朝河貫一(浅川貫一)—日本の学者・作家・歴史家・図書館員・平和運動家(1873–1948)

この日本名では、姓は「浅川」

朝河 貫一(あさかわ かんいち、1873年12月20日 - 1948年8月10日)は、日本の学者、作家、歴史家、図書館員、学芸員、平和運動であった。

生涯の概略

朝河貫一(浅川貫一)は明治・大正・昭和の激動期に活動した知識人で、学問研究と公共文化施設の発展に力を注いだ人物である。若年期から史料収集や図書学・博物学に関心を持ち、長年にわたり史学・図書館学・博物館学の分野で幅広く活動した。

学術と図書館・博物館での業績

  • 歴史研究者として、一次史料の収集・整理・目録化に努め、地域史や近現代史の研究に寄与した。
  • 図書館員・学芸員として、図書館や博物館の資料整備、展示構成、一般向け公開や教育普及に力を注いだ。資料の標準化や利用者サービス向上に関する提言を行った。
  • 図書分類・目録作成・保存技術などの面で後進の育成に関わり、公共図書館や学術機関における運営実務の整備に貢献した。

作家・歴史家としての活動

多数の論考や随筆を発表し、一般向けの歴史解説や文化論、書評などを通じて読者に歴史理解を促した。学術論文だけでなく市民向けの著作も手がけ、知識の普及に努めた。

平和運動と社会活動

国際協調や平和を訴える立場から、講演・執筆・市民運動に参加し、戦争や軍備問題に対する批判的視点を示した。戦間期から戦後にかけての平和運動に関与し、文化人としての責任を果たそうとした。

主な貢献と影響

  • 図書館・博物館運営の実務改善と普及により、公共文化施設の利用環境向上に寄与した。
  • 一次史料の収集・整理を通じて地域史研究の基盤整備に貢献し、後続研究者にとって重要な資料群を残した。
  • 平和思想の普及に努め、文化的アプローチから社会課題への発言を続けたことで、学界・市民社会双方に影響を与えた。

著作と遺産

生前に多数の論文・記事・著作を残し、その一部は図書館や博物館の蔵書として保存されている。彼の資料整理手法や展示思想、平和に関する著述は、現在でも図書館学・博物館学・歴史学の研究・実務において参照されることがある。

評価と研究上の注意

朝河貫一の業績は、学際的な活動に特徴があり、図書館・博物館学と歴史学、社会運動をつなぐ存在として評価される。一方で、詳細な経歴や個別の著作については、専門の仮名索引や目録、アーカイブ資料を参照して検証することが望ましい。

さらに詳しい情報や一次資料を探す場合は、主要な図書館の目録や博物館の所蔵目録、当時の学術雑誌や新聞記事アーカイブを参照するとよい。

1940年の浅川Zoom
1940年の浅川

幼少期

二本松市に生まれる。東京の早稲田大学に留学。

1899年、ニューハンプシャー州ハノーバーのダートマス大学で学士号(B.A.)を取得。その後、イェール大学で研究を続ける。1902年、博士号取得。

キャリア

1902年、ダートマス大学で講義をする。1906年から1907年にかけては早稲田大学教授を務めた。

1907年、浅川はイェール大学のスターリング記念図書館の東アジアコレクションのキュレーターに任命された。

浅川は1907年から1910年までイェール大学の教官を務め、その後助教授となった。彼はアメリカの主要大学における最初の日本人教授となった。彼は35年間イェール大学で歴史を教えた。彼が影響を与えた人物の一人にジョン・ホイットニー・ホールがいる。

浅川は、米国における日本研究、アジア研究の創設に貢献した。

政治

日露戦争終結後、浅川は日本における軍国主義の拡大に反対を表明するようになる。1941年には、日米開戦を阻止しようとした。

主な作品

OCLC/WorldCatは、浅川閑一に関する著作を、5言語、220以上の出版物、2,400以上の図書館所蔵の約110以上の作品に分類しています。

  • 日本の初期の制度的生活。(1903)
  • 日露戦争とその原因および問題点 (1905年)
  • 日本の封建的土地所有の起源 (1914年)
  • 中世日本における僧正の生活(1919年)
  • 日本の封建制度の発達を物語る入来文書(1922年)

また、フランク・ブリンクリー編『日本』(1904年)、『諸国民の歴史』シリーズ(1907年)、『中国と極東』(1910年)、『日本と日米関係』(1912年)、『歴史における太平洋』(1917年)などにも寄稿している。

レガシー

浅川は、人生の大半をアメリカで過ごした。日系アメリカ人の歴史では、彼は日本で生まれた移民である一世の中に位置づけられる。

2007年、浅川がイェール大学の歴史学講師に就任してから100年を記念して、阿部信一郎が設計したイェール大学の浅川日本庭園が完成した。

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