幾何平均(Geometric Mean)とは:定義・計算式・金融・統計での活用
幾何平均の定義と計算式をわかりやすく解説。金融・統計での活用例や注意点(ゼロ・負値)まで実務で使える入門ガイド。
幾何平均は、数の集合を表すのに使われる数である。これらの数値の積のn番目の根を取ることによって計算されます。平均について話すとき、ほとんどの人が言及するのは、算術平均です。幾何平均は、ほとんどの場合、算術平均より小さくなります。場合によっては、等しくなることもある。幾何平均は金融や統計でよく使われる。
積があるので、数値の1つが0であれば幾何平均を計算しても意味がありません。また、一般に、数値の1つが負である場合にも、計算する意味はあまりない。複素数の根を計算すると結果が複数になるため、複素数には使われない。
定義と計算式
幾何平均(Geometric mean)は、正の実数 x1, x2, …, xn に対して次の式で定義されます。
G = (x1 × x2 × … × xn)^(1/n)
実務上は対数を使って計算することが多く、数値のオーバーフローやアンダーフローを避け、計算を安定させます。対数を用いると次のようになります。
G = exp( (1/n) × Σ_{i=1}^n ln(xi) )
簡単な例
- 数値が 2 と 8 の場合:G = √(2×8) = √16 = 4。
- 算術平均は (2+8)/2 = 5 であり、幾何平均 4 は算術平均より小さい(AM–GM 不等式)。
重み付き幾何平均
サンプルに重み w1, w2, …, wn(Σ wi = 1)を与える場合、重み付き幾何平均は次のように定義されます。
G = Π_{i=1}^n xi^{wi} = exp( Σ_{i=1}^n wi × ln(xi) )
金融での活用(年平均成長率・CAGRなど)
金融では、複利的な成長や連続する利回りの平均を求めるときに幾何平均がよく使われます。例えば年ごとのリターン r1, r2, …, rn を与えられたとき、各年の増加率を fi = 1 + ri とすると、n 年間の累積成長率は Π fi です。年平均の成長率(CAGR)は次のように求められます。
CAGR = (Π_{i=1}^n fi)^{1/n} − 1 = exp( (1/n) Σ ln(fi) ) − 1
例:年リターンが +10%, −5%, +20% の3年間なら、fi = 1.10, 0.95, 1.20。累積係数は 1.10×0.95×1.20 = 1.254、CAGR = 1.254^{1/3} − 1 ≈ 0.078(約7.8%/年)。
統計での利用
- データが乗法的(比率や成長率など)で変化する場合、幾何平均は代表値として適切です。
- 分布が右に歪む(長い右裾)場合、対数変換して平均をとることで幾何平均が得られ、中央傾向のより良い指標になります。
- 幾何標準偏差(geometric standard deviation)を使うと、対数空間でのばらつきを解釈できます。定義は GSD = exp( sqrt( (1/n) Σ (ln(xi/G))^2 ) ) など。
性質と制約
- AM–GM 不等式:算術平均 A と幾何平均 G について、常に G ≤ A(等号は全ての値が等しいときに成立)。
- 正の値が必要:幾何平均は通常、xi > 0 の場合に意味を持ちます。xi = 0 が含まれると積は0になり、代表値として有用でない場合が多いです。xi が負の場合、奇数個の負値なら積は負になり実数の奇数根は存在するが、負の値を扱う意味合いが異なり一般的には避けられます。対数を取る手法は xi > 0 を前提とします。
- 数値計算上の注意:多くの項を掛け合わせると桁あふれや丸め誤差が生じるため、対数を取って和を計算し、最後に指数を取る方法が推奨されます。
まとめ
幾何平均は、割合・成長率・比率のような乗法的関係を持つデータの代表値として有用です。算術平均よりも小さくなることが多く、累積的な成長や年率換算(CAGR)を出す際に頻繁に用いられます。一方で、ゼロや負の値には注意が必要で、計算や解釈の前にデータの性質を確認することが重要です。
質問と回答
Q:幾何平均とは何ですか?
A:幾何平均は、数字の集合を表すのに使われる数字です。これらの数の積のn番目の根をとることによって計算されます。
Q:幾何平均はどのように計算するのですか?
A:幾何平均を計算するには、集合の中のすべての与えられた数の積のn番目の根を取る。
Q:「平均」または「平均」について話すとき、通常、何を指すのですか?
A:「平均」や「平均」といえば、通常、算術平均を指します。
Q:幾何平均は常に算術平均より小さいのですか?
A:はい、一般的に言えば、幾何平均は対応する算術平均よりほとんど常に小さいです。場合によっては,等しくなることもある。
Q:幾何平均は、その数値の1つがゼロである場合、計算できますか?
A:いいえ。計算には積が関係するので、その数値の1つがゼロの場合、幾何平均を計算することは意味を持ちません。
Q:幾何平均を計算するとき、その数値の1つが負であっても意味があるのでしょうか?
A:一般的に言えば、ノーです。その数値の1つが負である場合、幾何平均を計算することはあまり意味を持ちません。
Q: この方法を複素数に使うことは可能ですか?
A; いいえ - 複素数で根を計算すると結果が複数になるので、この方法は使えません。
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