概要

1981年12月1日、イネクス・アドリア航空1308便は、マクドネル・ダグラス MD-81を使用したユーゴスラビアのチャーター便として運航されていたが、フランスのコルシカ島モン・サン=ピエトロの地形に衝突して破壊され、搭乗していた180人全員が死亡した。事故は、悪天候の中で同島の空港へ計器進入中に発生した。これはMD-80シリーズ機として初の大規模な全損事故であり、当時はフランス領内で起きた民間航空事故として2番目に死者数の多いものだった。

航空機と便の概要

事故機はMD-81で、マクドネル・ダグラスのMD-80ファミリーに属する中距離・ナローボディのジェット旅客機の一つだった。MD-80は1970年代後半から1980年代前半にかけて、欧州の航空会社やチャーター運航で広く使われていた。1308便は、休暇客をコルシカ島へ運ぶ定期外チャーター便だった。運航会社のイネクス・アドリア航空は、当時はユーゴスラビアの航空会社であった。目的地へ接近する際、機体は計器気象状態に入っていた。

事故の経過

進入中、機体は許可された最低高度を下回って降下し、モン・サン=ピエトロの斜面に衝突した。衝突によって機体は破壊され、生存者はいなかった。後の調査では、レーダーデータと交信記録から最後の数分間が再現され、視程と雲底が低い山岳地形の中で、機体が降下を続けていたことが確認された。

調査と推定原因

公式調査は、この事故を、地形への制御飛行衝突(CFIT)として結論づけた。原因には、乗務員と航空管制機関との間の伝達不備や誤解、進入許可の誤った解釈、進入手順上の不備が含まれていた。さらに、悪天候や、安全高度を下回る降下を防ぐための保護策がなかったことも要因として挙げられた。

その後と影響

この事故を受けて、同種の事故の危険を減らすための勧告が出された。具体的には、進入手順の明確化、乗員間のリソース・マネジメントと用語の改善、公布された最低限度の厳格な順守、計器進入中の状況認識の重視などである。また、航空界におけるCFIT防止への関心と、接近する地形との衝突を警告するシステムの重要性を高める契機にもなった。

特記事項

  • この便は、当時ユーゴスラビアの航空会社だったイネクス・アドリア航空によって運航されていた。
  • 目的地はフランスのコルシカ島にあり、墜落現場は進入経路の近くにあるモン・サン=ピエトロだった。
  • MD-80ファミリーに関わる最初の大事故であり、ターキッシュ・エアラインズ981便に次いで、フランスで起きた航空災害の中でも最悪級のものの一つであり続けている。

1308便の事故は、進入時の規律、管制と乗員の連携、そして地形への制御飛行衝突のリスクを下げる体系的対策について論じる際の参照事例であり続けている。