われます。
- Unicodeやフォントによっては、特定の音楽記号(特に拡張されたダブルフラットなど)が正しく表示されない場合があります。必要に応じて代替表記(複数の記号の組み合わせ)を用います。
まとめると、フラット(♭)は半音下げを示す基本的な臨時記号で、ダブルフラット、ハーフフラット、3/4フラット、稀なトリプルフラットなどの派生記号があり、これらは等音律や微分音の文脈で重要な役割を果たします。
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質問と回答
Q:音楽でいう「フラット」とはどういう意味ですか?
A:音楽では、フラット(Bemolle)とは、"音程が低い "という意味です。楽譜では、flatは "半音(半ステップ)だけ音程が低い "という意味です。
Q:フラットの記号は何ですか?
A: フラットの記号は '♭' (U+266D) です。HTMLでの実体は ♭ です。
Q: ダブル・フラットやトリプル・フラットは存在しますか?
A: はい、ダブルフラットは見た目が似ていて、音を半音2つ、つまり全音下げるものがあります。トリプルフラットは非常に珍しく、半音ずつ音を下げます。
Q: ハーフフラットやスリークォーターフラットはどのように表示されるのですか?
A: ハーフフラットは、フラットにスラッシュ()を付けたり、フラット記号を反転させて表示されることがあります。4分の3♭は、半♭と普通の♭で表されます。
Q: A♭の楽譜の例をあげてください。
A: A♭の楽譜の例を、図1のAダブルフラットと一緒に見てみましょう。
Q: 「♭」は調律楽器ではどのように使われるのですか?
A: 音律楽器では、"フラット "は "音程が少し低い "という意味もあります。同じ音を2つの楽器で同時に鳴らすと、低い方の音は高い方の音より少し平らになっているとみなされるのです。
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