FLUX OF PINK INDIANS(フラックス・オブ・ピンク・インディアンズ)は政治的パンクバンドで、1980年にイギリスのハートフォードシャーで結成されました。オリジナル・ラインナップはコリン・ラッター(ボーカル)、デレク・バーケット(ベース)、ケビン・ハンター(ギター)、マーティン・ウィルソン(ドラム)で構成されていました。バンドは当初Epilepticsという名で活動していましたが、イギリスてんかん協会からの苦情を受けて、一時的にEpi-Xと改名し、その後Flux of Pink Indiansを名乗るようになりました。

結成から初期の活動

結成後まもなく、Flux of Pink IndiansはイギリスのCrassレーベルと関係を持ち、1981年に同レーベルからデビュー・アルバムNeu Smellを発表しました。アルバム収録曲の一部は、反権力的・反体制的なメッセージを強く打ち出しており、いわゆるアナーコ・パンクの文脈で評価されました。デビュー期には、パンク/DIY精神とアナーキズム的な政治姿勢を掲げ、積極的に反戦や社会的不正への問題提起を行っていました。

レーベル設立と代表作

メンバーは自主性を重視し、自らのレーベルSpiderlegを立ち上げて活動を継続しました。Spiderlegからは1982年のアルバムStrive to Survive Causing Least Suffering Possibleなどが発表され、バンドはインディーズ/アンダーグラウンドなシーンでの存在感を高めました。

  • Neu Smell(デビュー、Crass関連) — 初期の代表作
  • Strive to Survive Causing Least Suffering Possible(1982) — Spiderlegからのリリース
  • The Fucking Cunts Treat Us Like Pricks(1983) — 物議を醸した作品
  • Uncarved Block(1986、バンド名をFLUXに短縮) — インストゥルメンタル志向の作品

検閲・論争

1983年にリリースされたシングル/作品The Fucking Cunts Treat Us Like Pricksは、その刺激的なタイトルとアジテーション的な内容のため、多くのイギリスの小売店で取り扱いを拒否され、販売や流通の面で大きな障害に直面しました。あるマンチェスターのインディーズ・レコード店では、この作品が「利益を得るために出版するための猥褻な記事を表示した」として告発されるなど、表現の自由と検閲を巡る議論を巻き起こしました。こうした出来事は当時のパンク・シーンにおける自己表現と商業流通の緊張関係を象徴する事件の一つになりました。

編成変更・その後の音楽性の変化

バンドは活動の途中で音楽性を変化させ、より実験的でインストゥルメンタル寄りの方向へ進みます。1986年にはグループ名を短縮してFLUXとし、インストゥルメンタル主体のUncarved Blockを発表して復帰しました。この作品では、激しい政治アジテーション一辺倒ではない、より多面的な表現が試みられています。

メンバーのその後とレーベル活動

ベーシストのデレク・バーケット(Derek Birkett)は音楽ビジネス側でも活動し、後にインディペンデント・レーベルのワン・リトル・インディアン(One Little Indian、現在はOne Little Independentに改称)を設立しました。彼のレーベルは後に多様なアーティストを世に送り出し、インディペンデント音楽界における重要な存在となりました。

ディスコグラフィーとリリース状況

主要なアルバムやシングルは上記の通りで、英国内外のパンク/インディーズ・シーンに影響を与えました。オリジナル音源やコンピレーション、リマスター盤は時折再発されており、ファンやコレクター向けにまとめられています。元の記事にもある通り、彼らの最新のCDは2003年に発売されており、その後は主に再発やアンソロジー的な形で音源が流通しています。

影響と評価

Flux of Pink Indiansは、アナーコ・パンクの政治性とDIY精神を体現したバンドの一つとして認識されています。激しいアジテーションを前面に出す時期と、実験的・音響的な探求を行う時期を経て、パンクというジャンルの中で幅広い表現を試みたことが評価されています。また、Spiderlegやワン・リトル・インディアンのような独立レーベル運営を通じて、同時代のアンダーグラウンド音楽の流通に貢献した点も重要です。

主要メンバー(代表)

  • コリン・ラッター(ボーカル) — 初期からの中心人物
  • デレク・バーケット(ベース) — 後にレーベル運営を行う
  • ケビン・ハンター(ギター)
  • マーティン・ウィルソン(ドラム)

Flux of Pink Indiansは、直接的な政治表現とDIYの態度でパンク史に独自の足跡を残したバンドです。検閲や論争に直面しつつも、活動を通じてインディーズ音楽の文化的地盤を広げた点で、現在も研究や再評価の対象となっています。