アブラムシとは|植物被害をもたらす小型害虫の特徴・種類・天敵と防除
アブラムシの特徴・被害・主要種・天敵・効果的な防除法をわかりやすく解説、園芸・農業の必読ガイド。
アブラムシは、植物を食べる小さな虫です。アブラムシは他のどの昆虫よりも多くの植物被害をもたらします。アブラムシには4,000種類以上の種類があります。
約250種が農林業の重大な害虫であり、園芸家にとっても迷惑な存在です。大きさは長さ1~10mm程度です。
重要な天敵としては、捕食性のテントウムシ(Coleoptera: Coccinellidae)、ホバーフライの幼虫、レイスウイング(Neuroptera)、アブラムシの幼虫Aphidoletes aphidimyza、カニグモ、Lecanicillium lecaniiなどの昆虫食菌などが挙げられます。
アブラムシは地球上の様々な場所に生息しています。アブラムシは温帯地域で最もよく見られます。アブラムシは空を飛んで遠くまで移動することができます。例えば、レタスにつくアブラムシは、ニュージーランドからタスマニアまで広がりました。また、感染した植物材料を人が運ぶことによっても広がります。
特徴と見分け方
アブラムシは小型(約1〜10mm)で、体色は緑・黄・黒・赤・ピンクなど多様です。口は植物の汁を吸うために特化した刺吸(しきゅう)口器を持ち、茎や葉の柔らかい部分に針を差し込んで養分を吸います。吸汁により、葉の萎縮、変形、黄化、成長不良などの症状が現れます。
生態・生活環
多くのアブラムシは短い世代周期で繁殖し、条件が良ければ急速に個体数が増えます。特徴的なのは次の点です。
- 有性生殖と無性生殖(単為生殖)の両方を行う種があり、温暖期には胎生で雌のみが無性交尾で多数の子を産むことが多い。
- 環境悪化や密度が高くなると有翅型(飛べる個体)が出現し、風に乗って広範囲へ拡散する。
- 一部は越冬求偶や寄主替え(春秋に宿主植物を変える)を行う。
与える被害
アブラムシによる被害は直接被害と間接被害に分けられます。
- 直接被害:植物の汁を吸うため、発育不良や葉の捻じれ、果実の品質低下を引き起こす。
- 間接被害:排泄物(蜜露:みつゆ)が葉面に付着し、すす病(煤状のカビ)が発生して光合成を妨げる。また、多くのアブラムシはウイルス病のベクター(媒介者)であり、ウイルス病を広げて作物に深刻な被害をもたらすことがある。
- さらに、蜜露を好むアリがアブラムシを保護し、天敵の寄生や捕食から守る行動(アリとの相利関係)をとる場合もある。
天敵と生物的防除
アブラムシには多くの天敵が存在し、生物的防除が有効な場面が多いです。先に挙げたように、テントウムシやホバーフライの幼虫、Neuroptera類の捕食者、幼虫Aphidoletes aphidimyzaなどが代表的です。また、Lecanicillium lecanii(昆虫病原菌)などの微生物を利用した防除も行われます。
生物的防除のポイント:
- 天敵を温存するために、過度な農薬使用を避ける。
- 花粉や蜜源植物を周辺に配置して天敵(捕食者・寄生者)を誘引・保護する。
- 発生初期に天敵を放飼することで効果的に個体数を抑える。
防除方法(農業・園芸での対策)
防除は発生レベルと栽培現場に応じて組み合わせるのが効果的です。一般的な方法を示します。
- モニタリング:葉裏をこまめに観察し、早期発見する。黄色や変形、蜜露の有無をチェックする。
- 栽培管理:過剰な窒素施肥はアブラムシの増殖を助けるため適正施肥を行う。風通しや日当たりを改善する。
- 物理的・機械的防除:水圧で吹き飛ばす、被覆資材で侵入を防ぐ、幼若な枝を剪定して持ち出すなど。
- 薬剤:接触毒や浸透移行性の殺虫剤があるが、天敵や媒介ウイルス対策を考えて使用を最小限にし、作用機序を変えて抵抗性対策を行う。
- 家庭菜園向けの低毒性法:石けん水散布、園芸用オイル(被覆剤)、ニーム油などを利用する。被害が軽度のうちに処理するのが有効。
拡散経路と予防
アブラムシは自ら飛翔する有翅型や風による飛来のほか、感染した植物材料や苗、果実などの移動により人為的に広がります。園芸や流通の段階で入念に検疫・検査を行うことが重要です。新しく購入した苗はしばらく隔離して観察するなどの予防策を取ってください。
まとめ(ポイント)
- アブラムシは小さいが繁殖力が強く、直接の吸汁被害やウイルス媒介、蜜露による二次被害が問題になる。
- 天敵による自然抑制が期待できるため、化学防除は必要最小限にとどめ、IPM(総合的病害虫管理)を実践する。
- 早期発見・早期対応、適切な栽培管理と予防が被害を抑える鍵である。
バルトアンバーのアブラムシ
質問と回答
Q:アブラムシは何を餌にするのですか?
A:アブラムシは植物を食べます。
Q: アブラムシはどのような被害をもたらすのですか?
A:アブラムシは、他のどの昆虫よりも植物に大きな被害を与えます。
Q: アブラムシは何種類くらいいるのですか?
A:4,000種類以上のアブラムシがいると言われています。
Q:アブラムシのうち、農林業にとって重大な害虫となる種は何種類ありますか?
A:約250種が農林業にとって重要な害虫です。
Q:アブラムシの天敵にはどのようなものがありますか?
A:アブラムシの天敵としては、捕食性のテントウムシ、ホバーフライの幼虫、コナガ、アブラムシの幼虫Aphidoletes aphidimyza、カニグモ、Lecanicillium lecaniiなどの昆虫食性の菌類があげられます。
Q: アブラムシはどこで多く発生するのですか?
A: アブラムシは温帯に多く生息しています。
Q: アブラムシはどのようにして様々な場所に移動するのですか?
A: アブラムシは空気中を遠くまで移動することができ、また、感染した植物材料を人間が輸送することによっても広がっています。
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