座標50°27′n 3°57′e / 50.450°n 3.950°e / 50.450; 3.950

エノー州(Walloon: Hinnot; Dutch: Henegouwen; German: Hennegau)は、ベルギーの3つの地域のうちの1つであるワロン地域の州である。州都はモンス市。

ワロン地域の最西端に位置する県です。

概要

エノー州(フランス語: Hainaut〈エノー〉)は、ベルギー西部に位置し、フランス国境に接するワロン地域最大級の州の一つです。州名は州内を流れる河川ハーヌ(Haine)に由来します。面積はおおよそ約3,800 km²、人口はおおむね約130万〜140万人(2020年代前半の目安)で、工業都市や歴史都市が点在します。

地理と行政区画

  • 地形は平野や低い丘陵が多く、石炭採掘や重工業で発展した地域(いわゆる「Pays Noir」=黒い地帯)があります。
  • 州内には複数の主要河川が流れ、ハーヌ(Haine)、サムブレ(Sambre)などが経済や交通に重要な役割を果たしてきました。
  • 行政的にはいくつかの郡(arrondissement)と多くの自治体(municipalities)に分かれ、主要都市としてはモンスのほかにシャルルロワ(Charleroi)、トゥルネー(Tournai)、ラ・ルヴィエール(La Louvière)、ビンシェ(Binche)などがあります。

歴史

エノーの地域は中世から重要な地方領域(エノー伯領)として知られ、フランドルやフランス、スペイン、オーストリアなどの支配を受けながら歴史を刻んできました。19世紀から20世紀にかけては石炭・鉄鋼産業が急速に発展し、産業革命期の中心地の一つとなりました。20世紀後半以降は鉱業・重工業の衰退に直面し、経済構造の転換と再生が進められています。

経済と産業

  • かつての炭鉱・製鉄業に代わり、現在はサービス業、物流、機械・化学、中小製造業、観光などに多様化しています。
  • シャルルロワ周辺は大規模な都市圏と産業基盤を持ち、またBrussels South Charleroi Airport(通称シャルルロワ空港)が国際便のゲートウェイとして利用されています。
  • EUやベルギー中央政府、地域の再開発プロジェクトにより旧産業地帯の再生と雇用創出が図られています。

文化・観光

  • モンスの「Le Doudou(ドゥドゥ)」と呼ばれる聖ジョルジュ祭礼の行事はユネスコの無形文化遺産に登録されています。
  • ビンシェのカーニバル(Binche Carnival)も無形文化遺産で、伝統的な仮面行列で知られます。
  • トゥルネーのノートルダム大聖堂や、州内には複数の市庁舎の塔(ベフロワ:belfries)があり、ベルギー・フランスのベフロワ群としてユネスコ世界遺産に含まれるものもあります。
  • 産業遺産や博物館、歴史的建造物の保存・活用に力を入れており、工業遺産ツーリズムも見どころのひとつです。

交通

州内は鉄道・高速道路などの交通網が発達しており、ブリュッセル、フランス(リール、パリ)方面との連絡が良好です。前述のシャルルロワ空港は格安航空会社の便も多く、国際的なアクセスに重要です。

言語と社会

エノー州の公用語はフランス語で、住民の大多数がフランス語を話します。地域にはピカルディ語などの地方方言も残っています。歴史的・経済的背景から多数の移民コミュニティがあり、多文化的な社会が形成されています。

まとめ

エノー州は、ベルギーのワロン地域における歴史的・産業的な重要地域です。かつての炭鉱・重工業の遺産とともに、文化行事や歴史建造物、再開発による経済再編など、多面的な魅力を持っています。州都のモンスは行政・文化の中心地であり、シャルルロワをはじめとする都市圏とともに、地域の経済・文化を支えています。